生駒 忍

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人見知りと学会での「決まり文句」による失敗

きょう、スゴレンに、【ランキング】「私、人見知りなんです…」の本当の意味とは? 女性が初対面の男性に対して人見知りアピールをする心理ベスト3という記事が出ました。

人見知りアピールについては、内田理央が考えた理由の記事でも取りあげました。内田の二面性説は、今回の「ベスト3」には入らず、かわりに自己ハンディキャップ化的なものが、2位にきました。

1位は、「本当は男性のほうから積極的に話しかけてほしい」です。2位と3位にはつかない「本当は」の意味は、ほんとうは何でしょうか。「積極的な男性のほうがいい。」という、自分の価値観にあう相手を求める「いい」だけでなく、「男性に質問されたら答えるというスタンスがいいので」という、自分の価値観にあう自分を求める「いい」もふくめてあります。ですが、マイナビニュースにきょう出た記事、女性慣れしてない男性の特徴 -「質問ばっか」「急に誘う」「キスが下手」のようなこともあります。結局は、おなじみの決まり文句、米印の出番でしょうか。そういえば、科学者のためのポスターセッションガイド(P.J. Gosling著、丸善)は、学会発表でよくある失敗のひとつに、「決まり文句」を挙げました。

さらに、ランク外だったのだと思いますが、最後に「逆に「話しかけてこないでね」という防衛線で使っている場合もある」と書きたされます。これは、内田説にもなかったものです。人見知りアピールには、さまざまな機能があるのです。

機能で思い出したのが、マイナビウーマンにきのう出た記事、20分前に頭が切り落とされたコブラに噛まれたシェフです。きのう出たときには「すぐに体の全ての昨日が停止してしまいます」とあったところについて、きょうのお昼ごろでしょうか、「昨日」から「機能」へと修正されました。

京都のいじめと心理学の資格で論争をする夢

きょう、マイナビウーマンに、あなたが持っている勝手な思い込みはどんなもの?「マイクを短く持つ人はナルシスト」という記事が出ました。

「変わった思い込みや偏見」をたずねて、163人から得られたものの、抜粋のようです。「変わった」がかかる先が片方か両方かはわかりませんが、だいたいのものはありがち、ありきたりだという意味では、それほど変わったものとは思えませんでした。

「北国育ちの人はみんな寒さに強い。」、これに関しては、ほんとうに寒いところでは、暖房や防寒が充実するので、本人はきたえられないのだという、逆のお話も聞きます。一方で、ぐずべり(清水博子作、講談社)には、南国の人が、氷点下になると寒さを寒さとして感じられないことがあるというお話がありますが、ほんとうでしょうか。

「大阪人は話に落ちがないと怒る。」、これは昔からあることでしょうか。一億総ツッコミ時代(槙田雄司著、星海社)が、「職場で、飲み会で、ネットで、友達との会話で、なんとなくバラエティ番組っぽさが求められる。なんとなくその場にオチをつけるように求められる空気がある。」と指摘するような、比較的新しい、しかも全国で見られる現象と地続きのようにも思えます。しかも、その本が指摘する「「面白い人でいたい」病」そのものではなく、この「病」が何かの防衛機制のように主格転倒して、なぜ相手がおもしろい人としてふるまわないのかと不満になる側面もありそうです。

「大阪人はみんな値切る。」、方言でぬるりと押してくるようすが目にうかびます。ふと、BLOGOSにおととい出てアクセスを集めつづける記事、低リテラシーの人がとってしまう行動と周囲に及ぼす悪影響についてにある迷惑行為、「ネットショップなのに値切る・・・www」を思い出しました。

ほかに、大阪に関しては「大阪人は、みんなお好み焼きとたこ焼きが作れる。」がありますが、「中でも大阪や大阪の人に対する回答が一番多く寄せられました。」とある中でも、また大阪か、というフレーズでおなじみの、犯罪がらみのものは、ここには出ませんでした。ワーストを脱却できたからだと思った人は、MSN産経ニュースの記事、街頭犯罪ワースト1返上は虚偽でした…大阪府警、8万事件計上せず 全65署で犯罪数過少報告を確認してください。だからといって、AOLニュースにきょう出た記事、あるユーザーが見舞われた「あまりに無慈悲な自転車泥棒の犯行」に同情者続出が、三ノ宮での盗難事件を「大阪府三宮 で被害にあった」と書き、隣県の犯罪をおしつけてしまうのは、ひきょうなやり方にも見えます。

「京都人には裏表がある。」、もちろん茶道のことではないでしょう。向き合う力(池上季実子著、講談社)に、卒業するまでえげつないいじめをあびつづけて、最後の最後に告げられたねらわれた理由は「おまえな、京都におるのに標準語でしゃべるからや」で、それでもせめて大阪ならこうはならなかったとあったのを思い出しました。

「九州の男は、みんな九州男児で男らしい。」、どうも同語反復のような印象の文です。ここも犯罪の話題はなく、福岡市職員の飲酒運転の記事でも触れた「修羅の国」の登場はありませんでした。

