生駒 忍

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不人気の大納言あずきを売る理由と不協和低減

きょう、マイナビ学生の窓口に、サーティーワンアイスクリーム 10年連続人気ワースト1がなくならない理由という記事が出ました。テレビ朝日系「中居正広のミになる図書館」の、「知らなきゃ良かった!」第61弾からの内容紹介です。

「多くのフレーバーがあり、どれを食べようか迷ってしまい、結局いつも同じものをオーダーしてしまうことになる人もいる。」、皆さんはどうでしょうか。このパターンには、「多くのフレーバー」のはずが、意外にもそれほど異なるとは感じられていない可能性も考えられます。アサエルの4類型でみると、関心、ないしは関与が低い場合の、習慣的購買行動にも近いですが、高いとすると、不協和低減型購買行動となって、私はこれ、この味が好きだから、これが私、という認知を強化するサイクルになっているのかもしれません。

三田寛子の「一番のお気に入りは「ジャモカアーモンドファッジ」。」、一方で「サーティーワンアイスクリームの御園生氏によると、「ジャモカアーモンドファッジ」は、人気のないフレーバーの四天王のひとつ」、こういうこともあります。それでも、3か月半前に放送された、TBS系「ジョブチューン」の大人気飲食チェーン店SP!では、スタッフ側の人気アンケートで、ジャモカアーモンドファッジが3位でしたので、「80年代のアイドルたちはサーティーワンアイスクリームが大好きで、店を見つけると車を止めてもらって食べるのが楽しみだった。」という年季の入ったファンらしい、くろうとのセンスだと見たほうがよさそうです。

「2015年の人気ランキングのベスト3」、皆さんのイメージと合いますでしょうか。ポッピングシャワーのトップは、ゆるぎないようです。ちなみに、不二家 サーティワンチョコレート 2つのおいしさは、ベリーベリーストロベリーとポッピングシャワーの組みあわせですが、その説明を見ると、「年間を通じてサーティーワンアイスクリームでの人気NO.1商品「ポッピングシャワー」と、人気NO.2の「ベリベリーストロベリー」の品質をイメージしたアソート商品です。」とあり、2位が入れかわったことがわかります。

ワーストも安定で、「あっさりあずきの和風フレーバー「大納言あずき」は10年連続最下位」です。漢字が読めなくて注文できない人がいるかどうかはともかくとしても、出してからの数年でしたら、Amazon.co.jpでとても評価の高い罪と音楽(小室哲哉著、幻冬舎)にある、TM NETWORKが「デビューから2年半も助走ばかりでテイク・オフしないのだから。」「次の年の契約はないものと思って間違いない。」状況、あるいはNet IB Newsにきょう出た記事、【提案】東亜大学学園廃校のお奨め(3)にある、「学生の心をつかもうとしているが、その効果はまだまだ明確な形で表れているとは言いがたい状況」のように、これからを待てますが、そうではありません。それでもやめないのは、「主に高齢者から根強い人気」、「お孫さんと一緒に来店する、高齢者は「大納言あずき」ということらしい。」、つまり財布をつかみ、将来のファンをつかむためということです。ちなみに、「ジョブチューン」では、柴田理恵がこれと抹茶への思いを述べて、「THE ババァ」と突っこまれていたと思います。

「三田がイチオシする「ジャモカアーモンドファッジ」がなくなるかもしれないと聞いたら、一度食べたくなってしまうのが人間心理。」、よくあることです。買い物の要注意ワードとはてな村奇譚の記事で取りあげた、限定品商法にもかかわります。けさの朝日新聞朝刊の「ののちゃん」が、このあたりをいじりました。

断酒のメリットと高い保育費で得られる満足感

きょう、Menjoy!に、プチ依存症から脱却!恋も仕事も上手くいく「断酒のススメ」3つという記事が出ました。

「仕事のストレスはお酒を飲んで発散!」と書き出され、「仕事終わりの一杯が待ち遠しくなる気持ち」、「それはある意味“プチ・アルコール依存症”だとも言えます」とします。重い病気で、境目のむずかしいものをもとに、軽い位置に軽い命名をおくことは、議論がわかれるところでしょう。今日も飲み続けた私 プチ・アルコール依存症からの生還(衿野未矢著、講談社)の対象とも、また異なります。

