生駒 忍

記事一覧

早すぎる思春期とめがねへの幼稚なあこがれ

きょう、日刊!目のニュースに、思春期にみられる「心因性視力障害」とはという記事が出ました。

「心因性視力障害は、8歳から12歳ごろの思春期に入ったばかりの子どもたちに多く、心理的ストレスなどが原因で目に症状があらわれる「眼心身症」のひとつとされています。」とされます。定義にもよりますが、8歳でもう思春期とは、ずいぶんと早いと思います。第13回全国初潮調査を行った発達加速現象に関する進化発達心理学的研究によれば、「プロビット法による日本女性の平均初潮年齢は 12 歳 2.3 ヵ月 (12.189 歳)で、現在 12 歳 2.0ヵ月前後で、第二次世界大戦後二度目の停滞傾向が持続していると考えられる。」そうです。それとも、8歳でも思春期に入ったと考えられるような、発達の早い子どもには、この障害が多く起こるという意味でしょうか。

「また、メガネに対する憧れから視力障害をおこすケースも。最近はファッショナブルなメガネも増えているので、自分もメガネをかけてみたいという願望が知らず知らず視力低下をおこしてしまうのかもしれません。」とあります。幼稚でくだらないといえばそれまでかもしれませんが、子どもらしくほほえましいとも言えるでしょう。ちびまる子ちゃん 1(さくらももこ作、集英社)で、あわせて収録された短大時代の短編、「あこがれの鼻血」を思い出しました。ちなみに、その作者は後に、さくらえび(さくらももこ著、新潮社)で、植田博樹の望みを、「ひと昔前の『別冊マーガレット』の投稿作にもないぐらいくだらない」と大笑いしたと書きました。

物欲と「一生幸せな夢を見続けられる」人生

きょう、WooRisに、劣等感の塊になってない?「自分を他人と比較しすぎ」な危険サイン6つという記事が出ました。

「物質欲が収まらない」、思いあたりますでしょうか。いまはものより気持ち、思い出、経験価値をもてはやすのがよいこととされやすいですし、週刊プレイボーイ 3月3日号(集英社)で橘玲は、「消費社会では、モノではなく物語が消費されます。」としました。それでも、物欲の強い人も、まだまだいます。1週間前、2月15日付のよみほっとで、山本裕典は「旅行に行くお金があったら何か買いたいタイプ。旅行に行けば思い出が残ると思うけど、物が残らないともったいないと感じてしまう。」と答えていました。

「個性がなく、何でも人と同じ」、思いあたりますでしょうか。ふと、PHP 2013年12月号(PHP研究所)の、「子どもはみんなと同じがいいのです。」というランチジャーのお話を思い出しました。

「夢を忘れている」、思いあたりますでしょうか。それでも、「今の仕事に自分の好きなことを取り入れたり、仕事を続けながら本当に好きなことを勉強したり、将来に繋げる工夫をしましょう。」と、かなり現実的な行動をすすめます。そんな程度で夢などと言わないでほしいと言いたい人もいるかもしれません。では、夢、死ね! 若者を殺す「自己実現」という嘘(中川淳一郎著、講談社)のいう、「何もやらないことによって一生幸せな夢を見続けられる」人生のほうが、すぐれているでしょうか。

子どもあつかいの効果とシャインの生存不安

きょう、マイナビウーマンに、モチベーションが低い、非協力的な人へ仕事を任せるときの心がまえという記事が出ました。

「仕事に対してやる気がなくて、モチベーションが低くて、仕事をお願いしてもいろいろ言い訳を付けてやってくれない同僚や後輩、身近に一人はいるでしょう。」と書き出されます。先輩がないのは、お願いする頻度が多くないこと以上に、後で提案されるやり方になじみにくいためでしょうか。

「積極的に話しかけるようにしましょう。」「難易度は低くていいので達成感を感じる仕事を、できれば毎日与えるようにしましょう。」「もちろん、一人で出来たら褒めてあげましょう。」、これではもう、子どもあつかいです。むしろ、こんなあつかいから抜けたいといやがられてしまいそうですが、それで自分からどんどん仕事をするようになっても、結果的に問題解決になるという、治療的二重拘束のような攻め方です。

「でも、そういう火ともあるとき変わることがあるのです。そのきっかけを作るのは、あなたかもしれません。」、そうかもしれません。がんばって、火をつけてあげてください。

