きょう、徳島新聞のウェブサイトに、福祉テーマに謎解き 27日、徳島市中心部でイベントという記事が出ました。「7人一組になり」「銀座商店街と籠屋町商店街の4店舗を回り」「ゴールすると3人組音楽ユニット「ケラケラ」のライブに参加できるという企画」を紹介するものです。
「指文字や点字など福祉に関わる問題に正解すると、パズルの升目を埋めるキーワードが得られ」、これでクロスワードパズルを解くようです。指文字も点字も、広く知ってもらえるのはよいことですが、「福祉に関わる問題」としてもっと大きな問題は、どのくらい取りあげられるのでしょうか。たとえば、社会保障給付費の内訳では、年金は平成25年度で53.5兆円、ほぼ半分を占めますが、「介護・福祉その他」には入らないので、福祉ではないという考えでしょうか。
「謎解きの過程で介護職員らと話をしてヒントを探ったり、車いすを体験したりするなど、楽しみながら福祉に触れられるよう趣向を凝らしている。」そうです。車いす体験は、楽しめるものとされましたが、これをどう考えるべきでしょうか。体験して、楽しかったので自分で買って街を乗りまわしたり、親にねだったり、自己負担1割に消費税ゼロで乗れる人をうらやましく思ったりというお話は、なかなか聞かないように思います。ひと目見て非日常だとわかる、興味をそそる「興味走」コースが用意されているのでしょうか。あるいは、特別コースなどは不要で、非日常のひとときだから楽しめるのかもしれません。大人の食育 間違った知識で食べてませんか?(幕内秀夫著)に、「チャーハンも寿司もカレーも美味しいかもしれません。もち米のおこわも美味しいですが、たまに食べるから美味しいのです。」とあるようなイメージです。評価のわりには有名な、第10回サラリーマン川柳の91位も、近いかもしれません。
「Ubdobe四国支部長の宮武将大さん(30)は「介護や福祉の現場には魅力的な人が多いことを知ってもらい、若い人が理解を深めるきっかけになれば」と、参加を呼び掛けている。」とあります。「呼び掛け」にしては積極性がなく、有意義な企画をしたのでそちらから来るようにという態度にも見えてしまいます。4店舗を回ったくらいで、「魅力的な人が多い」と思うのかと思う人もいると思いますが、どの店舗にも魅力的な人ばかりをたくさん配置しておく企画なのだと思います。もちろん、実際の現場に多いかどうかは、別問題です。SPA! 2016年3月15日号(扶桑社)には、「福祉大学や介護専門学校以外のルートで業界に入ってくる人材には、地域の底辺高校出身の不良くずれでイジメっ子タイプが多い。」「悪貨が良貨を駆逐するように、質の悪い職員が入ると、いい人たちが辞めてしまう。」「その後、入居者への虐待に発展」との、特養からのなげきがあります。外見的な魅力にしても、1か月半前のフジテレビ番組審議会では、あの枠では歴史的な低視聴率のまま終わることになるいつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまうについて、林真理子が「これだけ二人とも素晴らしい容姿をしていたら、ガールズバーへ行くとかショップの販売をするとか、いくらでも楽な労働があるだろうと思ってしまう」と突いて、議論をよびました。@DIMEにきょう出た記事、医師に聞く「医療ドラマで見る現実ではありえないシーン」TOP5の3位もそうですし、花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイスの冒頭の飛行機雲くらいの理解で見るのがふつうだとは思いますが、よい方向への誤解をまねきそうなところは、日本介護福祉士会の意見書は取りあげませんでした。
それで思い出したのが、サイゾーウーマンにきょう出た記事、地方はセクシュアル・マイノリティへの偏見が強い 名古屋のLGBT成人式に苦情電話もです。「地元のケーブルテレビでキャスターとして働く高倉唯さん」の体験として、「マスコミはいろんなことに目を向けて取り上げないといけないから、『LGBT(の問題)をやりたいのならNPOに就職したほうがいいんじゃないか』と言われました。」とあります。軍艦巻き批判の記事で触れた「報道しない自由」があるのにと言われそうなところです。それでも、これがいまの職場での面接でしたら、乗りこえられたようで何よりです。PRESIDENT Onlineにきょう出た記事、人事部が絶対欲しい「壁を乗り越えられなかった学生」でいう「入社後に確実に業績に貢献する人材」と見てもらえたのでしょう。そこを見ぬくのはかんたんではなく、「欧米の研究によれば適性検査や面接で明らかにされるのは人間の行動の20~40%程度にすぎないとの報告も」とあって、これにはがっかりした人もいそうです。琉球新報のウェブサイトにきょう出た記事、<南風>心理学と統計学に、「その測定の質を評価したり、より良い測定のあり方を探究したりして、心理学の研究を基礎から支える分野が心理測定学です。」とあるように、その改善につながる学問的探究もありますので、応援してほしいと思います。それにしても、「南風」の2文字が強い追い風になって、中身を見る前から、誰が書いたのかが早々と頭にうかんでしまう記事は、めずらしいと思います。