生駒 忍

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岩手の山林火災の「鎮圧」と天吾の思いつき

きょう、IBC岩手放送のウェブサイトに、岩手町と葛巻町の山林火災は鎮圧に向かうという記事が出ました。

タイトルもふくめて、「鎮圧」が3回登場しますが、ここは「鎮火」と書くべきところだと思います。安直ですが、デジタル大辞泉で「鎮圧」を引くと、「戦乱や暴動を武力を使ってしずめること。」、「耕地をすき起こし、土を砕いて平らにならし、押さえること。また、その作業。」とあります。前者の意味でよく使われると思いますが、山火事には合わないことばなのは、火を見るより明らかです。農林地域なので、後者の意味かというと、それも不適切です。あるいは、「する」をつけて動詞にすると、見えやすいでしょう。「鎮圧する」は、他動詞、動作動詞です。一方で、「鎮火する」ですと一般には、自動詞、変化動詞のように思われます。では、なぜ「鎮火」をさけたのでしょうか。以前に『教育現場は再生できる』の記事の記事で書いたような、安倍政権批判の皮肉ととるのもむずかしそうです。特に意味はなく、3回とも「鎮圧」なのは、たまたまなのでしょうか。そういえば、1Q84 BOOK 1(村上春樹作、新潮社)には、睾丸を強くにぎられた天吾が、「意味はないよ。ただふと思いついたんだ」と返す場面がありました。