生駒 忍

記事一覧

早すぎる思春期とめがねへの幼稚なあこがれ

きょう、日刊!目のニュースに、思春期にみられる「心因性視力障害」とはという記事が出ました。

「心因性視力障害は、8歳から12歳ごろの思春期に入ったばかりの子どもたちに多く、心理的ストレスなどが原因で目に症状があらわれる「眼心身症」のひとつとされています。」とされます。定義にもよりますが、8歳でもう思春期とは、ずいぶんと早いと思います。第13回全国初潮調査を行った発達加速現象に関する進化発達心理学的研究によれば、「プロビット法による日本女性の平均初潮年齢は 12 歳 2.3 ヵ月 (12.189 歳)で、現在 12 歳 2.0ヵ月前後で、第二次世界大戦後二度目の停滞傾向が持続していると考えられる。」そうです。それとも、8歳でも思春期に入ったと考えられるような、発達の早い子どもには、この障害が多く起こるという意味でしょうか。

「また、メガネに対する憧れから視力障害をおこすケースも。最近はファッショナブルなメガネも増えているので、自分もメガネをかけてみたいという願望が知らず知らず視力低下をおこしてしまうのかもしれません。」とあります。幼稚でくだらないといえばそれまでかもしれませんが、子どもらしくほほえましいとも言えるでしょう。ちびまる子ちゃん 1(さくらももこ作、集英社)で、あわせて収録された短大時代の短編、「あこがれの鼻血」を思い出しました。ちなみに、その作者は後に、さくらえび(さくらももこ著、新潮社)で、植田博樹の望みを、「ひと昔前の『別冊マーガレット』の投稿作にもないぐらいくだらない」と大笑いしたと書きました。

拒食症の定義における体重の基準と発症の一因

きょう、マイナビウーマンに、ただの食欲のムラと“過食症と拒食症”は何がちがう? 医師に聞くその原因と対処法という記事が出ました。

「そうです、「拒食症」と「過食症」は根本的には同じ病気とされており、極端な食事制限や食後の嘔吐、下剤の乱用によって標準体重の80%以下の低体重を維持しているものを神経性無食欲症、食後に強い罪悪感を感じ、体重を増やさないために嘔吐や下剤の乱用を行うが、やせにはいたらないものを神経性大食症として体重で区別されています。」、いろいろと誤解をまねきそうです。「体重で区別」というだけの単純なものではありませんし、すぐ前に、「俗に「拒食症」と呼ばれる「神経性無食欲症」と、「過食症」と呼ばれる「神経性大食症」」と表現したことから、DSMやICDだと思いそうになりますが、明らかに異なります。15%ではなく20%というのは、厚労省調査研究班の定義からでしょう。難病情報センターのウェブサイトにある、神経性食欲不振症の診断基準で、その6項目と備考を読むことができます。「ー20%」「―20%」「-20%」「−20%」と、次々に表記がうごくところには、性格と体型の類型論の記事で取りあげた「シェルダン」を思い出しました。また、第4項目が、診断基準としては独特です。日本摂食障害学会のウェブサイトのリンク集を公開場所にしている「「摂食障害の理解と治療」コンテンツ」も、「拒食症の診断」にはこれに近い基準を示していますが、過去の20%到達は問わないこと、第4項目に相当するものがないことなど、相違点もあります。なお、福祉教科書 保育士完全合格テキスト 2015年版 下(翔泳社)は、拒食症を欄外で取りあげ、「標準体重より20%以上減少している場合に栄養失調が心配されます。」とします。

発症の一因に、「体形に関する批判的なコメント」を挙げます。体重や体形のことは、気にしないでいられるとよいのですが、消費者問題が頭からはなれない苦しみの記事で取りあげた岡本杏理のようには、なかなかいかないものです。

旧帝大出身の死刑囚と矢幡洋の同業者批判

きょう、J-CASTに、老婆殺害の名大女子学生「サディスティックパーソナリティー」不気味な書き込みという記事が出ました。きのうの記事で触れた、名古屋77歳女性殺害事件に関するものです。

「名古屋大出身の死刑囚ってまだいないよな」、そうだと思います。ここだけでなく、帝大やその後身の出身の死刑囚は、とても少ないです。特異なのはオウム真理教事件で、豊田亨はさよなら、サイレント・ネイビー 地下鉄に乗った同級生(伊東乾著、集英社)で知られるように、東大修士課程修了、博士課程中退で、遠藤誠一は京大博士課程中退です。すでに執行された例としては、usugumoという人の2年10か月前のツイート、下関通り魔の死刑執行。にあるとおりです。これは、広田弘毅は数えない立場です。

「八幡洋氏」とあるのは、おそらく矢幡洋のことです。コメンテーターとして、テレビでおなじみの顔です。ですが、本人のブログ、矢幡洋の犯罪心理学と事件-日々の考察に半年前に出た記事、心理コメンテーターのでたらめぶりを告白も含めて切る | 佐世保高1女子殺害の加害者は「女酒鬼薔薇」で詰みは、テレビの人らしくない書きぶりです。

女子高生の集団ヒステリーとフレデリック

きょう、DMMニュースに、女子高生14人が超常現象で病院に緊急搬送されるという記事が出ました。科学では説明のつかない力が女子高生を運んでいったのではなく、超常現象で失神し、結果的に緊急搬送となった事件を取りあげたものです。

