生駒 忍

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英会話を教える目的だった男と有村架純の英語

きょう、産経ニュースに、英会話教えると…マンションで女子高生の裸をビデオ撮影 容疑で30歳米国人逮捕 NHK番組リポーターという記事が出ました。

「「特に覚えていない」と容疑を否認している。」そうで、まだわからないところですが、「特に」がついているところが、めずらしいと思います。3年半以上も前で、記憶がうすれている、その中でも特に、おぼえがないという意味でしょうか。特に強調する意味はないととるほうが自然かもしれませんが、「アレックス容疑者のパソコンからは少女7、8人の動画と画像100点ほど見つかっており、余罪があるとみて調べている。」とありますので、ジョジョの奇妙な冒険 3(荒木飛呂彦作、集英社)の、149ページの有名なせりふに近いのでしょうか。あるいは、Yahoo!知恵袋に9年前に出た質問記事、アンケートとかで「特になし」ってよく見ますけどのお話は、特にあてはまりはしないでしょうか。

「女子生徒とはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で知り合い、英会話を教える目的で会う約束をしたという。」、それが「児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)」になったとすると、これはいったい、どういうことなのでしょうか。ふと、"I know you like the bottom."を連想しました。東大院生の買春とイケアカタログの記事で取りあげた事件も、神奈川県警がうごきましたが、今回ははるか山梨県から呼びよせたようです。地方では今でも、テレビに出ている人の信用度がとても高いことのあらわれでしょうか。それでも、高校生ですし、英語を学びたいという気持ち自体は、だいじだと思います。ダイヤモンドZAi 2016年4月号(ダイヤモンド社)によれば、有村架純は、高校時代にもっと英語の勉強をしたかったそうです。同じ雑誌で少しさかのぼってみると、ダイヤモンド ZAi 2014年7月号(ダイヤモンド社)でも、「今やりたいことは英語の勉強。英語の交流会に何度か、参加させてもらったんですが、大いに刺激を受けました。」と述べています。

リベンジポルノ防止法の刑罰と顔をかくす効果

きょう、Gow!Magazineに、リベンジポルノから自分を守るただひとつの方法とは?という記事が出ました。

「これを規制する法律は、現行では名誉棄損罪(3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金)程度。」、誤解をまねきそうな書き方です。せいぜい名誉毀損罪程度しか適用できないのではなく、法定刑が似ているということです。昨年11月、リベンジポルノ防止法が成立し、3条ももう施行されました。その公表罪は、「三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」で、禁錮刑にはなりません。もちろん、刑法230条は、「三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金」です。

「写真を渡してしまった自責の念や、恥ずかしさが女性たちを黙らせ、その裏で犯人たちは次から次へと被害者を作っていくのです。」、おそらくそうだとは思いますが、「犯人たち」という表現には、違和感があります。別個の痴情のもつれでしかないはずなのに、まるで私怨をかかえたそれぞれが結んで、ほかの人にも公表をさせたり、対象者をかえてくり返したりするように見えます。結果的に拡散を手つだった人々も含めて「犯人たち」だと理解したい人もいるかもしれませんが、「次から次へと被害者を作っていく」とありますので、すでに被害者になった人の被害拡大のことを指してはいないことは明らかです。

「いくら法律で加害者を罰しても、それは被害が出てしまってからのこと。」、そのとおりです。可能性のある人を、公表にうごく前に拘束できれば可能ですが、排除型社会(J. ヤング著、洛北出版)の悪夢の世界でしょう。

「好きな人に望まれれば「望みをかなえてあげたい」という気持ちになるのは女性として当然のこと」、「彼の望みを拒絶することで「俺を信用できないのか?」などと言われてしまえば、二人の間にひびが入りかねない大きな問題」、一般論としては理解できますが、この問題に関してこういうとらえ方は、適切でしょうか。アンマン自爆テロ事件のサジダ・リシャウィは、夫から自爆テロを指示され、したがいましたが、死ねといわれたとしたら死のうと思うのも「女性として当然のこと」になるのでしょうか。女性に自分はないのでしょうか。少なくとも、性行為のもとめや避妊に関しては、のぞまない妊娠や、性病やそこからの不妊から自分を守るには、自分でノーを言わなければという視点があります。さらば、悲しみの性 高校生の性を考える(河野美代子著、集英社)をご覧ください。不本意なことになってから、刑事なり民事なりでうったえるにしても、それこそ「いくら法律で加害者を罰しても、それは被害が出てしまってからのこと。」です。ハフィントンポスト日本版にきょう出た記事、独裁国家ジンバブエが削除を命令した、いわくつきの写真がこれだ(画像)のように、あの独裁権力でさえ、出てしまったものは止めきれない時代なのです。