その上で、「今回は「ちょっと断酒してみようかな」と思えるような、禁酒によってもたらされる様々なメリット」を論じます。断酒と禁酒とが混同されているようですが、「断」つことと、「禁」じることとで、主語をそれぞれ考えると、語感のちがいがわかりやすいと思います。依存症からの脱出(直江文子著、北辰堂出版)には、「家族や他人に禁止され「受動的に酒をやめる禁酒」や、「飲酒量を調整しながら飲む節酒」とは違い、「断酒」なのです。」という表現があります。

「科学雑誌『NewScientist』のジャーナリストであるアンディ・コフラン氏が行った実験によると」という紹介があり、ジャーナリスト自身が実証研究とは、めずらしいと思った人もいるかもしれません。おそらくは、New Scientistのウェブサイトに出た記事、Our liver vacation: Is a dry January really worth it?のことですので、一事例実験というほどの冷たさも、自分の体で実験したい 命がけの科学者列伝(L. デンディ・M. ボーリング著、紀伊國屋書店)ほどの熱さもありませんが、よい転帰で、よい呼びかけになるのは、よいことです。

「お酒をやめることによって、今まで飲みに使っていたお金がまるごと浮くわけですから、それを貯金に回すことができるようになります。」、まったくそのとおりですが、なかなかそのとおりにはならないでしょう。「そのお金を別のことに使ってもいい」、こちらになりそうですので、「お酒でストレスを発散するよりも健康的」なものと入れかえたいものです。ふと、知らなきゃよかった…偉人の秘密(ダイアプレス)が、フロイトについて、「モルヒネ中毒患者をコカイン中毒にした。」と大書したのを思い出しました。

その点で、少し不安なのは、「断酒をすればそのぶんカロリーが浮くわけですから、今まで我慢していた“甘いものを食べても平気”ということに」という考えです。交通事故はなぜなくならないか(G.J.S. ワイルド著、新曜社)の、リスク・ホメオスタシス理論を思わせます。Chikirinの日記の記事、保育所が永久に足りないであろう理由からそろそろ7年となりますが、あの「永久に足りない市場」説も、減らせばそれだけ流れこんでくるという、似たパターンです。この問題では、はてな匿名ダイアリーが国会にデビューし、週刊誌が書いたことで国会質問なんてといわれたころからは、隔世の感があります。それでも、Togetterにきょう出た記事、「保育園落ちた人」のツイートをめぐってのコメント欄などは、冷静な反応にとどまり、あそこですと「こんな目にあいました」案件にきたえられている人が多いという特殊事情はありますが、日本も捨てたものではないと思えます。

それで思い出したのが、Suzieにきょう出た記事、保育所が住宅ローンより高い!イギリスのびっくり「保育費」事情です。子どもはイギリスで育てたい! 7つの理由(浅見実花著、祥伝社)からの紹介のようですが、「保育所にかかる費用がとんでもなく高額」、「ロンドンで3歳未満の子どもを週5日のフルタイムで保育所に預けた場合、毎月800~1,300ポンド(約15万~24万円)もかかる」、これを「日本死ね」に乗った人は、どうとらえるでしょうか。「母親が朝から夕方まで毎日必死で働いたとしても、手取りがほぼ保育費に消えてしまう家庭は決して少なくない」、これでは「好きなこと」で食べる方法の記事の最後に触れた寓話を思わせますが、はたらく理由が、お金以外にもたくさんあるとします。その筆頭が、「家庭に入るより働くほうが、充実感や満足感を得られるから。」、これは、安定志向にあうはたらき方の記事で触れた拡張仮説からも興味深いですし、「家庭に入るより」と考える人が、子どもももっていることには、女性の社会進出、長くはたらける職場環境の変化が少子化につながったとされやすいわが国、ないしは日本社会が、変わるヒントがありそうです。少なくとも、イギリス人が知っている心を豊かにするたった一つの方法(井形慶子著、KADOKAWA)によれば、ママ友と優雅にランチなどという、ある層が夢みてやまない専業主婦は、「イギリス的価値観から見ればアンフェア(不公平)で、とてもリスキー」なのです。