「沖縄人は時間にルーズ。」の次の例は「中国人は時間にルーズ。」で、ここから国の話題に入り、その次は血液型、最後はその他です。職業ものもいろいろとあるのではと思いましたが、「政治家は選挙のことしか考えていない。」だけでした。差別を思わせる話題になるおそれのため、「上」と思われる政治家以外の思いこみは、あつかいにくかったのかもしれません。

職業の思いこみで思い出したのが、三沢文也という人のブログにきょう出た記事、心理の専門家になっても、立つものも立たねーんだよ!です。多少知っている人は、あるいは知らない人でも、その4日前の2014年8月記事まとめ~ブログの方向性をいろいろ考えた月~を見れば、あのブログには反応しなくてよいと感じると思いますが、私は資格に関するお仕事もしていて、「変わった思い込みや偏見」も困りますので、少し触れます。一家言を、しかも立てるという表現が古風なことや、先ほどの一億総ツッコミ時代の「「〇〇について、そろそろひとこと言っとくか」こんなフレーズをネットで見かけます。」を思わせるところも、興味を持つきっかけとしては別にかまわないでしょう。「ゆくゆくは資格なんかも取り、はてな発の精神科医「シロクマ先生」と心理学バトルをやるんだ…。」も、ユニークな夢です。ですが、「資格なんか」と安く言いながらも、その資格へのお金の期待、楽をできる期待がずいぶんと強かったようです。臨床心理士の、質や社会的信頼を高めるための運用は、「5年毎に研修を受けたり、本を出版するなどしないと更新できない維持が大変手間な資格」と理解されます。「最近は行政や社会情勢の都合で設置したがってるから」の主語や目的語が何なのか、私にはよくわかりませんが、少なくとも国家資格が新設されただけで、収入で熊代亨とバトルできることはないだろうと思います。日本中くまなく職場があり、とにかく求人があり、しかも正規雇用が豊富で、国や市町村からたくさんのお金が回っていて、お客が増えつづけることが明らかで、すでに歴史も知名度もある国家資格、介護福祉士を見てください。

つり革にはさわらない若者と無意識的剽窃

きょう、しらべぇに、20代の19.7%が電車でつり革を触らないことが判明!「若者のつり革離れ」兆候かという記事が出ました。八木彩香という人による、ネット調査結果の報告です。

「誰が触ったかわからない手すりやつり革を掴むのはちょっと汚いかも…と感じたことがある人もいるでしょう…。」、脳内に直接話しかける書き方のようだと思った人もいるでしょう。そういえば、一時はずいぶんとはやった、三点リーダをふんだんに用いるあの表現法は、聖☆おにいさん 2(中村光作、講談社)からとられたとされがちですが、もっとさかのぼる見方も多くあります。たとえば、【再編】「きこえますか…」の元ネタはドラゴンボールかも!?は、ドラゴンボール 完全版 22(鳥山明作、集英社)に近い場面を見いだします。そして、その後に現れた類似のものには、「人気マンガで見たことある言い回しをマンガで見たと忘れたまま使ったのだろう…たぶん」と解釈します。つまり、認知心理学の新展開 言語と記憶(川﨑惠里子編、ナカニシヤ出版)でも取りあげた無意識的剽窃です。また、図解臨床ガイド トラウマと解離症状の治療 EMDRを活用した新しい自我状態療法(S. ポールセン著、東京書籍)で、Healing the Divided Self: Clinical and Ericksonian Hypnotherapy for Post-Traumatic and Dissociative Conditions(M. Phillips・C. Frederick著、W. W. Norton & Company)にあるとして、そこに直接につながる実体験と合わせて紹介された「埋蔵記憶の健忘」も、同じようなものです。

電車内でつかまるところとしては、つり革のほかに、手すりもあります。手すりでも、同じような割合や、きれいな世代差が出るでしょうか。そういえば、心理の技法大全(おもしろ心理学会編、青春出版社)は、手すりをはなさない人と、つり革につかまりたがる人との、性格の大きな違いを指摘していました。

鈴木杏のインタビューと火気厳禁ステッカー

きょう、チケットぴあのウェブサイトに、ナイロン初出演で鈴木杏が見せる新たな顔とは!?という記事が出ました。

ぴあでチケット販売中の舞台に関連しての、鈴木杏へのインタビューが中心です。ですが、舞台の内容については、ほとんど語られません。あの作者なので心配はしていませんが、秘密主義で期待をあおっておいて、ふたを開けたらあの評判で、だから秘密主義にこだわったのかと、別の理由で納得された大日本人(松本人志監督)を思い出してしまいました。

「勉強し過ぎだからと、蜷川(幸雄)さんから観劇禁止令も出たくらい(笑)。」だそうです。失敗した人ほど上手になれる料理の本(小林まさみ著、文化出版局)は、「調味料のそろえすぎは失敗のもと」としますが、すればするほどよいはずの勉強の、行きすぎを止められるとは、相当な勉強家です。ですが、禁じられるとかえってということもあるでしょう。心理学の用語のように思われていて、教科書にはまず出てこない「カリギュラ効果」になるでしょうか。音楽を愛でるサル なぜヒトだけが愉しめるのか(正高信男著、中央公論新社)の、反応制限説を思わせる「ポケモン実験」の結果もそういうものでしたし、Coma, Period. Episode 2も、そこでシンプルに笑いをとります。