「ですから、リベンジポルノから女性の身を守る方法はただひとつ。」「顔さえ写さなければ、どんな姿のどんな写真でも「自分じゃない」と否定することができるのです。」、どうでしょうか。筆者の感覚ですと、顔をもとめられたら、撮らせてあげるのが「女性として当然のこと」にされそうですので、そうなれば守りきれません。しかも、「顔と体を撮影されそうになったら、顔は恥ずかしいからと髪で隠したり、いつもと違う表情をする」、この程度で「被害は最小限に」なりますでしょうか。その場で表情などつくったところで、本人と見くらべてわからないようになるとは考えにくいですし、流されて不特定多数に見られること自体の苦痛はなくせません。思いきった変顔に走れば、ポルノとしての価値をそこなうことはできますが、変にできがよいと、むしろおもしろ画像として、より表に近い場で流れてしまう危険もあります。また、リベンジポルノ防止法2条の「性欲を興奮させ又は刺激するもの」や、3条の「第三者が撮影対象者を特定することができる」範囲をはなれると、せっかくの新法も助けてくれなくなります。結局は、断る力(勝間和代著、文藝春秋)ではありませんが、ことわることこそが、意味のある選択肢でしょう。

ことわるで思い出したのが、Reutersにきょう出た記事、中田氏の申し出、簡単に乗るわけにいかない=人質事件情報収集で首相です。答弁内容は、「やたらめったらに『お願いします』とすれば、(交渉が)うまくいかないのは常識」という、当然のことでした。たずねたほうは、今回の裏事情を言わせたかったのかもしれませんが、混乱をまねきかねませんので、こういう一般論での回答で十分だと思います。週刊文春 2月5日号(文藝春秋)の、「佐藤優が痛烈批判「中田考はイスラム国のPR担当」」のようなこともあります。また、週刊新潮 2月12日号(新潮社)は、アルカイダによるイラク日本人誘拐殺害事件を、イスラム法に反しないなどと「追認」にまわった過去にふれました。ところで、「松田公太委員への(元気)答弁。」とありますが、何でしょうか。アントニオ猪木の元気な発言ではなく、質問者は弟が若くして病死、答弁者は持病を薬でおさえつつの活躍である組みあわせに、後にずらして「元気」をつけました。もちろん、国のトップは完全な健康体でなければいけないということはありません。アメリカのフランクリン・ローズヴェルトも、イギリスのゴードン・ブラウンも、それを理由に非難されることはないはずです。そういえば、Telegraphにきょう出た記事、Vladimir Putin suffers from Asperger’s syndrome, Pentagon report claimsは、納得できるものでしょうか。

教員夫婦の公然わいせつと恋愛の「蛙化現象」

きょう、日刊大衆WEB版に、2014年「わいせつ事件」注目度ランキングTOP10という記事が出ました。このサイトに「2014年12月までに掲載された記事から、特に注目度の高かった事件を編集部でピックアップ」したものです。

10位は、「現役教師夫婦が過激な露出行為!?」です。「容疑者妻は、8月31日午後5時ごろ、県内の公園で遊んでいた子ども2人に対し、いきなりワンピースの前をはだけて乳房や性器などを見せたという。驚く子供と恍惚の表情の妻を、夫の高校教諭は遠方からビデオカメラで撮影していた。」とあります。ですが、FRIDAY Dynamite 1月12日増刊号(講談社)で見ると、やや異なる印象です。もくじで「集まれ! 世界のヘンタイさん 2014下半期編」、記事本体では「美人精神科医がブッタ斬り 集まれ! 世界のヘンタイさん 2014下半期」というタイトルとなったところに、「キレイなハダカだろ? コレ、俺の嫁なんだぜ」として紹介されました。場所は宮崎市内、見せられたのは中学生で、「男は女の胸をもみしだき、おもむろにカバンからビデオカメラを取り出した。すると女はワンピースをまくり、なんと胸と股間を見せつけてきたではないか!」、表情も「女はずっと無表情だった」とされました。なお、TOP10のうち、このFRIDAY Dynamiteの「2014下半期編」に収録された事件は、これだけでした。

