生駒 忍

記事一覧

アルコール臭をたてる横浜市職員への処分

きょう、msn産経ニュースに、横浜市2職員を懲戒処分 盗撮にアルコール臭…という記事が出ました。

記事タイトルには、「盗撮にアルコール臭」とあります。私なら、ここは無難に、「盗撮とアルコール臭」と書いて、誤解を減らすほうを優先したいところです。

勤務前に、あるいは勤務中かもしれませんが、飲酒をして問題になったのではないところが特徴的です。問題はあくまで「アルコール臭」なのです。ふつうに考えれば、飲酒が原因なのですが、本人は飲酒したとは絶対に認めない態度なのかもしれません。そこで、飲酒には触れずに、アルコール臭を発していて、市民から苦情が入ったことを理由に、減給処分をかける判断をしたのではと思います。

目からうそを、下半身から緊張を見ぬきます

きょう、マイナビウーマンに、嘘の見抜き方とは?「腕や足を組んでいるのは拒否のサイン」という記事が出ました。

「心理学者や尋問者は嘘を見抜くために、話手が話している内容よりも、その人の目やしぐさ、ジェスチャーなどで嘘を見抜くようです。」とのことで、私自身は特段そういう意識はありませんが、この記事の前半は、そういういわゆる「行動心理学」が話題の中心です。行動主義心理学ではなく、植木理恵のすぐに使える行動心理学(宝島社)のような「行動心理学」です。ですが、4点のポイントのうち、2番目の「注意力」のみ、行動ではなく内的な特性で、行動から注意力を推測し、そこから感情状態を推測する方向です。「しかし、不安な人や緊張している人は何か他の事に注意を向けようとします。」という前提です。緊張に関しては、もっと一般的な「行動心理学」では、注意力に注意せずに、見えるところから直接見ぬくやり方もあります。たとえば、心理の技法大全(おもしろ心理学会編、青春出版社)には、下半身を見れば緊張のレベルがわかるとあります。

後半は、「次は言葉から分かる嘘の見抜き方です。」とあり、冒頭の文とは逆に、ことばそのものからのアプローチを紹介します。ですが、後半に入る直前にある「一種のバリアを張っているサインと考えていいでしょう。」が、後半にも意外にあてはまります。「嘘の見抜き方」というほどのものではなく、ことばの比較的そのままの解釈です。カウンセリング的な言いかえ技法や、あるいはジンクス!!!(まなべゆきこ作、角川書店)で、雄介が星座を言うべきところに「スター座」と答えたくらいの、情報量の増えない展開です。

「ちょい悪なプロジェクト」での創造性向上

きょう、ライフハッカー日本版に、ズルをすると創造的になれるかもしれない:研究結果という記事が出ました。

創造性の研究は、心理学では古くからありますが、創造性だけに、近年でもユニークな着想からの検討が続く分野です。第11回日本認知心理学会優秀発表賞の新規性評価部門を受賞したのは、もげるほどに回して思いついた研究かもしれません。

「ちょい悪なプロジェクト」がうたがわれた人物が、ユニークな対応に走って世間をおどろかすことは、よく起こります。きょうは、前の東京都知事が公選法違反で立件される見こみとなったと、報道各社が報じました。堂々とした借用書、かばんのコントなど、いろいろありましたが、ここまででしょうか。あるいは、小保方騒動です。かっぽう着にピンクの部屋で世間にデビューしたのも斬新でしたが、博士論文は下書き、画像切りはりは悪いと思わなかった、などの臨機応変の切りかえしも、並ではありません。きょうは、「STAP細胞」から作られたものの遺伝子が、実験に使われなかったはずの系統のマウスのものだったと、報道各社が報じました。もし、この解析結果と「STAP細胞」とが本物ならば、万能細胞どころではなく、ルイセンコもかなわないほどの、遺伝学の根本をゆるがす創造になるはずですが、どう解釈するのでしょうか。カンメラーの道だけは、誰でも想像がつく、ユニークとはいえないものですので、どうか選ばずにいてほしいと思います。

神奈川県立保健福祉大学が協定を結びます

きょう、神奈川県記者発表資料のサイトに、神奈川県立保健福祉大学と神奈川県立こども医療センターが連携協力に関する協定を締結します-3月27日、神奈川県立保健福祉大学にて、協定書調印式を実施-という記事が出ました。小児医療関連分野の人材交流などを強める協定のニュースです。

