生駒 忍

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マクドナルド不振とスマホの害悪と献血離れ

きょう、livedoorニュースほかに、売り上げ減が止まらないマックと、若者たちの食生活に起きている変化という記事が出ました。All About News Digからの転載のようなのですが、All Aboutで、筆者である中山おさひろのページを探しても、見あたりません。マクドナルドのカウンターにメニュー表が復活!そもそもなくした理由は…が今でもアクセスを集めている中、おしいことをしているかもしれません。

日本マクドナルドホールディングスが、19日に大幅な下方修正を発表しましたが、マック不振はここのところあちこちで議論になっています。大きく分けて、FRIDAY 1月17日号(講談社)などのような、マックの経営方針の迷走や顧客軽視、長期戦略のなさなどに問題の本質があるという見方と、外の環境が変化してマックがついていけていない、ないしはついていけない方向へ変化されてしまったという見方との、2種類の方向があります。この記事は、後者です。マック本体にはむしろ高い評価を与えて、若者が変わってしまったと論じます。

外の環境の中で、今年はコンビニコーヒーの躍進がありました。日経MJ 2013年ヒット商品番付では、「半沢直樹」さえ前頭におさえて、セブンカフェが東の横綱となったほどでした。少し前まで、安くてまあまあのコーヒーを前面に出していたマックが、参入に押されたという解釈は、よく見かけるものです。ですが、この記事は、コンビニにうばわれたわけではないという立場です。コンビニも「既存店だけの場合は年々売上げを減られているのが現実」、「ここも同じよう既存の売上げは頭打ち」としています。

そして、マック不振の本質は、若者の食生活の変化にあるとします。ですが、「最近は電車の中やベンチなどで、パンとかおにぎりを食べている若者をよく見ます。」という根拠を持ちだされると、先ほどのコンビニ冤罪説とは矛盾するように思えます。そのおにぎりは、若者が自分でにぎってきたのでしょうか。おにぎりをにぎる時間はあっても、電車内で食べるほど時間がないのでしょうか。また、そのパンは、若者が自分で焼いているのでしょうか。きちんとしたパン屋で買っているのかもしれませんが、「若者の収入が減っています。」と言っていることとは整合しにくいです。ですので、その「パンとかおにぎり」は、コンビニのものなのではと、私は思うのですが、いかがでしょうか。

ここから、スマートフォンにお金を吸いあげられていることへ、批判がおよびます。「この現象は、国が真剣に取り組まなければならない大問題です。」と大きく出て、「後日、この世代の健康問題として、ツケを支払わされることになります。」と、健康問題に帰着するので、ふしぎに思っていると、「若者の食事問題は起業家も真剣に考えなければならない問題です。」と来ます。起業家が突然出てくるのは、この筆者は起業家の話題が大好きだからだと思いますが、通信費のせいでマックで食べられなくなって、健康問題が起こるというなら、逆のようにも思います。あの手のファーストフードが健康によいはずがないとは、耳にたこができるほど聞くお話ですが、ここでは最近のMailOnlineの記事、McDonald’s website advises staff NOT to eat fast foodを挙げておきたいと思います。

最後はさらに急旋回に出て、若者の献血離れが問題視されます。少子化を考慮せず人数のみを示して、「人のために何かをする精神の問題」にまで展開します。そういえば、スワンプランディア!(K. ラッセル作、左右社)には、「「突拍子もない発言と才能のあいだには相関関係があると論文にも書かれているよ」と彼は髪を押さえつけながら言った。」という場面があります。