一気に飛ばして、1位は、「女子大生のアレに無理矢理入れた米国人御用」です。「男は8月10日午後10時ごろ、高野川の河川敷で、女子大生(19)に「You are cute!」と話しかけ、いきなり抱きついた。また男は女子大生に携帯電話の番号を聞き、断わられると、女子学生のスマホに自分の携帯電話番号を勝手に登録するという行為に出たという。」とあります。こちらも、産経ニュースに出た記事、「You are cute」女子大生に抱きつき 許せん!46歳変態ガイジン逮捕と見くらべると、印象が異なります。産経のほうは、携帯番号の無断登録をしてから抱きつきという順であったことを明示しています。もちろん、順番にかかわらず、常軌を逸した犯罪であることには変わりありません。

順番で思い出したのが、Jタウン研究所にきょう出た記事、愛知VS大阪、頂上決戦の行方は...? 「運転マナーが悪いと思う都道府県」【3位~1位】です。「「修羅の国」としてすっかり名高くなってしまった福岡県が、ワースト3の一番手に名を連ねた。」とあり、福岡市職員の飲酒運転続発の記事で触れた「福岡人」のような過剰反応があるか気になりましたが、順番はここであっても、下の2府県との間には大きな開きがあります。「3位・福岡に実にトリプルスコア以上の大差をつけたのが、愛知県だった。」「3位以下を大きく引き離し、大阪と愛知が激しい「デッドヒート」を繰り広げた今回の投票だったが(2府県への投票が全体の4割以上)、大阪は北は秋田県から南は宮崎県まで幅広い地域で最多得票を確保、さらに岡山県を除く関西・中国地方の全府県で大阪への投票が1位となるなど、圧倒的な強さを見せつけた。」という、2強の激戦だったようです。

激戦で思い出したのが、しらべぇにきょう出た記事、【謎の現象】あれほど観たかったのになぜ? 42.3%が録画した番組を「観る気がしない」です。「大晦日の夜は、すべてのテレビ局が「1年の集大成」とも言える番組を贅沢にもそろえてくる、1年で最大の激戦区です。」という話題から書き出されます。そして、「リアルタイムで観る番組以外は、録画する」ことから、「Q. テレビ番組で、観たいと思っていたのに、録画した途端観たくなくなったことがありますか?」というウェブ調査の報告が行われます。「ある」が42.3%、「半数近い人が「あの現象」を経験したことがあると回答しました。」という結果でした。「この「手に入れた瞬間に、内容への興味が薄まる」現象、ゲームでは「積みゲー」、本では「積ん読」と呼ばれたりもしますが、調べたところ、テレビ番組まわりでは無いようなので、筆者は「No Look Rec」と呼ぶことを提案します。」、さすがにこの名前では、定着しにくいでしょう。記事で3回使われた「あの現象」が、「例のプール」や「あれの日」のようになる可能性のほうが、まだありそうです。

この「あの現象」はほかに、音楽CDでも見られます。クラシック音楽のファンの一部は、「ミチョランマ」と表現します。未聴のままのCDの山が、チョモランマのように高くそびえるイメージからの造語です。私がこの表現を初めて見たのは、Deutsche Harmonia Mundi 50th Anniversary Boxに関してでした。あのころから、数十枚規模で、もちろん格安で、しかも単なる有名曲集ではなく、わかる人にうれしいアイテムも盛りこんだボックスものが、主要レーベルから続々と出るようになりました。この活発な造山活動が、各地にミチョランマを形成したのでした。

また、似た心理学的現象として、「蛙化現象」があります。恋愛において、相手からの好意がわかると、成就のしあわせではなく、気持ちがさめてしまう方向へ行ってしまうというものです。実証研究としては、10年前の日本心理学会大会で発表された、女子が恋愛過程で遭遇する蛙化現象があります。名前の由来は、Yahoo!知恵袋の質問記事、「蛙化現象」と呼ぶ由来は? 好意を伝えられる…に書きこまれた、命名者からのメッセージでお読みください。

名前で思い出したのが、産経ニュースにきょう出た記事、関大キャンパスに侵入 中核派系全学連副委員長を逮捕です。「京都大生の男(23)=住所不詳=」と、名前をふせての報道のように見えて、3段落目には、はっきり登場します。

