生駒 忍

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ミートボールを食べられずに睾丸をとった男性

きょう、日刊テラフォーに、【海外:中国】ミートボール闘争!介護福祉士が患者達の“ミートボール”をカミソリでぶった切る!という記事が出ました。以前に書いた岩手の山林火災の記事の最後に引いたようなことでも、ひやりとしてしまうのに、この事件はあまりに強烈です。

AFPBB Newsに先週出た記事、入所者3人の睾丸切断、男を逮捕 中国介護施設の続報に相当するような内容です。フランス通信社の記事では、「施設の職員によると男は30代で、精神障害があり同施設に入所していた。だが患者らは、男は施設の従業員だったと主張している。」とのことで、かなり気になっていましたが、具体的なところがわかって、理解がすすみました。一方、被害者の年齢が、下から53歳、60歳、80歳とあったところが、テラフォーの記事では53歳、62歳、70歳、81歳ですので、発覚のおくれた人や、その間に誕生日をむかえた人がいるとしても、対応がととのわず、ここは新たななぞです。

ロケットニュース24の記事、【衝撃】野生のサルが男の子の睾丸を引きちぎって食べる事件が発生とは異なり、「患者達からもぎ取った睾丸を調理して食べようとしていた」ところまででしょうから、同じ国でも、食べはしなかったようです。それでも、ミートボールにありつけなかったからといって、ここを食べようという発想になるとは、私にはとてもついていけません。少なくとも日本では、あの手の食肉加工品の原料は想像を絶するものだといわれ、食品の裏側 みんな大好きな食品添加物(安部司著、東洋経済新報社)にある「ドロドロのクズ肉が30種類の添加物でミートボールに蘇る」お話も有名ですが、人体のほうがかえって安心と思うとも考えにくいです。かたちが似ていても、同じように見ることは、私にはありえませんが、文化や興味のちがいなのでしょうか。ロダンのココロ 5(内田かずひろ作、朝日新聞社)の「2月21日ごろ」の、新聞と電柱とのどちらがよいかはともかくとしても、あの感覚で説明できるのでしょうか。

世田谷区で生卵を投げ続けて仕返しする心理

きょう、スポーツ報知のウェブサイトに、トラブル相手の家に配送中の生卵を投げつけ「仕返ししてやろうと」という記事が出ました。

ターゲットにされたのは、「世田谷区の40代男性」で、世田谷署が動いたということは、世田谷区といっても西ののどかなところではなく、いわゆる世田谷でしょう。港区ではベンツがカローラの6倍売れている データで語る格差社会(清水草一著、扶桑社)という本がありましたが、いわゆる世田谷で駐車場つきのくらしなら、勝手なイメージですが、いい車に乗っていそうな気がします。そこを「軽トラックで配送中」に通り、「配送中の生卵を何度も投げつけた」のが、逮捕容疑のようです。お仕事で運んでいる卵をそんなことに使うのも問題だと思いますが、そこはおとがめなしなのでしょうか。「埼玉県朝霞市、食肉会社の配送員」ですが、単なる軽トラ運送ではなく、自宅で養鶏をしていて、その卵だというなら、そこは生産者の勝手なのかもしれません。朝霞でしたら、養鶏場があっておかしくない土地です。

「男性が自宅に駐車しようとした際、道をふさいだと立腹しトラブル」となり、「相手の家に仕返し」に出たそうです。逮捕容疑は3回ですが、被害相談を受けて、被害者ではなく世田谷署が防犯カメラを設置するほどになって、確実なのがこの3回なのでしょう。この手の犯罪でいつも気になるのは、嫌がらせ電話などでははるかに上がありますが、1回のトラブルに1回やり返しておしまい、おあいことは思えずに、延々とくり返してしまう奇妙さです。相手が精神的に追いつめられて、この前はすべてこちらが悪かったと、土下座と菓子折とでむかえる日を夢見てしまうのでしょうか。また、法的措置は極端かもしれませんが、納得がいかないなら正面からどちらに分があるかをあらそうほうが、目的のためのより正当なやり方でしょうし、そう言ってくれる家族や友人はいなかったのでしょうか。世田谷つながりで、世田谷の家づくり(枻出版社)で、納谷兄弟の兄のほうが、「“ここに窓をつけて”と言われて“はい、わかりました”とはいかないんですよ。そうじゃなくて、“なんで窓がほしいのか”が大事。理由があるんですよね、景色が見たいとか光を入れたい、とか。それを聞いたうえで、だったらもっとこうした方がいいんじゃないか、とかそうやって提案するんです。」と言ったのを思い出しました。悟郎と六郎ではなく、学+新の学です。

