生駒 忍

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「古楽アンサンブル依存の悪循環」のCD

少し前に、Twitterを中心に、悪循環コラの流行がありました。私は、あのオリジナルである、薬物依存の悪循環への理解が深まるきっかけになればと思いつつ、遠巻きにながめていました。

私としては、すでに悪循環のかたちから離れてしまった、Just MarriedやEXILEといった、原形をとどめないものがより好きなのですが、正統派で好印象だったものに、古楽アンサンブル依存の悪循環があります。ほかの話題作ほどには人気を集めませんでしたし、やっつけ仕事かもしれませんが、渋いねらい方がよかったと思います。

その、やっつけ仕事に見えてしまう要因のひとつが、左下にはめた画像です。これでは、色あいが全体から浮いてしまいます。古楽だけに、年季のある感じを出したかったのかもしれませんが、黄色くくすんで清潔感にも欠けます。CDのジャケットのようですが、これは手もとになく、何なのか気になりました。右下の緑色の部分から、レーベルはERATOで、キリスト教の宗教画を使っているようですので、宗教音楽であることもほぼ確実です。それでも、まだまだしぼりきれませんので、画像を拡大して、じっくりとながめてみました。すると、"TON"の3文字が読めた気がしました。ここまで来れば、後はすぐです。安価で手に入るようになった、トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック管弦楽団の好演、バッハ:マニフィカト、復活祭オラトリオでした。

子ども対象の無料電話相談の「交流会」

きょう、佐賀新聞のウェブサイトに、心の声受け止めて チャイルドライン交流会という記事が出ました。午後の鳥栖市会場ではなく、午前の佐賀市会場のほうのみの報告です。

交流会と名前がついていますが、内容は講演会のように見えます。講話だけだったのでしょうか。きょう、北陸心理学会のウェブサイトに、認知の生涯発達研究会(2014年1月会)のご案内が出たところですが、そのような2部構成だったのでしょうか。

講話では、「最近の子どもの傾向として、「自分の気持ちを表す語彙(ごい)を持っていない」」ことが話題にされたそうです。おととい書いたSST講話の記事で指摘したような、ことばで表現できない子どもの存在が、電話相談だけに、相当引っかかっているのでしょう。

「2012年度、佐賀県からは2114件の電話があった。」とあります。全国や九州の平均と並べたり、何年か前とくらべたりしてもらえると、これが多いのか少ないのかを感じやすく、より読みやすくなったかもしれません。なお、この件数ですが、佐賀県内から発信された数ではありません。チャイルドライン 2012年度実施報告を見ると、佐賀県の発信数は9433件です。おそらく、着信数でしょう。そして、そのかなりの割合を、無言電話が占めているはずです。

写真の人物は、キャプションに「高木代表」とありますが、本文では先に、「さがチャイルドラインを運営する「こどもエンパワメントさが」(馬場佐希子代表)が主催。」とあるので、代表が途中で代わったのかと思いそうになりました。急な交代はどこでもあることですが、本田圭佑もびっくりするようなトップ交代劇ではなかったようで、安心しました。そういえば、指揮者の佐渡裕は、トイレで電話に出たら、「相手は、ドイツ語で「アバドの代わりで定期演奏会を振ってほしい」って。」と、ベルリンフィルを振る話が降ってきた体験を、僕が大人になったら(佐渡裕著、PHP研究所)に書いています。きょう、そのアバドの訃報が入りました。ご冥福をいのります。

福祉研修会の定員とiPhoneのガラパゴス化

きょう、釧路新聞のウェブサイトに、障がい者虐待シンポに300人/釧路という記事が出ました。本文が2文のみで、すぐ読めます。

このイベントの「定員」は、どういうものだったのでしょうか。釧路市のウェブサイトで、釧路市障がい者虐待防止センター研修会、つまりこのイベントのページを見ると、対象のところに「市民、障がい者支援関係者 200人」とあり、申し込み方法には「申し込み受け付けの締め切り日は15日(水曜日)としていますが、定員に達するまで受け付けしていますので、お問い合わせください。」とあります。これらからは、200人でそこまでとするように思えます。ですが、今回の記事には、「定員より100人ほど多い約300人の介護関係者らが集い」とあります。多少のはみ出しではなく、結局は1.5倍も入場を認めるのでしたら、定員の意味がわからなくなります。主催者に無理を通した力の存在をほのめかすために、こう書いたのでしょうか。ガラパゴス諸島の上陸者数制限のような、決めた数をぴったり境目にして損害の有無が変わるわけではないようなもののルールは、杓子定規に守らなくてもよいだろうと、特例を要求されやすいものです。ですが、消防法施行規則1条の3とのからみも心配です。