D准教授ストーカー化事件と30年続けた痴漢

きょう、ダイヤモンドオンラインに、クーデター企業、セクハラ大学の「確執」に学べ! “普通の人”がブラック化するコミュニケーションの罠という記事が出ました。

まずは、「最近、知人が関わっていたある会社組織が崩壊した。」という話題から入ります。崩壊といっても、専務と一般社員とがまとまったことで、専務と対立していた社長は退任しましたので、組織としては団結が強まったようにも見えます。「結局、社長の予測通り、倒産するしかなくなったのだった。」という表現からは、まだ倒産してはいないようにも読めますが、人間関係がよりまとまったのに崩壊したと断定されたことからは、すでに倒産して、それを崩壊ととったのでしょう。

経理責任者について、「その社員は、社長が対外的に会社の「顔」として、メディアなどから取材を受けるのを妬んでいたらしい。」と推測します。PHPスペシャル 2015年1月号(PHP研究所)で雨宮まみが書いているように、単にきらいだというだけなのか、実は嫉妬なのかは、注意して見わけたいものです。

続いて、「かつて勤めていた大学で起こった出来事」が紹介されます。「専任として同僚となるA氏とB氏」が始めた自主セミナーをめぐる問題で、このセミナーは「彼優秀な大学院生を招いて自分たちと一緒に研究発表をしてもらい、お互いの研究を高めようとする試みだ。」とあります。「まず大学院生の中で比較的彼らに近い分野の研究をやっている博士課程の女子学生に、発表を依頼」、研究をすることに、「やる」という動詞をあてるのは、私は好きではないのですが、意味はわかります。「ところが、電子メールでフライヤーを回した途端、彼女の指導教員であるC教授からクレームが入った。」、この「フライヤー」も、少なくとも私のまわりでは、あまり使われない表現ですが、こちらはきらいではありません。そういえば、昨年に大ヒットしたノンフライヤーを買った皆さんは、いまでもよく使っていますでしょうか。

「学内でも高い地位にいる実力者」からのメールに腹を立て、リアルのほうで動いたところ、「直接会うとC教授は、意外にも穏やかな口調でこう言った。」とあります。ネット上のお前ら、現実世界のお前らというほどでなくても、画面の文字だけの情報は、どうしても冷たく感じられがちです。ふと、けさの朝日新聞朝刊で、二村文子という人が、「スマホやネットで情報を得ても、それで人間の心が豊かになるでしょうか。」とうったえたのを思い出しました。ただし、この人は、「どうか若い人たちも、もっと本を読んでください。」と呼びかけていて、活字の世界は持ちあげたいようです。

発端となった大学院生にかかわる、「D准教授は彼女が自分に気がないことを知ると、ストーカーになった。」事件へと、お話がすすみます。筆者が当時いた大学で、「D准教授は昨年まで、その女子学生の指導教員」、「命の危険さえ感じていた彼女と彼女の親のために、大学はD准教授を更迭」、「その後彼は、隣の大学の教員となった。」、「彼女の発表は、D氏のいた大学にも宣伝されていた。」、名前をふせてはあっても、これらをあわせて出すことには、不安を感じます。しかも、倫理審査関連の場で、事務長から聞いたお話です。これらをならべないと、筆者の示したい問題が伝わらないと判断したのだと思いますが、もし了承ずみではないのでしたら、心配です。冒頭の、会社の崩壊の例だけでは、インパクトが小さいと思ったか、尺がかせげず原稿料がかせげないかで、これも足したのでしょうか。

「ちょっとしたことで、他の先生を気に入らないと、それ以来口をきかなくなる。彼は学内でどんどん話相手がいなくなり、結局2年あまりで、あまり良くない条件にもかかわらず他大学へ移ってしまった。」、皆さんのまわりには、こういう人はいますでしょうか。筆者はこの人について、「性格もいい。」と断言しましたが、「B氏は誰に対しても、一度ネガティブな印象を持つと、コミュニケーションをとらなくなるクセがあった。」、こういう人を、皆さんはどう見ますでしょうか。