それでも、トラブルのうらみでというのは、了とはしませんが、とても了解可能な犯行です。きのう書いた記事で取りあげた佐世保の同級生殺害・切断事件も、当初は何の根拠も見せずに、その線をにおわせる報道がされました。ですが、同じくスポーツ報知のウェブサイトにきょう出た記事、加害少女「恨みはなかった」と供述…佐世保高1女子殺害事件にあるように、加害者は「個人的な恨みはなかった」と明言しました。日テレNEWS24にきょう出た記事、長崎“同級生殺害” 佐世保警察署から中継は、「逮捕された女子生徒がなぜ松尾さんを殺害したか、動機などの情報は今のところ入っていない。」としながらも、「遺体は腹部が大きく切り開かれていて、女子生徒は体の「中を見たかった」などと供述している」と報じています。

佐世保女子殺害からのアスペルガーの連想

きょう、朝日新聞デジタルに、大阪)発達障害に理解を 家族の会が冊子を作成という記事が出ました。

「豊中市周辺の発達障害者の親らでつくる「一歩の会」が、当事者や家族の思いを記した冊子を作った。」と書き出されます。ですが、「一歩の会」と名のる団体は、ほかにもたくさんありますし、この名前で検索しても、この「一歩の会」の公式サイトは見あたりません。「2012年3月に結成され、約50人が参加」という規模ですので、むしろ当然でしょうか。この冊子の入手は、豊中市社会福祉協議会でとのことで、これも規模を考えれば、自然なことかもしれません。

冊子の内容の一部が、画像として出ています。冊子をもらえなかったのか、スキャンではなく、写真に撮ったようで、ゆがみが気になります。また、冊子の全体がそうなのかはわかりませんが、出ている部分は、発達障害情報・支援センターのウェブサイトの、発達障害とはの、ほぼ丸写しです。厚労省というより、国立障害者リハビリテーションセンターのサイトのページです。図も、ADHDをAD/HDとする修正があるほかは、ほぼリライトです。輪になった人々の絵は、海外の画像サイトからでしょう。エクスクラメーションマークを足したのは、オリジナリティに貢献してはいますが、品がないと感じる人もいそうです。

わかりやすい資料で、発達障害への適切な理解を広げてもらえるのは、ありがたいことだと思います。ですが、発達障害がらみのセンセーショナルな事件などがあると、こういった地味な努力をあっさりと吹きとばすほどの威力があります。その点で心配しているのは、佐世保の同級生殺害・切断事件が、過去のアスペルガー障害がらみの凶悪犯罪を連想させることです。佐世保というと、ここ数年でも、インストラクターなど死傷者8名を出し、犯人もカトリック教会で自殺したプール散弾銃襲撃事件や、佐世保同仁会病院理事長が病室で死亡、実は院長らの暴行が死因だと発覚した事件など、特異な凶行がすぐに思いうかぶ土地ですが、ことしでちょうど10年となった、佐世保市立大久保小学校同級生殺害事件も、衝撃的でした。また、同じ長崎県では、その1年ほど前に、中学1年生による4歳児誘拐殺害事件も起きています。そして、この両者の少年犯罪に共通するのは、犯行後に、犯人がアスペルガー障害だといわれて、議論をよんだことです。今回は窒息死させてから、首を切りはなしたようですが、大久保小の事件では、被害女児は首をカッターナイフで切りこまれて絶命しました。長崎の誘拐事件では、転落死させる直前に、陰茎を切りとったとも言われています。ですので、同じではないといえばそれまでですが、今回の事件は、アスペルガー関連の両事件を連想させるところがあります。

さらに、九州ではなく東海地方から2件、まずは静岡の母親タリウム毒殺未遂事件も、犯行後にアスペルガーだと発覚しました。犯人は高1女子で、学力的にも高いとされ、一人称が「僕」であるところも、今回と共通します。そして、以前に攻撃的な態度をとる人の心理の記事でも触れた、愛知の夫妻殺傷事件も、犯行後にアスペルガーだとわかりましたが、あの事件の「人を殺してみたかった」は、今回の佐世保の犯人の口からも出たのでした。

佐世保の16歳は、これから鑑定も受けると思いますが、どうなるでしょうか。DSM-5を使って、「アスペルガー」の名前はさけるかもしれませんが、出たものによっては、また発達障害への偏見も生じるのではと思うと、今回は違うと出てくれることを、勝手ながら願ってしまいます。

それでも、今回の件でいったんは掘りおこされてもしかたがありませんが、大久保小の事件のほうは、類似の新しい少年犯罪の前に、インパクトがうすまっていくかもしれません。そういえば、飲みものの危険度調べました(渡辺雄二著、三才ブックス)は、なっちゃん!の水っぽさの理由を取りあげていました。