「さとり世代」の定義と低い労働生産性の理由

きょう、マイナビ進学U17に、「ゆとり」世代だけじゃない! イマドキの若者は「さとり」といわれている!?という記事が出ました。

「近年よく聞くのが「ゆとり世代」と「さとり世代」」、「ともに最近の若い人たちを指している言葉ですが、みんさんにとっては、どのようなイメージを持たれる言葉でしょうか。」、どうでしょうか。黄明麗のことではないはずとは思いますが、「ニートティーンストーリー」という連想をねらったのかもしれません。

「ゆとり世代と呼ばれるのは、はっきりした定義はできないものの1990年代前半から2004年くらいに生まれた人を指しています。」とします。「はっきりした定義はできないものの」としながらも、終期に具体的な年を示しました。すると、「一方、「さとり世代」は、ゆとり世代の次の世代を指してそう呼ばれています。」としたこととの関係が、不自然になります。「さとり世代」を、2004年くらいから後の生まれととらえるのは、あまりにも若いように思われます。ちなみに、「ゆとり世代」が職場に来たら読む本(柘植智幸著、日経BP社)での「ゆとり教育世代」は、「1987~96年度生まれ」です。

「学力テストでいい点数を取ることを基準にして通知表の点数を決める「相対評価」から、テストの点数は低くても、授業態度や部活動での活躍、委員会やボランティア活動といった一生懸命な姿など、教員からみて努力する姿勢があることが評価の対象となる「絶対評価」に変わった」、これは誤解をまねく書き方です。学力テストの得点にも、関心・意欲・態度をランクづけや得点化したものにも、どちらの評価も可能です。また、「絶対評価」という用語が、心理学検定 基本キーワード 改訂版(日本心理学諸学会連合心理学検定局編、実務教育出版)の表現でいえば「第二次世界大戦前の日本の」問題の影響で、学校現場では好まれない面があることも、知ってほしいと思います。

「そうした評価の受け方は、シビアに営業成績だけで査定される会社など、厳しい社会に出たときの打たれ弱さになってしまっているという見方もあります。」、これは本来の意味での絶対評価とも、ここでの誤解と思われる「絶対評価」とも、関連づけることはできそうですが、後者のイメージが強そうです。先ほどの「ゆとり世代」が職場に来たら読む本にも、結果をしかられるとだめだという指摘があります。また、ハフィントンポスト日本版の記事、勤勉さだけでは改善できない日本の低い労働生産性で、日本の労働生産性を低迷させる主な要因が次々とならぶ、その筆頭は「結果より努力を賞賛する考え方」ですし、「残業は努力の現れとも言え、奨励される傾向にある。」、これが問題なのは、言うまでもないことです。

「ゆとり世代は、幼少期に情報化社会の成長時期を経験しており、物心ついたときから携帯電話があった世代」、「そのことが他人との直接的なコミュニケーションを苦手にさせていることも」、どうでしょうか。「他人との」という表現ですので、双方向的なコミュニケーションのことだろうと思います。一方で、一方的なコミュニケーションについては、自撮りをきらう女性の記事で取りあげたように、得意になっているとも言えるのです。

その次、「さとり世代」に対しては、「処世術として冷静沈着に客観的な態度が身についている」、「身の丈にあった行動と思考」、「さらに、スマホや携帯電話が爆発的に普及したネット社会において、無自覚に発信した発言が何かの拍子に炎上したりする恐さも知っているため、むやみに過激な発言なども控えるようになっているようです。」とします。これと矛盾しないのが、はてな匿名ダイアリーにきょう出た記事、note全炎上芸人入場!!で、この道では一発屋で終わりそうな片切真人がもう入っているなど、人選に雑なところはありますが、春名風花でも2001年生まれで、後はゆとりでさえないような先達が大半です。「もう一名は到着が遅れている様」とされたのがTehuだとして、しかもあのとき、ほんとうに小学4年生だったとしても、この記事が想定すると考えられる「さとり世代」にはぎりぎりです。

つくし世代 「新しい若者」の価値観を読む(藤本耕平著、光文社)の主張を紹介した上で、「高校生のみなさんはこの見方をどうお感じになるでしょうか。」と振ります。ずいぶんと腰の低いことばづかいですが、進学U17のお客さまである以上は、当然なのでしょうか。ふと、戸越銀座でつかまえて(星野博美著、朝日新聞出版)に、「かと思えば、昼間に制服姿の女子高生が美容部員にちやほやと、かしずかれている。本当に吐き気がする。」とあるのを思い出しました。

