生駒 忍

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女子高生の集団ヒステリーとフレデリック

きょう、DMMニュースに、女子高生14人が超常現象で病院に緊急搬送されるという記事が出ました。科学では説明のつかない力が女子高生を運んでいったのではなく、超常現象で失神し、結果的に緊急搬送となった事件を取りあげたものです。

「一人の女子生徒が“小さな子供”の幽霊を目撃」、「ほかの生徒達も“子供”を目撃」したそうです。「小さいおじさん」目撃者の記事で触れたような「おじさん」ではなく、子どもで、「おじさん」とは異なり、目にするなり卒倒するほどに衝撃的なものだったのでしょう。そういえば、宮古毎日新聞のウェブサイトにきょう出た記事、早期発見が命つなぐ/児童虐待防止推進講演には、「その上で身体的虐待を受けた子供の写真を示した。参加者は重傷を負った子供たちの姿に目をそらし、虐待の怖さを再確認していた。」とありました。ちなみに、日刊SPA!にきょう出た記事、授業で中絶写真を…過激な「中国の性教育」に賛否両論には、「中絶器具に挟まれた状態の胎児を含む生々しい写真の数々のほか、愛人に関する記述もあり、児童らが心に深刻な傷を負ったとして保護者が抗議しているというのだ。」とありました。

「事を重く見た学校側は、午後3時頃には生徒らを悪魔払いを得意とする地元の聖職者、フレデリック・クリエケンビークのもとに搬送。」、ここで引っかかりました。タイトルには、「病院に緊急搬送」とありましたので、病院にいる聖職者ということでしょうか。それとも、「僧院」の誤字だったのでしょうか。

現地の広報官は、「ただちに神父のもとに被害者を送ることが重要」、「悪魔祓いの経験豊富なフレデリック氏のもとに少女たちを送ったことは賢明な判断」とします。Miss PILOT STORY BOOK(フジテレビ原作)には、他機接近のアラートでパニックになり、「小田、フェイルだ」となる展開がありましたが、いざというときすぐに、最良の行動をとれることは重要です。ふと、アリスムカイデの半月前のツイート、「バトルロワイヤルに出てきそうだよね」と言われたのでを思い出しました。また、フレデリックといえば、oddloop(フレデリック)では1曲目の「オドループ」は、PVにそのアリスムカイデを登場させましたが、2番は「思ってるだけで行動」と歌いだされます。1番の冒頭は「踊ってるだけで退場」で、悪魔がとりついて異様な踊りを起こす尼僧ヨアンナ(J. カヴァレロヴィチ監督)を連想しました。始めと終わりとで、おのがループする作品です。

さて、広報官はさらに、「本やビデオの影響がある領域に達すると、子どもたちがそれを真似て妙な儀式などを行う場合があります。」と続けます。デイリースポーツonlineにきょう出た記事、和田アキ子紅白内定時の儀式明かすを見て、まねる歌手が出てきたら、「ある領域」に達してしまったのかもしれません。

もちろん、「事件後には現場を訪れたセブ市災害管理局の担当官は事件を悪魔によるものではなく、集団ヒステリーであると推測している。」、これが科学的、心理学的には妥当な解釈でしょう。「映画エクソシストを例にあげるまでもなく、欧米においても悪魔憑きの被害者は「少女」が多いことから、思春期の不安定な情動を「超常現象」の科学的原因と見る専門家少なくない。」ともあります。思春期は男女ともにありますが、女性のほうがより不安定という前提なのでしょう。思春期病棟の少女たち(S. ケイセン著、草思社)のような世界もあります。

「兵庫県立上郡高等学校で1人の“霊感が強い”女子生徒がパニックを起こし、女子生徒18人以上が倒れるという事件を覚えてる人」は、どのくらいいますでしょうか。1年半近く前のことで、速報ではないのに、「18人以上」として、人数をはっきり書かないのは、いまも書けない何かがあるようにも見えます。「もうやんカレー」社長の記事で書いた、松戸のラーメン屋に関する数のなぞも、少なくとも私は、いまも真相を知らないままです。