きょう、GIGAMENに、冷蔵庫に入れてはいけない食品7種とはという記事が出ました。
冒頭の「未定」は、GIGAMENですので気にせずに読みすすめてよいのですが、「冷蔵庫に入れると風味が落ちたり、他のにおいが移ってしまっていたなど、冷蔵庫に入れてはいけない食品を7種紹介したいと思います。」というものです。最後にある参照元と見くらべると、3番目の調理油、4番目のバナナ、6番目のにんにく、11番目のアボカド、12番目の生ハーブを落としたことがわかります。頭のよい人と薬物の記事で取りあげたものほどわかりやすくはありませんが、日本向けでない内容を切りすてたのでしょうか。油が冷蔵庫では固まるという問題は、オリーブオイルの文化のもので、かけない日が続くとひからびると心配される人がフィリピン系のハーフかクォーターかという論争には興味がありませんが、日本ではまだまだです。生ハーブもそうでしょう。アボカドもそうですが、最近ではアボカドがあればごちそうレシピ 「アボカド料理研究家」が見つけた美味しい100の活用法(緑川鮎香著、SBクリエイティブ)が出て、Amazon.co.jpでは予想どおりの低評価をあびせられたku:nel 2016年5月号(マガジンハウス)も取りあげたところですし、伸びています。にんにくの国内外比較はむずかしいですが、ヨーロッパのほうが日本より先に受けいれていたことはたしかです。バナナは、冷やさないほうがよいことがよく知られているので、もう取りあげることもないと考えたのかもしれません。同様に有名ななすは、入れられませんでした。参照元からははみ出したくなかったのでしょうか。あちらに使われた画像に、GIGAMENのロゴを入れて使う態度を見ると、そのあたりの感覚がわからなくなるところはあります。
はちみつは、日本ではそこまで広く食べられてはいない気もしますので、「良いニュースは、これは蜂蜜の品質や貯蔵寿命に影響を与えないということです。」と、英語風の表現をとったのかもしれませんが、ここは参照元の、「The good news is that this won't affect the quality or shelf life of the honey.」の訳になっています。一方で、その後に半角スペースを入れてすぐ、「結晶化したハチミツの成分自体は、変化していないので安心して食べれます。」と、ら抜きことばで新しい日本語の感覚をみせます。
「冷蔵庫の野菜室は90%前後と湿度が高く設定されているので玉ねぎの保存には不向きです。」と、「又、冷蔵庫の中は冷たく乾燥してるので、ジャガイモの水分が抜けてしわしわになりやすく、長期間の保存には向いていません。」とには、矛盾が感じられます。じゃがいもは野菜室に、玉ねぎはそれ以外に入れればよいのかもしれません。パンは、「また、常温保存以上に水分の蒸発が進んでしまいます。」と、乾くことがよくない一方で、「湿気が少なく、直射日光の当たらないところで保存しましょう。」とされ、おいしさにはバランスが必要なのです。ふと、得ウマきのこレシピ(ダイアプレス)が、電子レンジ加熱は600Wより高い場合も低い場合も短めにとしたのを思い出しました。
「コーヒーを淹れたときに冷蔵庫内のにおいがすることもあるいいます。」とあります。協和語のようだと思った人はもう多くないと思いますが、「と」を取ったということで、実験刑事トトリの第1話の、缶コーヒーのシーンを連想した人も多くないと思います。もちろん、あの場面は、公取委告示にも、確率にもおかしな理解をしていますので、うのみにしないでください。
それで思い出したのが、THE PAGEにきょう出た記事、「年金は破たんする!?」はウソですです。数字には多少の議論があるとしても、おかしなあおりは、うのみにしてはいけないのです。番組出演者の首つりの記事で触れたことわざの、後ろから2番目のもののように考えて、「年金不安をあおり立てている金融機関や一部のマスコミの言葉に乗って年金保険料を支払わない」のは、論外です。厚生年金でしたら、払わない選択はできませんので、「自身の将来に大きな禍根を残す」行動に踏みきってしまうのは、一般には公的年金で将来の不安をもっと小さくする必要性の高い人でしょう。「自社の保険や投資信託を販売しているのですから、破たんしないと困る」人に、そんな金融商品には縁のない人の未来がつまずかされるのは、奇妙でもあります。違法行為の自己責任とはいえ、国民年金さえもらえずに悲惨な老後をむかえる人がたくさん出たほうが、自分たちの顧客とのコントラストが強まって、保険に入ってよかった、投資信託を買っておいてよかったとよろこんでもらえるとまで、考えていたりするのでしょうか。