きょう、大阪大学吹田キャンパスで、当事者性を考える研究者の会第1回研究会・第4回ナラティブと質的研究会が開催されました。内容については、臨床実践の現象学研究会のウェブサイトにあるお知らせをご覧ください。
3本の発表のうち、2本目は菅波澄治・田辺裕美の2名の連名発表ですが、それぞれが自身のフィールドから得たものを、前後半に切りわけて別個に発表していましたので、さらに2本にわかれるようなかたちでした。そのこともあって、この2本目終了時点で予定時刻から1時間近く延びる展開となりました。ですが、質疑は個別的なところよりも、ナラティブ研究のあり方や、アルコホーリクス・アノニマスの「宗教的」「カルト的」ととられる本質への素朴な疑問などに、かなり割かれました。
この2本目だけは、発表資料に回収を要する部分があるために、資料はすべてが回収されたはずですが、大まかにおぼえている方もいると思いますので、少し補足をしておきます。まず、今年からのアルコール依存の新薬のお話が少しだけありましたが、これももちろん、治すお薬ではなく、回復のためのお薬です。きょう、SankeiBizに、アルコール依存症治療に新薬 神経系に作用、欲求を抑制という記事が出ましたが、これのことです。また、参考文献の中に、断酒が作り出す共同性 アルコール依存からの回復を信じる人々(葛西健太著、世界思想社)が入っていましたが、この著者名の「葛」の字は、正字とされるほうではなく、下が「ヒ」になる略字です。コンピュータ環境では、30年前の83JIS以来の混乱がありますので、このブログも表示環境によってどちらの文字で見えるかが変わってしまい、とてもあつかいにくい文字なのですが、印刷資料でしたら固定できます。配布資料は2004JISで印刷したと思われますが、あの著者名は正字ではないほうにするのが正しいですので、気をつけてください。