生駒 忍

記事一覧

健心26回大会発表申込締切再延長のその後

日本健康心理学会第26回大会の発表申込は、当初の発表では先月10日の締切ということになっていましたが、直前に10日延ばして20日となりました。それが今度は3週間延びて、今月10日となりました。

大会サイトのトップページやWeb申込のページを見ると、時間も決まっていて、きょうの13時までとあります。一方で、参加・発表申込の方法のページでは、6月10日へと延びたことが、3回にわたり赤い文字で書かれていますが、どこにも時間の表示はありません。そのため、13時ちょうどか、少し過ぎたくらいで締め切って、日付が変わるまでだいじょうぶだと思っていた人とトラブルになるのではと、少し心配でした。結果的には、まだ大会参加・発表・会員企画シンポジウム登録画面から入れるようなので、13時に閉めると信じて急いだ人からは不満が出るかもしれませんが、そういうことにはならなそうです。

被保護者調査における大阪府の範囲

きょう、msn産経ニュースに、「することはセックスだけ。そうすれば大金が手に入る」米国よお前もか…生活保護を食い荒らす低所得者層の実態という記事が出ました。このどぎついタイトルの影響も大きいと思いますが、かなりアクセスを集めているようです。

その記事の3ページ目に、ことし2月現在で生活保護をうけている人の数として、215万5218人という数値が出てきます。調査データの出典は、被保護者調査(月別概要:平成25年2月分概数)であると思われますので、これはこの時に実際にうけていた人だけではなく、保護停止中の人までふくめた数値です。また、「都道府県・政令市別では、東京都が29万720人で最も多く、大阪市15万2321人、大阪府8万7763人が続く。」とあって、大阪府よりも大阪市のほうが人数が多いことに、おかしいと感じた人も多いでしょう。これは、被保護者調査の都道府県統計表のまとめ方に由来します。記事には「都道府県・政令市別」とありますが、この調査で都道府県の数値として出ているのは、政令指定都市と中核市とを除いたものです。ですから、大阪府のうち、政令指定都市の大阪市と堺市、中核市の高槻市、東大阪市、豊中市を除いた、残りの地域での合計が、「大阪府8万7763人」になります。その5市をふくむ大阪府での全数を求めると、30万3662人になり、1位であるように書かれていた東京都を上まわります。

ちなみに、記事のはじめのほうで紹介されているビデオクリップは、キャプチャ画像の出典が「You Tubeから」となっていますが、YouTubeにアップされているChapter Jackson - It's Free Swipe Yo EBTです。歌っているのは「チャプターという黒人女性歌手」とありますが、Chapter Jacksonという人です。

カウンセリング学会46回大会発表申込締切

日本カウンセリング学会第46回大会の発表申込が、受付終了となりました。ポスター発表も、口頭での事例発表も、同様です。

今回は、先月中にはもう締め切られている予定だったものを、きょうの正午までということで延ばしていました。そして、ユニークなのは、論文投稿システムのほうに、「原稿投稿は2013/06/07 16:00をもって締め切られました。」という情報が、はっきりと出されたことです。締切予定時刻と同時に閉めることは、この世界ではまずありませんが、実際にはいつまで開けていたのかを明らかにすることも、あまりありません。もちろん、ここに書かれたからといって、16時ぴったりに閉めたという保証はありませんが、約束していたあるべき時間と現実との不一致を開示したことには、誠実な印象をうけます。

37回神経心理学会総会の発表申込再々延長

第37回日本神経心理学会総会は、第16回認知神経心理学研究会の直前に、同じく札幌で開催されます。大会サイトのトップページでは、利尻富士の鳥瞰画像が注意をひきますが、そこが会場ではありません。大会テーマが「島 -insula- をめぐる神経心理学」であることを連想させるための「島」なのでしょうか。

一般演題の申込について、当初は5月15日締切と発表されていましたが、直前に22日に延びて、次に29日に延びて、その次は月をまたいで、今月3日となりました。異例の再々延長ですが、今度こそこれが最後だと思います。正午までということになっていますので、これからの方は気をつけてください。