同じく「性格もいい。」とされたもうひとりは、「「アンフェアなことを言った理由は何だろう」と考えて、C教授とのコミュニケーションを絶たなかった」、「そのため、C教授がアンフェアに思えたのは誤解だったことが後でわかったのだ。」とします。ですが、誤解がとけたのは、学内業務で会った事務長という、まったく別のルートのおかげであって、C教授とのかかわりとは無関係に見えます。「倫理審査委員として、あなたに知っておいていただきたいので」という内容であれば、C教授とふだん口をきかないかどうかに関係なく、伝えるはずでしょう。「ひとことで言えば「コミュニケーション術」」という、あいまいなものの力に帰属するのではなく、学内業務から入る情報は貴重なので前向きに引きうけましょう、という教訓をみちびいても、有意義であったように思います。

「嫌な思いをしても、怒って話すのをやめてしまう前に、「なんでこの人はこういうことを言うのだろう?」という疑問を持って調べてみる」、たいせつな態度です。研究者ならなおさら、感情にふりまわされずに、常に前を向いて、なぜと問いつづける姿勢が求められると思います。

それで思い出したのが、AERA 12月22日号(朝日新聞出版)に出た記事、「痴漢に遭うのは女性が悪いのか 防止対策のちぐはぐ」です。「被害に遭いたくないなら「肌の露出」を減らせ、というイラスト入りの啓発。そこには、被害に遭う遭わないは女性次第である、という意識が透けて見える。」などとして、一要因と全責任とを混同させて、女性の側から減らせる可能性を矮小化したいような立場がうかがえたのは、残念でした。病み本 10代編(ポプラ社)で夏目理緖が、自身の相当な痴漢被害を明かしながらも、「痴漢に遭いやすい子はやっぱり格好がいやらしいんです」と結論したことを、紹介しておきます。また、「被害者に「肌の露出を控えろ」と言うが、加害者に「なぜ痴漢をするのか」とは聞かない。」として、ある常習者の、「警察の取り調べでは、「被害者はミニスカートだったのか?」「性欲がたまっていたんだろ?」。そう誘導された。「なぜ痴漢をしてしまったのか」と聞かれることは一切なかった。」という経験を紹介します。ですが、心理療法的な介入の場ではなく、警察の取調べのかたちで理由を追及しても、無意味だとはいいませんが、生産的な展開にはなりにくいように思います。九州道バスジャック事件冒頭陳述の記事で触れた全国のネット中傷加害者のように、自分も被害者であるような言い草をされても、防犯や啓発に役だてることはむずかしいですし、かえって痴漢被害者の感情を逆なでしそうです。「高校生の頃から約30年間、電車内痴漢を続けた。「通勤の移動時間を有効活用する感覚」で日常化していたという。」「何百万円も支払い、職や妻も失った。」という相手なら、なおさらかもしれません。

長く続けた性犯罪者としては、神戸新聞NEXTにきょう出た記事、「小学生のころから下着盗んだ」 窃盗容疑の27歳男宅から600点のような例もあります。こちらはまだ若いので、AERAのものほど長くはありませんが、小学生のうちに始めています。広島の実家から押収されたのは、その初期の盗品でしょうか。

買春した東大院生とイケアのカタログのCG率

きょう、msn産経ニュースに、東大院生、14歳少女を買春容疑 神奈川県警が逮捕 学歴自慢し買春後に数学を教える?という記事が出ました。ただいま、「事件」のランキングのトップにあり、多くのアクセスを集めています。

以前に、西川口強制わいせつ事件の記事を書きましたが、またも東大から、性犯罪者が出てしまいました。「3月26日午後1時半から27日午後0時ごろまでの間、自宅居室内で川崎市中原区の女子中学生=当時(14)=に対し、現金2万円を渡す約束をしてみだら行為」とのことで、「みだら行為」の定義にもよりますが、約22時間半とは相当なものです。それなのにたった2万円と思った人もいるでしょう。TBS News iにきょう出た記事、中学生にみだらな行為か、東大大学院生を逮捕によれば、「制服を着て自宅まで来るよう指示」しての犯行で、中原区からはるばるの出張に、交通費を別途支給したとも思えません。相手は中学2年生で、ものごとを知らないところにつけこんだのでしょうか。「買春行為後の27日、川崎市の喫茶店で女子生徒に数学を教えていた」ことまで足して計算するべきでしょうか。「東大院生であることを自慢する文章を女子生徒に送って」いたのは、数学を教われることの価値を高く感じさせるねらいだったのかもしれません。1年前に、女性が社会的ステータスを求めることの記事を書きましたが、東大の院生といっしょに喫茶店にということ自体も、被害者にとっては対価だったのでしょうか。トピックニュースにきょう出た記事、コスプレイヤー・うしじまいい肉氏、Twitterで茂木健一郎氏を「心根は腐ってる」と批判に登場する「女ポケモン」を思い出しました。