戦国時代の姫の美しさと食べログ未載の料亭群

きょう、ウーマンエキサイトに、昔の人は性格良かったの? 歴史上の人物を分析してみた結果という記事が出ました。誤解をまねきそうなタイトルですが、「昔はよかった」病(パオロ・マッツァリーノ著、新潮社)のような主張ではなく、「今回は戦国時代の姫たちから、魅力ある女性像を紹介」するというものです。

「戦国時代といえば、男性中心の戦時代というイメージですが、武将たちに関わる姫たちは、その陰で多くの活躍をしていたといわれています。」とします。「○○戦(の)時代」という表現は、よく見かけますが、「戦時代」とは、あまり言わないように思います。戦国時代から、国盗りにかけて、「国」をとったと考えるところでしょうか。

「私たちも情報に振り回されてしまわないための判断力や、周りの人に信頼されるようなリーダー性、そして周りの人たちと関わってくことができる協調性を磨いて、戦国時代の姫たちのように凛とした美しさを身につけたいもの。」、もっともなことです。もちろん、それができたら苦労しないといえばそれまでですが、「戦国時代の姫は、大切なものを守るために自然と強さを身につけていったのかもしれません。」という筆者の解釈は、「大切なもの」があれば「自然と」できるように強くなる可能性をみちびきます。

それで思い出したのが、Sakura Financial Newsにきょう出た記事、【続報】「強い」事務所を目指した二重橋法律事務所、3人の女性「喜び組」弁護士も解散危機?です。「大塚氏の弁護士資格いかんに問わず、事務所が空中分解しないとしたら、その危機管理力は相当なものだろう。「喜び組」の結束力が、注目される。」、皆さんはどうなると思いますでしょうか。「「喜び組」とのあだ名も」、「三人(女女女)で大塚氏を守り抜けば、これからも無敵では」などといったことは、断定をさけて書いた上に、後注であえて、「以上のコンテンツは、大塚和成氏が、門伝明子弁護士、伊藤菜々子弁護士、江口真理恵弁護士らと性的関係があったことを主張するするものではありません。」とします。弁護士相手では腰が引けてしまう見ぐるしいメディアだと思った人もいるかもしれませんが、同じくSakura Financial Newsにおととい出た記事、【速報】「乱倫な法律事務所」事件の渦中の大塚和成元弁護士、「子供のために、強姦とかレイプとかいう表現だけは削除してくれ」と本誌関係者に涙目に、「本誌に対して、「強姦とかレイプとかいう表現だけは、自分の子供の将来にとって良くないので、勘弁してほしい、削除してほしい」と泣きついているため、総合的に判断して、表現を一部変更」とありますし、性にかかわるお話は、あまり踏みこんだ書き方にしないのがよいものです。

それで思い出したのが、しらべぇにきょう出た記事、飛田新地の料亭はなぜ食べログに載らないのか大阪人に聞いてみたです。何も知らずに、よくわからない書き方だったとだけ思う人はさほど気になりませんが、鯛よし百番だけはと語りたくてしかたがない人が出てきたら、冷たい目を向けてしまいそうです。こういうおとなのことには、おとなしくするのがおとなかもしれません。文徒アーカイブスの記事、「現代の『悪所』、飛田新地を往く」完全版を公開します!のコメント欄の、閑散としていながら異様な空気をご覧ください。

「負けるが勝ち」の意味と「不安スパイラル」

きょう、i無料占いに、ケンカしやす人は早死にの傾向あり!? ストレスを軽減し長生きするための行動心理学という記事が出ました。

ここでいう「行動心理学」は、うその見ぬき方の記事で取りあげたものとは、向きが逆のようです。他人がした行動ではなく、自分がする行動について取りあげます。

「ストレスにさらされないためには、部屋に引きこもるか、山奥で文明から隔離されて過ごすくらいしかありません。」、それで逃げきれるでしょうか。ストレス原因説批判の記事で取りあげたように、どんなものもストレスを起こしうるのです。あるいは、谷麻衣の記事で取りあげたぱいぱいでか美のように、文明の利器でストレスから身を守っていると思われる場合もあります。

筆者のそういう発想は、「人間にとって最大のストレスは「人間関係」にほかなりません。」という立場からくるのかもしれません。人間関係への違和感の記事で取りあげたような感覚の人には、理解しにくいでしょう。