『月刊ケアマネジメント』の校正の甘さ

きのうの記事で、月刊ケアマネジメントについて、いつも校正が甘いというようなことを書きました。この雑誌は、各号の特集の冒頭2ページをPDFで公開していますので、そこを取りあげて、実例をならべてみることにします。

最新号、2013年6月号から見ていきます。特集は「使ってみよう 定期巡回・随時対応サービス」、PDFはこちらです。架空と思われる対談の当事者、オシャベ・リンダを紹介する丸がこみの中に、「ケアマネジャー暦」と誤字があります。また、対談相手の名前は「マジメダ・ゾウスケ」という設定なのですが、それを「マジメダ・ゾウ」に、少しだけ縮めてしまっています。Daniel SchacterをDan Schacterと呼ぶような、親しさの出る表現のつもりなのでしょうか。

2013年5月号、特集は「最新! イチから学ぶ障害福祉制度」で、PDFはこちらです。障害者総合支援法について、「施行は今年・来年の二段階。」「施行は今年4月と来年4月の2段階で実施されます。」という数字表記のゆれがあります。そして、「施行のスケジュール」という表に、きのうの記事で触れた、2万年以上先という気の遠くなるミスがあります。

2013年4月号、特集は「若葉マークのケアマネさんへ 押さえておきたい法令集」で、PDFはこちらです。かこみの中に「ここを読め!」というかこみがあり、「厚生省令第37号第24条の2」というものが提示されていますが、このとおりに覚えてはいけません。まず、省令の法令番号は、年が替わるとまた1から始まるものですので、「厚生省令第37号」という呼び方では、一意に定まりません。11年厚生省令37号、つまり指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準のほかに、生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律施行規則厚生年金保険法施行規則、そして死体解剖保存法施行規則、すべて37号の厚生省令です。さらに、11年のものだとしても、そこに「第24条の2」は存在しません。引用内容からすると、24条2項を指したかったのだと思われます。

2013年3月号、特集は「できるが広がる! リハビリの視点に学ぶ」で、PDFはこちらです。匿名の作業療法士の発言の中に、「そういう成功体験がケアマネ自身にもないのではないのではないでしょうか」とあり、本人が話したとおりに起こしたのかもしれませんが、手を入れたほうがよかったように思います。

2013年2月号、特集は「もしかして栄養失調?」で、PDFはこちらです。nが落ちて、"PEM (Protein-Energy Malutrition)"となっています。また、介護予防のための基本チェックリストに血清アルブミン値の基準が入っているように書かれていますが、本文中に「血液検査で分かる」とあるように、チェックリストには入るはずのない項目です。地域支援事業の実施についての別添2を見れば、ないことが確認できますし、別添3を見れば、この誤りの原因が見えます。BMIの定義式が、その表でも本文でも「体重(kg)÷身長(m)の二乗」と書かれていて、2乗するタイミングを誤解しやすい書き方なのも気になりますし、「家でカップ麺やお菓子ばかりを食べていた、と、在宅の低栄養状態って意外と見過ごされているようです。」というわかりにくい表現も、見すごされているようです。

2013年1月号、特集は「今年こそ“発表”デビュー!」で、PDFはこちらです。大川絵理・宮田雅子の研究発表に関して、「オムツやパットに出す回数を減らし」とありますが、よくある誤記で、「パッド」のことでしょう。日本語版ウィキペディアでパットを見ると、ゴルフのパットの単独記事ではないのですが、そこには「パッドの誤り」ともあります。また、都丸昭唯・宇津木忠の研究発表に関して、「抄録集の作成は宇津木さんが担当」とありますが、大会運営側ではなく単なる発表者でしょうから、抄録集を作るはずはなく、抄録集にのせる自分たちの原稿しか作っていないと思います。PDFの最後には、都丸の「発表の経験を与えてくださった職場や、仲間に感謝しています。」という発言がありますが、発表の機会を与える、発表の経験を積むといった表現はありますが、発表の経験を与えるという表現はなじみがありません。これも、本人が話したとおりに起こしたのかもしれませんが、手を入れたほうがよかったように思います。