生駒 忍

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人見知り宣言の効果と日本のハングリー精神

きょう、しらべぇに、【内田理央、こんなだけどタレントです】若い女子が「人見知りです」と宣言する理由という記事が出ました。

「自分のことを『人見知りだ』と言ったことがある20代女性:68.7%」というアンケート結果を受けての論考です。「思った」「感じた」ではなく、「言った」なのがポイントです。筆者は、「で、だーりお自身はというと、プライベートでこれを言えたことはありません。それはなぜかといいますと……本当に人見知りだからです。」「だーりおにとって「人見知り」はコンプレックスなので、初対面で自分からは宣言しにくいこと」とします。自分から言いだすのは、違うのです。句集のタイトルにもなった、ニートとね 自分で言うのは 違うのさ(石原まこちん作、太田出版)を思い出しました。

そこから、自分から言う「同世代の女の子」のねらいを考察し、3点を提示します。1点目は、自分からは声をかけない若者の記事で紹介した、水野剛也という人の指摘に近いでしょう。ここは同年代の視点から、もう一歩先までの考察があると、さらによかったと思います。「みなさんから話し掛けてくださいっ!てへ!」を伝えることが、どのようなメリットを生むのかです。労力の節約とみたのでは、あまりに若さに欠けます。以前に「引きこもり」や「甘え」の訳語の記事や、グミキャンディ占いの記事で触れた、日本は自分から取りにいくのではなく相手のほうから来ることがよいとされる「受利社会」だという、日本人の利益獲得方法(田中健滋著、新曜社)の理論は、ここにもあてはまりそうです。安東暁史という人のブログの記事、日本人のおかしなハングリー精神と錆び付いた牙、失った自立心に出てくる、「×日本のハングリー精神:お腹すいた!誰かなんとかしろよ!」も、その延長線上でしょうか。世界保健機関によるThe top 10 causes of deathとなじまないなど、気になるところもありますが、前向きで若さあふれる記事です。

2点目は、二面性の表現です。ギャップで周囲をひきつける戦略なのだと思いますが、バランスがむずかしいところです。ちばとぴにきょう出た記事、2安打3打点3番打者の面目躍如 東海大望洋・中古 第96回全国高校野球選手権千葉大会 最終日に、中古珠輝也という高校生について、「チームメートいわく「不思議なやつ」。人見知りで寡黙な一方、突拍子もないことを言い、仲間を笑わせるという。」とあるのは、うまくいった例でしょう。一方で、OKWaveにきょう出た質問記事、堅苦しいと馴れ馴れしいの中間になりたいですは、自分から「根はボケ役の面白い人でもあります」としたり、ほかの人を「人様」と呼んだりと、ユニークな姿勢から苦戦もすぐに想像できます。脳の障害と編み物の独学を見ると、統合失調症を発症し、少なくともこの時にはリハビリ施設のお世話になっていたことがわかり、「これからは法律に触れない好きなことをしようと思います。」という宣言もありますが、今回の質問に、役にたつアドバイスは来るでしょうか。

3点目は、低い基準を規定して、同じ行動でも意欲が高く見えるように誘導するものです。理系のための恋愛論 Season 10 「一言足りない」男子たちへ(酒井冬雪著、マイナビ)でいう、「こんなに一生懸命、好き好きアピールしているのに、向こうはぜんぜん気づいてくれない!!」の問題を予防する効果も、期待できそうです。