生駒 忍

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『教育現場は再生できる』は実戦的でしょうか

きょう、西日本新聞のウェブサイトに、『教育現場は再生できる』 松本安朗 編著 (スペースキューブ・1728円)という記事が出ました。

昨年度末に出た、教育現場は再生できる 役立つ実践論16の声!(松本安朗編、スペースキューブ)の紹介です。ですが、「サブタイトルは「役立つ実戦論 16の声」。」とあります。記事にある表紙の画像は、帯をはずしたこともあり、よけいにプロらしくないデザインに見えますが、そこでも「実践論」と読めます。アゴラの記事、地方紙化する朝日新聞には、「地方紙が極左的な論調をとるのは自然である。」とありますので、「戦」の字をいやがってみせるならありそうなことなのですが、西日本新聞は逆に、書きかえてまで「戦」を入れました。私は、3か月半前に書いた就活面接の記事のタイトルにも「戦略」を使いましたし、気にしないほうなのですが、これはかえって気になります。msn産経ニュースにきのう出た記事、奇妙な日本の自己不信には、「米国にとって尖閣の防衛はまさに集団的自衛権の行使」「米国にはその行使を求め、その恩恵を喜びながら自国の同じ権利の行使は罪悪のように拒むのは欲張りな子供のようだ。」というきびしい批判がありましたが、自衛権をめぐる安倍内閣のうごきを敵視しての、無関係な人が「戦」に巻きこまれる皮肉のつもりかもしれませんが、やりすぎでしょう。そういえば、言葉に関する問答集 総集編(文化庁著、国立印刷局)には、「実践的」と「実戦的」との使いわけが説明されていて、実践と実戦との比較だけでなく、「「的」の意味も異なる」というところまで議論がありました。

「臨床心理学を専門とする九州大学大学院教授」の名前が出ていないのも、あまりされない書き方です。ですが、確認しようと思ってこの本をAmazon.co.jpで見ると、各章へのインタビューの配置が、記事とは異なるようです。また、4章16編のはずなのに、池邉和彦という人のカスタマーレビューは、3話構成の本のように書かれています。