きょう、北國新聞のウェブサイトに、利長くんと高岡巡り 法科大生の名所紹介企画 動画撮影に150人協力という記事が出ました。
取りあげられた活動のねらい、位置づけが見えにくい記事です。1文目には、「高岡法科大生による「利長くんと高岡プロデュース大作戦」は9日、高岡市中心部で行 われた。」とあり、以前に新聞屋による見守りの記事でも触れた半角スペースの出現や、訳文のような不自然な日本語も気になりますが、ここでは、きのうにあったリアルタイムでの観光PRイベントとして位置づけられます。同じ段落の「学生は短文投稿サイト 「ツイッター」でも随時、各所の魅力を発信し、歴史都市高岡をアピールした。」、記事の最後の「リーダーの見村聖実さん(20)は「予想以上の人に集まっていただき、高 岡と利長くんをPRできた」と話した。」も、その線にそうものです。ですが、「高岡のPR動画の撮影」「各所で撮影した動画や写真を近日中に1本の映像に編集し、インターネットで公 開」が主目的のようでもあります。そうだとすると、きのうのものはPRイベントではなく、PR活動の準備の一環である素材収集だと考えられます。記者の名前が見あたりませんが、これを書いた人は、どちらの位置づけで理解し、読者に伝えようとしたのでしょうか。もちろん、学生のほうから見れば、どちらも目的にあって、さらにはたとえば、こんな社会貢献的でクリエイティブな活動をしましたとアピールできる実体をつくって、就職活動でライバルに差をつけたいという目的もありそうです。「就活」の語が定着してしばらくしてからですが、そういうねらいが見え見えの学生制作フリーペーパー、前向きな講演や討論企画、地元商店街とコラボレーションしてのあれこれなどが目につくようになって、見え見えで見苦しいと私は感じながらも、「意識高い系」という病(常見陽平著、ベストセラーズ)のような視点の一方で、この手を鼻で笑うだけで何もしない学生よりは、人事担当者に無視されにくいのだろうと考えると、世知がらい世の中になったものだと思います。
写真は、後方に大仏を意識して入れたことがわかるものです。キャプションには「地元住民と交流する学生」とありますが、ぱっと見ると、利長くんと地域の方との交流に見えます。よく見ると、左側にいるのは、首から「Cal4」と書かれたカードを下げていることから、何かの罰ゲームでもない限り、学生のほうだろうとわかります。あるいは、利長くんの中の人も、学生なのかもしれません。
記事になったツイッターのつぶやきは、「利長くん@CaL4(3月9日)」というアカウントによる9日13時31分のツイートでしょう。記事では別々の二言のように分けてありますが、これ1回にどちらもふくまれます。
ツイートを注釈なしで載せて平気なようですが、この鳳徳山大仏寺の仏像が「日本三大大仏」に入ることにしたいのでしょうか。保健室 2013年10月号(農山漁村文化協会)には、「人間がすっと頭に入りやすいのは三つでしょう。」とあり、その例が「日本三大○○」でしたが、この手はたいてい、上の2件は誰もが同意できても、あと1件が決まらず、関係者だけが熱くなる3位争いになりがちです。中立性を三本の柱のひとつとする日本語版ウィキペディアの日本三大大仏は、高岡を入れるのを「地元民の自称に過ぎないもの」「定義付けすること自体が無意味」と、あっさりとしりぞけます。高さは16メートル近くあり、鎌倉よりも大きいのにと言いはるかもしれませんが、それは下に台座、上に光輪を足した数値で、舞の海どころではありませんので、像高をみましょう。そして、像高であらそうなら、100メートルある牛久大仏には、まさに足もとにもおよびません。ですが、神奈川Walker 2013夏(角川マガジンズ)には、鎌倉大仏は総高1335メートルとありました。