きょう、マイナビウーマンに、あなたが持っている勝手な思い込みはどんなもの?「マイクを短く持つ人はナルシスト」という記事が出ました。
「変わった思い込みや偏見」をたずねて、163人から得られたものの、抜粋のようです。「変わった」がかかる先が片方か両方かはわかりませんが、だいたいのものはありがち、ありきたりだという意味では、それほど変わったものとは思えませんでした。
「北国育ちの人はみんな寒さに強い。」、これに関しては、ほんとうに寒いところでは、暖房や防寒が充実するので、本人はきたえられないのだという、逆のお話も聞きます。一方で、ぐずべり(清水博子作、講談社)には、南国の人が、氷点下になると寒さを寒さとして感じられないことがあるというお話がありますが、ほんとうでしょうか。
「大阪人は話に落ちがないと怒る。」、これは昔からあることでしょうか。一億総ツッコミ時代(槙田雄司著、星海社)が、「職場で、飲み会で、ネットで、友達との会話で、なんとなくバラエティ番組っぽさが求められる。なんとなくその場にオチをつけるように求められる空気がある。」と指摘するような、比較的新しい、しかも全国で見られる現象と地続きのようにも思えます。しかも、その本が指摘する「「面白い人でいたい」病」そのものではなく、この「病」が何かの防衛機制のように主格転倒して、なぜ相手がおもしろい人としてふるまわないのかと不満になる側面もありそうです。
「大阪人はみんな値切る。」、方言でぬるりと押してくるようすが目にうかびます。ふと、BLOGOSにおととい出てアクセスを集めつづける記事、低リテラシーの人がとってしまう行動と周囲に及ぼす悪影響についてにある迷惑行為、「ネットショップなのに値切る・・・www」を思い出しました。
ほかに、大阪に関しては「大阪人は、みんなお好み焼きとたこ焼きが作れる。」がありますが、「中でも大阪や大阪の人に対する回答が一番多く寄せられました。」とある中でも、また大阪か、というフレーズでおなじみの、犯罪がらみのものは、ここには出ませんでした。ワーストを脱却できたからだと思った人は、MSN産経ニュースの記事、街頭犯罪ワースト1返上は虚偽でした…大阪府警、8万事件計上せず 全65署で犯罪数過少報告を確認してください。だからといって、AOLニュースにきょう出た記事、あるユーザーが見舞われた「あまりに無慈悲な自転車泥棒の犯行」に同情者続出が、三ノ宮での盗難事件を「大阪府三宮 で被害にあった」と書き、隣県の犯罪をおしつけてしまうのは、ひきょうなやり方にも見えます。
「京都人には裏表がある。」、もちろん茶道のことではないでしょう。向き合う力(池上季実子著、講談社)に、卒業するまでえげつないいじめをあびつづけて、最後の最後に告げられたねらわれた理由は「おまえな、京都におるのに標準語でしゃべるからや」で、それでもせめて大阪ならこうはならなかったとあったのを思い出しました。
「九州の男は、みんな九州男児で男らしい。」、どうも同語反復のような印象の文です。ここも犯罪の話題はなく、福岡市職員の飲酒運転の記事でも触れた「修羅の国」の登場はありませんでした。
「沖縄人は時間にルーズ。」の次の例は「中国人は時間にルーズ。」で、ここから国の話題に入り、その次は血液型、最後はその他です。職業ものもいろいろとあるのではと思いましたが、「政治家は選挙のことしか考えていない。」だけでした。差別を思わせる話題になるおそれのため、「上」と思われる政治家以外の思いこみは、あつかいにくかったのかもしれません。
職業の思いこみで思い出したのが、三沢文也という人のブログにきょう出た記事、心理の専門家になっても、立つものも立たねーんだよ!です。多少知っている人は、あるいは知らない人でも、その4日前の2014年8月記事まとめ~ブログの方向性をいろいろ考えた月~を見れば、あのブログには反応しなくてよいと感じると思いますが、私は資格に関するお仕事もしていて、「変わった思い込みや偏見」も困りますので、少し触れます。一家言を、しかも立てるという表現が古風なことや、先ほどの一億総ツッコミ時代の「「〇〇について、そろそろひとこと言っとくか」こんなフレーズをネットで見かけます。」を思わせるところも、興味を持つきっかけとしては別にかまわないでしょう。「ゆくゆくは資格なんかも取り、はてな発の精神科医「シロクマ先生」と心理学バトルをやるんだ…。」も、ユニークな夢です。ですが、「資格なんか」と安く言いながらも、その資格へのお金の期待、楽をできる期待がずいぶんと強かったようです。臨床心理士の、質や社会的信頼を高めるための運用は、「5年毎に研修を受けたり、本を出版するなどしないと更新できない維持が大変手間な資格」と理解されます。「最近は行政や社会情勢の都合で設置したがってるから」の主語や目的語が何なのか、私にはよくわかりませんが、少なくとも国家資格が新設されただけで、収入で熊代亨とバトルできることはないだろうと思います。日本中くまなく職場があり、とにかく求人があり、しかも正規雇用が豊富で、国や市町村からたくさんのお金が回っていて、お客が増えつづけることが明らかで、すでに歴史も知名度もある国家資格、介護福祉士を見てください。