そういえば、ガラパゴスで思い出しましたが、J-CASTにきょう出た記事、日本人はなぜこんなにiPhoneが好きなのか ユーザーのITリテラシーが低いから?が、興味深いものでした。自分はガラケー利用者よりも進んでいるという意識の人になじんだ面のあるiPhoneが、ユーザーのITリテラシーの低さと対応していたり、日本だけiPhoneだらけで、世界から浮く「ガラパゴス化」させてしまったりとは、皮肉なものです。

ことばでうまく言えない子どものいろいろ

きょう、宮古毎日新聞のウェブサイトに、教職員対象にSST講話/星槎大の岩澤さんという記事が出ました。読みにくいところはありますが、地域の学校関係者を対象としたイベントの報告です。

まずは、写真におどろきました。キャプションは、「講話をメモをとりながら熱心に聞く参加者ら」となっていますが、講話を熱心に聞いている最中には見えにくいと思います。大きい画像で見るとよくわかりますが、「幼小中学校の教職員ら」なのに、聴く態度とは思えません。見ている方向もまちまちですし、後ろのほうには出あるく人までいます。実際に聴いている場面ではなく、ほかのものの写真を、このキャプションで入れてしまったのでしょうか。ふと、msn産経ニュースの、共同通信が写真記者を懲戒解雇 偽装さらに4枚「撮影失敗を取り繕おうと…」を思い出しました。

「社会生活技能は一般的には社会生活をする上で、対人関係や共生のために必要な能力といわれている。」とあるのは、意外にユニークかもしれません。「共生」が入るのもそうですが、技法としての社会生活技能訓練ではなく、「社会生活技能」の定義は、なかなか見かけないものです。

その技能ですが、講師は、今日の子どもは「言いたいことは言えるが、言われたことがきちんと受け止められず、攻撃することで身を守るようになるなど、社会生活技能が欠けている」と主張したそうです。おっしゃるとおりだと思った方も多いと思いますが、それ以前に、言いたいこと、言うべきことを適切に言う段階でつまずく子どももいることも、忘れないでほしいと思います。内閣府による青少年とテレビ、ゲーム等に係る暴力性に関する調査研究の報告には、ことばでうまく言えないことが多い子どもほど、暴力行動をしたくなり、実際に暴力に走ることも多いとの指摘があります。また、子どもを蝕む空虚な日本語(齋藤浩著、草思社)を見ると、暴力がらみだけでなく、ことばできちんと言えない子どもの、学校現場でのさまざまな様相がうかがえます。

理研研究員が高級外車で釣って性犯罪の容疑

きょう、YOMIURI ONLINEに、理化学研究所の専任研究員、強制わいせつの疑いという記事が出ました。東原子分子物理研究室の研究員が、知人への性犯罪の容疑で逮捕されました。

犯行現場へは、「「自分の車を見てほしい」と言って駐車場まで連れて行った」そうです。自慢の車だったのでしょうか。テレビ系のメディアの報道では、TBS News iの強制わいせつ容疑で理化学研究所の研究員を逮捕、テレ朝newsの理化学研究所の研究員 外車に連れ込みわいせつ行為とも、「高級外車」と言っています。

外車が自慢やアピールになるのかどうかは、意見が両極端にわかれそうな話題ですし、性差、文化差も大きいと思います。CARトップ 2013年5月号(交通タイムス社)には、日本ではフェラーリでよろこぶ女性は少数派で、これは海外から見ると異常だとの指摘があります。J-CASTにきょう出た記事、「成人式」ギャルの楽しみは「同窓会」 JC時代と別人の男子同級生をチェックに「高級車のキーをわざと目に付くところに置いてアピール」はNGとあるように、日本人はつつしみを美徳とするのです。黒いマナー(酒井順子著、文藝春秋)は、「ポルシェに乗っている男はたいてい格好悪い」といいます。ポルシェではなく、乗っている男がです。そして、車のよくわかる男性からも、同様の指摘があります。決定版 女性のための運転術(徳大寺有恒著、草思社)は、かっこいい車の運転席の男はかっこ悪い、車に負けるのだと断じています。

それで思い出したのが、「ご乱心」の陶芸家、細川護熙です。週刊新潮 1月23日号(新潮社)では、「じゅじゅ」のママだった春日雅子が、フェラーリに乗るのが夢という細川にフェラーリを貸しあたえ、細川が東京へ出るときに、春日に300万円を払ったことにした領収書で細川のものにされたと書かれました。肥後細川家当主で陶芸家なのに、フェラーリが夢で、その夢を手にしたやり方にもがっかりしますが、FLASH 1月28日号(光文社)では、参議院議員時代の秘書が、「あの人は“お殿様”といわれるわりに、俗っぽいところが昔からありました。」と明かしていますので、そういう人なのでしょう。