きょう、msn産経ニュースに、「スマホでやけど」75件 国民生活センターが注意呼び掛けという記事が出ました。スマートフォンによる健康被害については、TCHの記事や、マクドナルドの経営不振の記事などでも取りあげてきましたが、今回はずっと直接的で急性の被害です。
国民生活センターによる発表を記事にしたもので、実際の発表からかなり情報量が落ちたものとなります。もちろん、報道ですので要点をわかりやすく伝えればそれでよいのですが、商品テストの実験手法など、くわしく知りたいことがあれば、報道発表資料「スマートフォンの充電端子の焼損や本体の発熱に注意 ‐なかにはやけどを負った事例も‐」をご覧ください。ただし、焼損したスマホのアップ写真は、資料では6ページの写真1の左から2番目がほぼ同じものなのですが、記事のほうでは黄緑色の画像加工がないので、この報道発表資料ではないものも、報道機関にはわたした可能性があります。
タイトルにもある75件という数値も、資料に直接は見あたりません。これは、「充電端子が発熱するなどして手指をやけどしたなどの申し出は11件」と、「本体の発熱によって顔や手指にやけどしたなどの申し出は64件」とを足しあわせた数値でしょう。ですが、「など」の位置をみると、「手指などを」や「顔や手指などに」ではありませんので、どちらもやけど以外の事例も含みそうです。すると、75件としたのは過大で、やけどは多くても73件までと考えられます。
それでも、やけどの危険性があることには変わりありません。IT機器がこれだけ普及して、ユビキタス化しても、電力でうごく装置としてのリスクは、忘れずにいたいものです。もちろん、それはスマートフォンに限ったことではありません。記憶障害の花嫁(北海道放送報道部取材班著、小学館)には、パソコンのキーボードで低温やけどを負った例が登場します。
資料9ページの写真4は、メーカーを不必要に刺激すると考えたのでしょうか、記事はサーモグラフィ画像のみを採用しました。それでかまわないと思います。資料は、「スマートフォン本体の写真を一部加工しています」として、多少わかりにくくしてはいますが、商品の性質上、これでやむを得ないでしょう。台湾から嫁にきまして。(ジェジェ著、中経出版)で、コカコーラのロゴに一応ぼかしをかけてあったよりはましな程度です。そういえば、こちらは民国ではなく大陸のほうですが、爆発しないケータイをください、を中国語で言ってみよう(近兼拓史著、宝島社)という本があるのを思い出しました。