「一人の女子生徒が“小さな子供”の幽霊を目撃」、「ほかの生徒達も“子供”を目撃」したそうです。「小さいおじさん」目撃者の記事で触れたような「おじさん」ではなく、子どもで、「おじさん」とは異なり、目にするなり卒倒するほどに衝撃的なものだったのでしょう。そういえば、宮古毎日新聞のウェブサイトにきょう出た記事、早期発見が命つなぐ/児童虐待防止推進講演には、「その上で身体的虐待を受けた子供の写真を示した。参加者は重傷を負った子供たちの姿に目をそらし、虐待の怖さを再確認していた。」とありました。ちなみに、日刊SPA!にきょう出た記事、授業で中絶写真を…過激な「中国の性教育」に賛否両論には、「中絶器具に挟まれた状態の胎児を含む生々しい写真の数々のほか、愛人に関する記述もあり、児童らが心に深刻な傷を負ったとして保護者が抗議しているというのだ。」とありました。

「事を重く見た学校側は、午後3時頃には生徒らを悪魔払いを得意とする地元の聖職者、フレデリック・クリエケンビークのもとに搬送。」、ここで引っかかりました。タイトルには、「病院に緊急搬送」とありましたので、病院にいる聖職者ということでしょうか。それとも、「僧院」の誤字だったのでしょうか。

現地の広報官は、「ただちに神父のもとに被害者を送ることが重要」、「悪魔祓いの経験豊富なフレデリック氏のもとに少女たちを送ったことは賢明な判断」とします。Miss PILOT STORY BOOK(フジテレビ原作)には、他機接近のアラートでパニックになり、「小田、フェイルだ」となる展開がありましたが、いざというときすぐに、最良の行動をとれることは重要です。ふと、アリスムカイデの半月前のツイート、「バトルロワイヤルに出てきそうだよね」と言われたのでを思い出しました。また、フレデリックといえば、oddloop(フレデリック)では1曲目の「オドループ」は、PVにそのアリスムカイデを登場させましたが、2番は「思ってるだけで行動」と歌いだされます。1番の冒頭は「踊ってるだけで退場」で、悪魔がとりついて異様な踊りを起こす尼僧ヨアンナ(J. カヴァレロヴィチ監督)を連想しました。始めと終わりとで、おのがループする作品です。

さて、広報官はさらに、「本やビデオの影響がある領域に達すると、子どもたちがそれを真似て妙な儀式などを行う場合があります。」と続けます。デイリースポーツonlineにきょう出た記事、和田アキ子紅白内定時の儀式明かすを見て、まねる歌手が出てきたら、「ある領域」に達してしまったのかもしれません。

もちろん、「事件後には現場を訪れたセブ市災害管理局の担当官は事件を悪魔によるものではなく、集団ヒステリーであると推測している。」、これが科学的、心理学的には妥当な解釈でしょう。「映画エクソシストを例にあげるまでもなく、欧米においても悪魔憑きの被害者は「少女」が多いことから、思春期の不安定な情動を「超常現象」の科学的原因と見る専門家少なくない。」ともあります。思春期は男女ともにありますが、女性のほうがより不安定という前提なのでしょう。思春期病棟の少女たち(S. ケイセン著、草思社)のような世界もあります。

「兵庫県立上郡高等学校で1人の“霊感が強い”女子生徒がパニックを起こし、女子生徒18人以上が倒れるという事件を覚えてる人」は、どのくらいいますでしょうか。1年半近く前のことで、速報ではないのに、「18人以上」として、人数をはっきり書かないのは、いまも書けない何かがあるようにも見えます。「もうやんカレー」社長の記事で書いた、松戸のラーメン屋に関する数のなぞも、少なくとも私は、いまも真相を知らないままです。

フロイトの聖なる数と「困ったちゃん」解説本

きょう、産経ニュースに、片田珠美(111)3つに分ければうまくいく 「3」が神聖な数なワケという記事が出ました。

フロイトを引いた上で、「3という数に私の思い入れが強いのは、職業柄、患者さんに病気の原因や治療法を説明する機会が多く、その際、3つくらいに分けて説明するのが一番おさまりがいいからかもしれない。」と、神聖とも魔よけともいいにくいところで、3のよさが論じられます。これは、高岡法科大生の名所アピールの記事で触れた、「三大○○」などとかかわる3のわかりやすさや、錯覚の心理トリック(清田予紀著、三笠書房)が、短期記憶の容量が3から4だとして、「3点ルール」のよさを論じたことにも近いでしょう。

「今年のノーベル物理学賞は、青色発光ダイオード(LED)を開発した日本の3氏に贈られることになった。」と、出おくれに見える話題から書き出して、「光の三原色」から3という数のお話に持ちこみ、「3というのは、あれが1つと、あれが2つで計3つね」と、文字にしにくいことまで書いていったことについて、3ページ目でねらいがわかります。「というわけで、このたび、プライドばかり高くてはた迷惑な「困ったちゃん」を3つのタイプに分けて、どんなふうにつき合えばいいのかを解説した本を出しました。」というわけで、プライドが高くて迷惑な人(片田珠美著、PHP研究所)の紹介となります。「精神科女医のつぶやき」シリーズは、この記事で111本目と、1が3本立ちならび、掲載もきょう、11月1日と、タイミングもみごとです。

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