生駒 忍

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ことばでうまく言えない子どものいろいろ

きょう、宮古毎日新聞のウェブサイトに、教職員対象にSST講話/星槎大の岩澤さんという記事が出ました。読みにくいところはありますが、地域の学校関係者を対象としたイベントの報告です。

まずは、写真におどろきました。キャプションは、「講話をメモをとりながら熱心に聞く参加者ら」となっていますが、講話を熱心に聞いている最中には見えにくいと思います。大きい画像で見るとよくわかりますが、「幼小中学校の教職員ら」なのに、聴く態度とは思えません。見ている方向もまちまちですし、後ろのほうには出あるく人までいます。実際に聴いている場面ではなく、ほかのものの写真を、このキャプションで入れてしまったのでしょうか。ふと、msn産経ニュースの、共同通信が写真記者を懲戒解雇 偽装さらに4枚「撮影失敗を取り繕おうと…」を思い出しました。

「社会生活技能は一般的には社会生活をする上で、対人関係や共生のために必要な能力といわれている。」とあるのは、意外にユニークかもしれません。「共生」が入るのもそうですが、技法としての社会生活技能訓練ではなく、「社会生活技能」の定義は、なかなか見かけないものです。

その技能ですが、講師は、今日の子どもは「言いたいことは言えるが、言われたことがきちんと受け止められず、攻撃することで身を守るようになるなど、社会生活技能が欠けている」と主張したそうです。おっしゃるとおりだと思った方も多いと思いますが、それ以前に、言いたいこと、言うべきことを適切に言う段階でつまずく子どももいることも、忘れないでほしいと思います。内閣府による青少年とテレビ、ゲーム等に係る暴力性に関する調査研究の報告には、ことばでうまく言えないことが多い子どもほど、暴力行動をしたくなり、実際に暴力に走ることも多いとの指摘があります。また、子どもを蝕む空虚な日本語(齋藤浩著、草思社)を見ると、暴力がらみだけでなく、ことばできちんと言えない子どもの、学校現場でのさまざまな様相がうかがえます。