それにしても、そこまでしないと仕事をしないとなると、さすがに心配になってしまいます。松村淳平ブログの記事、会社は学校じゃねぇんだよの論点にもとどかない、挑戦して学ぶ経験やチャンスをもらっていく意欲もうすいはたらき方で、本人はそれでよいと思っているのでしょうか。それとも、学ぶ気はあっても、失敗するものは謝絶、成功だけをもらって学びたい、きれいなキャリアにしたいという考えなのでしょうか。認知症患者を含む高齢者支援の世界では、誤りなし学習を求める視点がありますが、それとはさすがに異なるでしょう。たいせつな言葉(角川春樹事務所)の80番目を持ってきたりすると、とたんにお説教くさくなってしまうところですが、うまくいかない間に別の道がひらけることも、世の中にはめずらしくありません。おもしろい会議の記事で取りあげたような、はずし続けると正しいものが出てくるという現象もそうでしょうし、あえてキャリア研究者を持ってくると、キャリアアンカー理論で知られるシャインは、教化研究の成果が出ずにつまずいていた中で、対極ともいえるアンカーの理論をひらめきました。そのシャインのいう第二の不安、生存不安の視点から考えると、学ばずにいることもまた、苦しみにつながるはずなのですが、どうでしょうか。

「津ねや」の2匹のハタハタと韓国の瞬発力

きょう、ロケットニュース24に、【究極のきりたんぽ鍋】ボリュームたっぷりの絶品郷土料理を堪能!「津ねや」は秋田に行ったら絶対寄るべき名店という記事が出ました。

肉うどんの玉ぬきの記事などでも取りあげてきましたが、あのサイトの飲食店記事は、とにかくほめるのが常です。今回も、全力でいきます。「記者(私)は今まできりたんぽが美味しいものだというイメージが無かったのだが、ここのきりたんぽ鍋を食べてから、それは間違いだということに気付かされた。」と、いままでのこととしてはよくないことが書かれますが、「積み上げたものぶっ壊して」ほめることに使います。

気づいている人も多いと思いますが、スキマスイッチつながりです。本文は、そんな名前を入れるすきまもないほど、ほめことばで埋まっていましたが、最後につくキーワードが、「グルメ, 国内 (きりたんぽ鍋 • じゅんさい • はたはた • スキマスイッチ • 秋田県 • 郷土料理 • 津ねや)」です。「ラストに提供されたのは2尾のはたはた焼き。」と、数をはっきり書いて、写真でもきちんと2匹とわかります。「量についても、成人男性が少し残してしまうぐらいボリューム満点。」と断言し、わかって書いたものであることが明らかです。おとなのデジタルTVナビ 2014年1月号(日本工業新聞社)で黒田勝弘は、韓国の一瀉千里、瞬発力を評価しましたが、日本も負けてはいられません。「なかなか秋田へ旅行する機会は無い」と言いつつも、このタイミングで記事にする瞬発力、全力でうごく少年のようなところには、頭が下がります。以前に、「いつかはゆかし」の話題のタイミングの記事を書きましたが、こういうものでしたら、単純に早いほうがよいのです。

大物になりそうな人の平凡なことばと継続の力

きょう、マイナビウーマンに、「大物(成功者)になるんだろうな……」と思える人がよく発する言葉1位「ありがとう」という記事が出ました。

どん底からでも戻れるという「成功者」、「そんなオーラーが出ている人が発する言葉を、読者440名に聞きました。」という調査です。実際の成功者ではなく、そうなりそうに見える人の、しかも本人にではなく、まわりに聞くかたちの調査で、距離があるようにも感じますが、調べやすいやり方を優先したのでしょう。

「1位は「ありがとう」でした。」、成功者ならではの、「オーラーが出ている」特異なメッセージではなく、あまりにもふつうのことばです。私の夢は(小川糸著、幻冬舎)に、「偉大な人ほど、ある面では平凡なのかもしれない。」とあるのを思い出しました。

「2位は「運がいい」です。」、若者の不運の記事でも触れたように、成功者に運はつきものです。あるいは、運をうまく運用できるという、メタ的な運の力のようにも思えます。そういえば、週刊朝日 11月7日号(朝日新聞出版)の、成毛眞と林真理子との対談では、運は定量であるという考え方が話題になっていました。

「3位は「継続は力なり」。」です。人生について、父から学んだ大切なこと(山谷えり子著、PHP研究所)には、父、つまり山谷親平のことばとして、「運・鈍・根が人をつくり、物事をなさしめる。根気よく、コツコツととにかく続ける。」「他人がラクして、うまくやっていることなど気にするな。そして、“鈍”バカになる。」「こうすりゃ、運が向いてくる。また、運がきた時、パッとつかめる」とあります。継続は、2位の運につながるということになります。