「本協定は、保健福祉大学は医療機関との協定として初めて、センターは大学との協定としては横浜市立大学、慶應義塾大学に続く協定の締結となります。」とあるのが、わかりにくく感じます。おそらく、この協定は神奈川県立保健福祉大学が医療機関と結ぶ初めての協定であり、一方で神奈川県立こども医療センターのほうは、すでに横浜市大、慶応大と協定を結んでいるので、同センターが大学と結ぶ3本目の協定になることを伝えたかったのだと思います。

半角カタカナで「ファクシミリ」とあります。私は古い人間なので、Googleの検索窓に「半角カナ vo」と入れるとサジェストされる、あの大御所が頭にうかんでしまいました。また、BBCにFaxという番組があったとはいっても、できる大人のモノの言い方大全 LEVEL2(話題の達人倶楽部編、青春出版社)によれば、「ファックス」は「コック」と同様に、タブー語に聞こえるといけないので避けたほうがよいそうで、ここでも略さずにファクシミリとしてあります。お役所の発表ですし、正式名称が似あいます。ですが、同じく神奈川県記者発表資料のサイトに1か月前に出た記事、地域貢献研究センター開設記念シンポジウムを開催しますは、同じく県立保健福祉大に関するものですが、そこには「ファックス」があります。

昔から変わらない人と早稲田批判アカウント

きょう、ジネコに、「当時と変わってない」って?という質問記事が出ました。同窓会で友人が言われたことばが、幼稚だという意味かどうかが引っかかったようです。

文藝春秋 2014年4月号(文藝春秋)で養老孟司が書いたように、同じ人間でも、物質的には入れかわりつづけます。一方で、これが回りつづけることで、まるで赤の女王のように、同じままでいることができます。ですが、いつまでもまったく同じではいられないわけで、これが老化です。

この記事にあるように、変わらないと言われても、その意味は、老化の否定とも、成長の否定とも、いろいろに解釈できます。すると、言われたときにどう返答するかも、その意味しだいとなり、気をつけなければいけません。そこで、無難な対応として、同じように返すことをおすすめします。変わらないと言われたら、迷わず同じことを返しましょう。すると相手は、おせじにはおせじで、いやみにはいやみで返されたととりますので、どちらであっても自然なやり取りのかたちになります。三毛猫ホームズの駈落ち(赤川次郎作、角川書店)で、山波晴美にちっとも変わらないと言われた倉持医師が「お前もな」と返すように、即答でいきましょう。

変わらないといえば、東スポWebにきょう出た記事、安倍VSタモリはキツネとタヌキの化かし合いかによると、話題を呼んだおとといの「笑っていいとも!」への安倍首相の出演時に、「体形は変わらないですね。」という発言があったそうです。激やせ、激太りはよくさわがれますが、長く変わらずに保つのも、ほんとうは大変なのに、話題になりにくいところで、そこにあえて光をあてました。この記事に「相手に気を使っているのは安倍氏の側」とあるように、現役の総理大臣がタモリに配慮したかっこうです。そしてタモリは、こびず、あがらず、こわがらずに、いつものペースだったようです。この記事は、「在野精神の早大出身、しかも“王道”をいく中退という経歴のなせる業なのか。」と評します。ですが、早稲田のそういったたぐいのイメージは、もう過去のものかもしれません。zakzakにおととい出た記事、早慶合格者、高校別ランキングに大異変 開成圧倒首位 本郷大躍進 受験生の男女人気が逆転を読んで、年をとってしまった気持ちになりました。一方で、記事の最後にある「早大大学院出身の小保方晴子氏による論文コピペ騒動の影響も心配される名門。」、ここが不安要因です。少し前に、日本人の自己肯定感の記事の最後に触れたように、あのひとりのコピペから、残念なことに早稲田の体質的な問題がうたがわれつつあります。心理学関係では、mamepon2010というツイッターアカウントが、小保方騒動と自分のいじめ被害体験とから、稲門閥をこきおろしています。キャラ語尾にいらいらした方も、あの主張は誤りだと感じた方もいると思いますが、どうなのでしょうか。