生駒 忍

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女性は男性に「社会ステータス」を求めます

きょう、マイナビウーマンに、異性に最も求めるもの 男「美しい容姿」、女「社会ステータス」―研究結果という記事が出ました。調べるまでもなさそうな、ありきたりなお話に見えますが、それをきちんと検証して、JPSPに採択となった研究の紹介です。

最後に「※当記事は、ハイブリッド翻訳のワールドジャンパー(http://www.worldjumper.com)の協力により執筆されました。」とある、マイナビウーマンでは日常になっている、海外のニュースサイトの記事を抄訳して少しいじって、オリジナル調にしたものです。今回の内容の出所は、「参考」として挙げてあるURLなのですが、#より後のアンカー部分も、筆者のブラウザから貼ったようです。ブードゥープログラミングのように、いらないことを理解できないまま、残してしまったのでしょう。

出所ページでは、JPSP今月号掲載のような書き方をしていますが、載っていません。そのうち載ることは確実ですが、まだOnline First Publicationどまりです。

「シンガポールマネージメント大学心理学部のNorman Li准教授とアリゾナ州立大学心理学博士課程のOliver Sng氏」が、この研究をしたように書かれています。論文は8名の連名なのですが、実験をしたのがこの2名ということなのでしょうか。また、筆頭著者の所属ですが、SMUの6学部には、「心理学部」と訳せるものは見あたりません。出所のページの、"associate professor of psychology at Singapore Management University"からの誤訳でしょう。

その筆頭著者は、「女性は少なくとも平均的な社会ステータスを持った男性、男性は少なくとも平均的な容姿の女性を求めるのです」と言ったとのことです。ですが、出所ページでこれに対応するのは、"women want men who are at least average in social status while men want women who are at least moderately physically attractive"という発言です。女性が求めるのは「平均的」で合っているのですが、男性が求めるほうは、平均ということばとは、少しだけイメージがずれるかもしれません。そういえば、小町で少し前に盛りあがった、「普通」を求めるって高望みなの?というトピが、男性が言うふつうは平均でも、女性が言うふつうは論理積、まさに普通のダンナがなぜ見つからない?(西口敦著、文藝春秋)の世界だという展開となっていました。

タイトルには「社会ステータス」という表現が使われ、本文ではそれと「社会的ステータス」との、両方があります。日本語としては、social statusは「社会的ステータス」と訳すほうが、自然だと思います。それでも、Lightning 2013年10月号(枻出版社)の「喫煙室の密談」コーナーに出た、昭島と昭和島ほどの違いではないので、「的」を入れなくてもそれほどは困りません。タイトルでは、一文字でも短く書こうとしたのかもしれません。このマイナビウーマンに、きのう出た記事には、彼とのお泊りデートために、女性が密かに行う身だしなみとは?というものがありました。