そういえば、きょうの毎日新聞朝刊のアサッテ君の1こま目は、「火気厳禁」でした。あれを表示するステッカーの起源は、ご存じでしょうか。大化社のウェブサイトには、「ガソリンスタンドには必ず貼ってある「火気厳禁」など4種の法定看板ステッカーは小社が開発しました.」とあります。おととい、その大化社のウェブサイトが、ひさしぶりに更新されました。火気厳禁のステッカーの紹介には、「50年の信用と実績:」と、「塗装職人さんたちの声に耳を傾け,貼りやすい現在の形になりました.」とが追記されました。

ですが、大化社という社名は、私のまわりの、ステッカーにもスーパーブラストシステムにも興味がない人にも、意外になじみがあるはずです。日本認知科学会の活動に、ここの所属の方が、かなり力を発揮しているためです。教育機関とも学術研究機関とも思えない所属自体は、そうめずらしいものではありませんが、学会の重要な位置にというのはあまりなく、目だちやすいのです。ほかに、私が入っている学会で思いつくところとしては、日本子ども学会の木下編集事務所などもあります。

裸の地域交流イベントと知的障害者による暴行

きょう、ヨミドクターに、心身障害者と入浴イベント…裸の交流「壁」取り払うという記事が出ました。

読んだこちらのこころまであたたまりそうな話題です。また、銭湯には、Business Journalに半年前に出た記事、銭湯、客数減でもなぜ潰れない?多額補助金、水道料金実質無料、税金免除…のような疑問点も知られるようになってきましたが、よい側面のアピールにもなりそうです。一方で、これを書いた岩永直子という記者の書き方には、やや気になるところがあります。

「街中の銭湯に障害者と出かけ、地域の人と同じ湯船につかればみんな仲間。」なのだそうですが、この「みんな」の範囲が、よくわかりません。障害者と出かけた人どうしが、湯船につかった時点で仲間になるのでしょうか。出かけた人がつかった時点から、地域の人までも仲間になるのでしょうか。「心身障害がある人の着替えを仲間が手伝い、まずは背中を流す。」とありますが、ここの「仲間」は、以前のある時点での入浴ですでに仲間になった人で、仲間は増えていく一方なのでしょうか。一方で、男は死ぬまで働きなさい(川北義則著、廣済堂出版)に登場する「僕、お風呂に入れないんです。」のような人は、仲間にはなれなさそうですが、あの人の場合は自業自得と言われそうです。

場所は、「創業約50年の老舗銭湯」だそうです。一方で、日本全国銭湯紀行は、この光明温泉を、「1983年にナニワ工務店によって改築された比較的新しい銭湯で、露天風呂やスチームサウナなど各種設備が揃っている。」とします。もちろん、どちらも事実なのだと思いますが、かなり印象が違ってきます。

「「障害を持つ人が気持ちいい顔でつかっているのを見たら、こっちまで気持ちよくなったよ。いつもより人が多いなと思うぐらいで気にならない。大歓迎だ」と語る。」とありますが、これは誰の発言でしょうか。「近所に住む藤岡雅史さん(61)夫妻」が、そろってこのとおりに発話したのでしょうか。この夫妻を含めて、登場人物の誰もが標準語で話しているのも、尼崎の人が読むと、取材に出ずに書いたようなうそくさい記事に見えるかもしれません。ふと、最近やや蒸しかえされぎみな、朝日新聞の新党日本に関する捏造事件を思い出しました。

「元舞台俳優だった清田さんのオリジナル脚本」とあるのも、ふしぎな表現です。「元」を取るか、「元は」にするか、あるいは「の」が続くことをがまんして、「元舞台俳優の」にするかが、より自然であるように思います。

最後に、イベント企画者の紹介がつきます。「「重い障害を持つ人が地域に住めば、誰にとっても住みやすい町になる」を合言葉に、おふろプロジェクトなど地域の人を巻き込むイベントを数多く開催している。」とのことです。合いことばは、バリアフリーというより、ユニバーサルデザインの思想に近いものです。また、重症心身障害に焦点化したところが、ひとつのポイントかもしれません。障害者の個性によっては、住みやすさどころではなく、地域で悲惨な被害を出して、しかもセカンドレイプではありませんが、そこに「障害」が持ちだされることで、さらに被害者側が苦しむことがあります。GIRL'S TALKできのうから大変に盛りあがっている自制出来ない知的障害者は、出歩かないで欲しいです。や、きょう派生した今知的障害者が雑貨屋で暴れたというトピが上がってますね。の「私の娘は知的障害者の方に暴行されました。相手は知的障害者と言うことで罪にもならずにむしろ娘が攻められました。」のようなことも、合わせて考えたいものです。