「容疑者が撮影したとみられる少女の裸の写真が複数見つかっており、同署で同法違反(製造)の疑いも」とあり、児童ポルノ・児童売春禁止法8条、「一年以上十年以下の懲役」の可能性も見えてきました。ここに関しては、TBS News iのほうでは「複数の子どもの裸の画像が見つかっている」とあり、同じことを指しているはずですが、印象が異なってきます。実際の画像が「少女」と「子ども」とのどちらに近いのかは、見ていないのでわかりませんし、事前にどちらの情報で聞いているかによっても、見たときの印象が変わるかもしれません。

画像の印象で思い出したのが、激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログにきょう出た記事、【イケア】、カタログ写真の75%がニセモノ!イケアカタログに新しい楽しみ方ができた?です。このブログはいつも、ニュースサイト記事のような文面ですが出典のわからない前半と、「⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。」から感想を言う後半とで1記事を組むパターンで、今回は先月に話題になった、イケアのカタログのCGのことです。奈良県介護講座の記事で触れたイケア効果の、あのイケアの話題で、今月に入ってから、IKEAのカタログの家具は75%がCGと、日本語で取りあげられて知った人もいるでしょう。例によって、どこから持ってきた話題なのかが不明な前半ですが、インタビューの部分は、PetaPixelの記事、When You Flip Through an IKEA Catalog, 75% of the ‘Photography’ You See is CGIにあるものと同じです。内容に、ローゼンハン実験を連想してしまいました。そして、気になったのは、割合です。あちこちで75%という数値がひとり歩きしているようで、英語サイトだけでなく、ここも先ほどのGigaZiNEも、UnWireの宜家傢俬產品目錄的照片,有 75% 原來都是 CG!も、はっきりそう書いています。ですが、PetaPixelの記事によれば、このインタビュイーは「about 75% of all IKEA product images are CGI」としたそうで、ぴったり75%ではない可能性が高そうです。割合がきりのいい数値で書かれた場合は、正確性よりも見やすさ、わかりやすさを優先したものであることが多く、注意が必要です。きょうの日本経済新聞夕刊のあすへの話題ではありませんが、ものごとは張りつめすぎずアバウトでよいとも思いながらも、私は気になってしまうほうです。そういえば、日刊SPA!にきのう出た記事、デング熱よりも怖い!? マダニが介する致死率33%の感染症は、CC-BY-3.0と思われる画像が、トリミングを加えたSPA! 9月9日号(扶桑社)の23ページと同様にだまって使われたことも気になりましたが、割合も注意を引きました。およそ3分の1くらいと書かれた資料から、33%に読みかえてしまったのかと思いましたが、「患者数85人、うち26人が死亡」とはっきりあり、割ると30.6%です。佐賀新聞LIVEの、これに数時間遅れて出た記事、マダニ感染で唐津市の女性死亡の1名を足すと、31.4%へ上がります。厚生労働省が出した重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の国内での発生について(情報提供及び協力依頼)の別添2にある致死率の、「約」の範囲内でしょうか。

さて、アメリカ小売業ブログの記事は、「カタログ画像がCGかどうかは大きな問題ではない」という立場です。また、2枚のカタログ画像を示して、「これらの画像がCGと言われてもわからない。」と主張します。ですが、少なくとも1枚目は、言われずに気づくのはむずかしくても、言われたら気づいてよいレベルだと思います。まん中に、明らかにおかしなものがあります。奥のいすはミスでしょう。「リアルな質感を表現するために、光の屈折をコントロールできるVレイ(V-Ray)という技術を取り入れて描写している」という説明が引っかかった人もいると思いますが、まるで屈折をかけすぎたようです。あるいは、画面右下、手前にある植物のピントのぼけ方も、写真とは印象がまるで違います。何ごともきちんとしてしまうコンピュータは、自然なぼけが苦手なのです。そういえば、理系のための恋愛論 Season 09 あなたは空気が読める人ですか(酒井冬雪著、マイナビ)には、「ドジでも抜けているところがあるわけでもなく、しっかり者で頼もしいタイプの男性は、どうしてもボケとツッコミのボケにはなりにくいものです。」とありました。

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