「ある大学の教授が発表した説によると、「人付き合いのうまい人ほど死亡率が下がる」とのこと。」とあります。このあたりのテーマは、友だちの数で寿命はきまる(石川善樹著、マガジンハウス)でも、エビデンスが示されています。「人間関係が苦手な場合でも、ある程度は演技をするなりしていつもニコニコしていれば、ストレスは軽減されるでしょう。」、これもその本で、寿命を延ばすとされた要因です。

「ケンカしやすい人は早死の傾向が!?」、早合点した人はいませんでしょうか。心の進化 人間性の起源をもとめて(松沢哲郎・長谷川寿一編、岩波書店)が示したように、いろいろな意味でレベルの低いところで、けんかで殺し殺されは世界中で日常茶飯事で、ただし日本だけ、若年男性の殺人が激減していくのですが、そういうお話ではありません。「ある大学教授が追跡調査で1,900人を25年にわたって研究したところ、誰とでも張り合おうとする闘争心の強すぎる人は、心臓病にかかる確率も死亡率も通常の5倍に跳ね上がるとのこと。」、タイプA行動パターンだとそうなるだろうと早合点したくなる人もいそうですが、Friedmanの記事で触れた有名な研究でしたら、「ある大学教授」という、単数と思われる表現は適しませんし、あの関連性についても、議論のあるところです。25年の追跡研究でしたら、30年ほど前にJ. Behav. Med.に出た論文、Hostility, coronary heart disease (CHD) incidence, and total mortality: Lack of association in a 25-year follow-up study of 478 physiciansが、タイプAとの関連を疑問視する知見を示しました。一方で、近年ではむしろ、タイプDとの関連の指摘があります。

「ノース大学の実験によると、ギャンブルで大勝ちを体験できるグループと、勝てないグループに分けた場合、大勝ちグループは「自分なら勝てる」と誤った期待を持つようになり、ギャンブルをやめられなくなってしまうことが判明しました。」、大学が実験したような書き方は気になりますが、内容はもっともです。10年近く前のNHKですので、国谷裕子アナウンサーは「いそんしょう」と読んでいたと思いますが、クローズアップ現代No. 2250では、パチンコで40万円をかせいだ日を境にはまり込んでいき、GAにつながった男性が紹介されました。

ですので、「勝負には負けておいたほうが、自分にとってプラスになることも」とされます。負けるが勝ち、勝ち、勝ち!(萩本欽一著、廣済堂出版)の人生観は特徴的ですが、日本にはその、「負けるが勝ち」という表現があります。ですが、その意味をどこまで理解し、共有して使われているかは、わかりません。七つの会議(池井戸潤作、集英社)にある、「この日本で、喧嘩で勝つことは負けることと同義である。」のようなお話でしたら、わかりやすいと思うのですが、どうでしょうか。

「心配性・不安症の人は、「心配・不安」という色眼鏡を介してしか、世界を見られなくなってしまいます。」とあります。全般不安症のようなイメージですが、不安障害ではなく不安症と、新しい表現であるところが、一般向けのこういう記事では、ある意味でうれしいところです。防衛的悲観主義のよさももっと知られてほしい一方で、こういう視点もまた、価値があります。「こういった人は、「これは本当に安全か」と気にしすぎるあまり、余計な情報を仕入れてしまい、真偽の判断がつかないまま情報を鵜呑みにして、さらなる不安を抱える「不安スパイラル」に陥る傾向」、これが手ごわいからです。大人の肉ドリル(松浦達也著、マガジンハウス)も、調べようと思うとかえってノイズが増えて、正しいものにたどり着きにくい問題を指摘しました。ギネスブックに載ったゲーマーによる勝ち続ける意志力(梅原大吾著、小学館)は、確実だとわかってからではいけない、まずは変わる、「もし悪くなったとしたら、それに気づいたときにまた変えればいい。」と、ブリーフセラピーの中心哲学を思わせる発想を示しました。これに対して、CCCの5タブレット、今はゴールドタブレットをとり続けるパティシエの「心配性」だから世界一になれた 先手を打ち続けるトップの習慣(小山進著、祥伝社)は、対照的にも見えますが、不安だからと引っこむのではなく、だからこそ先にうごくことを明かしました。