人見知り宣言の効果と日本のハングリー精神

きょう、しらべぇに、【内田理央、こんなだけどタレントです】若い女子が「人見知りです」と宣言する理由という記事が出ました。

「自分のことを『人見知りだ』と言ったことがある20代女性:68.7%」というアンケート結果を受けての論考です。「思った」「感じた」ではなく、「言った」なのがポイントです。筆者は、「で、だーりお自身はというと、プライベートでこれを言えたことはありません。それはなぜかといいますと……本当に人見知りだからです。」「だーりおにとって「人見知り」はコンプレックスなので、初対面で自分からは宣言しにくいこと」とします。自分から言いだすのは、違うのです。句集のタイトルにもなった、ニートとね 自分で言うのは 違うのさ(石原まこちん作、太田出版)を思い出しました。

そこから、自分から言う「同世代の女の子」のねらいを考察し、3点を提示します。1点目は、自分からは声をかけない若者の記事で紹介した、水野剛也という人の指摘に近いでしょう。ここは同年代の視点から、もう一歩先までの考察があると、さらによかったと思います。「みなさんから話し掛けてくださいっ!てへ!」を伝えることが、どのようなメリットを生むのかです。労力の節約とみたのでは、あまりに若さに欠けます。以前に「引きこもり」や「甘え」の訳語の記事や、グミキャンディ占いの記事で触れた、日本は自分から取りにいくのではなく相手のほうから来ることがよいとされる「受利社会」だという、日本人の利益獲得方法(田中健滋著、新曜社)の理論は、ここにもあてはまりそうです。安東暁史という人のブログの記事、日本人のおかしなハングリー精神と錆び付いた牙、失った自立心に出てくる、「×日本のハングリー精神:お腹すいた!誰かなんとかしろよ!」も、その延長線上でしょうか。世界保健機関によるThe top 10 causes of deathとなじまないなど、気になるところもありますが、前向きで若さあふれる記事です。

2点目は、二面性の表現です。ギャップで周囲をひきつける戦略なのだと思いますが、バランスがむずかしいところです。ちばとぴにきょう出た記事、2安打3打点3番打者の面目躍如 東海大望洋・中古 第96回全国高校野球選手権千葉大会 最終日に、中古珠輝也という高校生について、「チームメートいわく「不思議なやつ」。人見知りで寡黙な一方、突拍子もないことを言い、仲間を笑わせるという。」とあるのは、うまくいった例でしょう。一方で、OKWaveにきょう出た質問記事、堅苦しいと馴れ馴れしいの中間になりたいですは、自分から「根はボケ役の面白い人でもあります」としたり、ほかの人を「人様」と呼んだりと、ユニークな姿勢から苦戦もすぐに想像できます。脳の障害と編み物の独学を見ると、統合失調症を発症し、少なくともこの時にはリハビリ施設のお世話になっていたことがわかり、「これからは法律に触れない好きなことをしようと思います。」という宣言もありますが、今回の質問に、役にたつアドバイスは来るでしょうか。

3点目は、低い基準を規定して、同じ行動でも意欲が高く見えるように誘導するものです。理系のための恋愛論 Season 10 「一言足りない」男子たちへ(酒井冬雪著、マイナビ)でいう、「こんなに一生懸命、好き好きアピールしているのに、向こうはぜんぜん気づいてくれない!!」の問題を予防する効果も、期待できそうです。

扇風機発言と報道ステーションのスポンサー

きょう、トピックニュースに、古舘伊知郎氏が「報ステ」で、停電時の熱中症対策は「扇風機で」と珍コメントという記事が出ました。

この「珍コメント」に対しては、「ケーキを食べればいいじゃない」を思い出すところでしょうか。もちろん、マリー・アントワネットのことばだと信じている人が今でも多くいる、あのフレーズです。あるいは、扇風機がクーラーより格下というイメージにあわせるなら、曲淵景漸のほうが近そうです。失敗しないとわかっていたら、どんなことをしてみたい?(J.C. マクスウェル著、ダイヤモンド社)は、「無知による失敗なら、人に非はない。」としますが、PowerPointを知らなかったからといって、扇風機まで理解していないとは考えにくいです。この番組には、有名な家電量販店がスポンサーについてきましたので、こびたつもりでの失言だと見るべきでしょうか。

この記事の解釈は、古館自身に、不適切な発言だという意識があって、そのため直後に対処したというものです。ひなた弁当(山本甲士作、中央公論新社)の、鳩にやつあたりしたものの、すぐにあやまった展開を連想しました。ですが、この発言の場合は、あやまりを認めて撤回したわけではありません。手動のイメージが強い窓への言及をつなげて、方向をそらしたようです。そういえば、先ほどの失敗しないとわかっていたら、どんなことをしてみたい?には、「負ける時は、ちゃんと負けろ。」ともありました。