生駒 忍

記事一覧

危険なバンジージャンプをする人とその心理

きょう、Yahoo!知恵袋に、バンジージャンプやスカイダイビングなど下手をすれば命を落とすような危険な事を...という質問記事が出ました。

特性論、ディメンジョナルな人間のとらえ方のほうが、より科学的ではあっても、人間自身は類型論、カテゴリカルな理解をしがちです。この質問も、そういう危険行為を起こす特性ではなく、そういうことを好む人々をくくって、ほかと切りわけるためのタイプ名を求めるものです。「刺激希求性の高い人」ではおそらく、この質問者の期待からははずれそうです。自傷行為の理解と援助 「故意に自分の健康を害する」若者たち(松本俊彦著、日本評論社)は、Amazon.co.jpでたいへん評価が高い本ですが、あのDSHのお話も近いようでいて、やはりずれるでしょう。

あえて危険に手を出すことをめぐっては、心理学でも古くから説明がこころみられてきました。解釈として便利なのは、後期フロイトの「死の欲動」でしょう。一方で、安易に内生的なものを仮定することを好まない行動主義では、ややややこしい問題となったところです。生体への強い刺激を低減するものが強化力を持つと考える動因低減説は、この分野の重要な理論のひとつですが、この危険行動の問題にはうまく対応しません。心理学検定基本キーワード(日本心理学諸学会連合心理学検定局編、実務教育出版)は、ちょうどこのバンジーを例にして、「しかし、バンジージャンプのような強い刺激も強化力を持つ場合があるので、刺激の低減だけで強化を説明することはできない。」とします。

わからずに精神保健福祉士になりたい中学生

きょう、OKWaveに、精神保健福祉士になりたい!という質問記事が出ました。質問者は中学生で、おとな風のあいさつから入り、お金も気にしつつの初々しい質問内容、そして「質問の確認」で締めるつくりです。

何をすることになるのかが具体的にわからなくても、それをしたいという気持ちは、りくつでは変かもしれません。以前に書いた、起業はしたいが起業してやりたいことが見えない若者の記事を思い出しました。ですが、この若さですし、あってよいと思います。市が弁論を目にとめたことが最初のきっかけでも、後に本人がよかったと思えれば、まったくかまわないと思います。皆さんが、いまの道にすすむことになった最初のきっかけは、何だったでしょうか。

これから考えが変わる可能性は当然ありますが、まずはその道を意識して、がんばりはじめてよいと思います。イズってヤツは。(出岡美咲著、宝島社)には、「なりたい未来の自分があるなら、なれるような努力をしなきゃ。」とあります。強く思うと「引きよせ」が起こると信じる方もいるとは思いますが、思いだけでなく、行動で努力をつむのが、順当なやり方でしょう。もちろん、精神保健福祉士など、受かるだけならかんたんかもしれませんが、だからといって、就活のコノヤロー ネット就活の限界。その先は?(石渡嶺司著、光文社)に登場する、やればできるとなめた態度の「あまちゃん大二病」になってしまうと、試験は合格しても、人間的には失格だといやがる人もいそうです。ぜひ、なりたい自分に向かって、少しずつでかまいませんので、がんばってください。

昔から変わらない人と早稲田批判アカウント

きょう、ジネコに、「当時と変わってない」って?という質問記事が出ました。同窓会で友人が言われたことばが、幼稚だという意味かどうかが引っかかったようです。

文藝春秋 2014年4月号(文藝春秋)で養老孟司が書いたように、同じ人間でも、物質的には入れかわりつづけます。一方で、これが回りつづけることで、まるで赤の女王のように、同じままでいることができます。ですが、いつまでもまったく同じではいられないわけで、これが老化です。

この記事にあるように、変わらないと言われても、その意味は、老化の否定とも、成長の否定とも、いろいろに解釈できます。すると、言われたときにどう返答するかも、その意味しだいとなり、気をつけなければいけません。そこで、無難な対応として、同じように返すことをおすすめします。変わらないと言われたら、迷わず同じことを返しましょう。すると相手は、おせじにはおせじで、いやみにはいやみで返されたととりますので、どちらであっても自然なやり取りのかたちになります。三毛猫ホームズの駈落ち(赤川次郎作、角川書店)で、山波晴美にちっとも変わらないと言われた倉持医師が「お前もな」と返すように、即答でいきましょう。

変わらないといえば、東スポWebにきょう出た記事、安倍VSタモリはキツネとタヌキの化かし合いかによると、話題を呼んだおとといの「笑っていいとも!」への安倍首相の出演時に、「体形は変わらないですね。」という発言があったそうです。激やせ、激太りはよくさわがれますが、長く変わらずに保つのも、ほんとうは大変なのに、話題になりにくいところで、そこにあえて光をあてました。この記事に「相手に気を使っているのは安倍氏の側」とあるように、現役の総理大臣がタモリに配慮したかっこうです。そしてタモリは、こびず、あがらず、こわがらずに、いつものペースだったようです。この記事は、「在野精神の早大出身、しかも“王道”をいく中退という経歴のなせる業なのか。」と評します。ですが、早稲田のそういったたぐいのイメージは、もう過去のものかもしれません。zakzakにおととい出た記事、早慶合格者、高校別ランキングに大異変 開成圧倒首位 本郷大躍進 受験生の男女人気が逆転を読んで、年をとってしまった気持ちになりました。一方で、記事の最後にある「早大大学院出身の小保方晴子氏による論文コピペ騒動の影響も心配される名門。」、ここが不安要因です。少し前に、日本人の自己肯定感の記事の最後に触れたように、あのひとりのコピペから、残念なことに早稲田の体質的な問題がうたがわれつつあります。心理学関係では、mamepon2010というツイッターアカウントが、小保方騒動と自分のいじめ被害体験とから、稲門閥をこきおろしています。キャラ語尾にいらいらした方も、あの主張は誤りだと感じた方もいると思いますが、どうなのでしょうか。

左右色ちがいの顔の絵をかく心理と犯行時刻

きょう、Yahoo!知恵袋に、児童心理に詳しい方お願いします。 この絵を6歳の息子が描きました。心理的判断と...という質問記事が出ました。子どもの絵の画像を示して、描画アセスメントのようなものを求めています。

いろいろな回答がならぶ中で、今のところの範囲では、最初のものが私の考えに一番近く、6番目、これは現在の最後の回答ですが、これが一番遠いです。絵から発達の水準はある程度読みとれますが、それ以上のことは、いきなり絵だけ見せられたのでは答えにくいです。心理学はその程度なのかと、残念に思われそうですが、サイコメトリーのように、そこにあるものひとつからくっきり見えることは、なかなかありません。心理テストはウソでした(村上宣寛著、講談社)に登場する、名の知れた臨床家3名によるロールシャッハ解釈ショーの残念な展開を思い出してください。質問サイトに山ほどある、こんな返事がきました、こんな態度をとってきます、これは脈ありですか、脈なしですか、といった2択であっても、心理学者ならそれ以外の人よりも当てられるとは、とても言えません。

ですので、以下は絵の解釈ではなく、単なる連想です。顔の左右が別の色といえば、やはりVenus's Page - Amazing Chimera catが有名でしょう。イヌでは、更新がとまって久しいGagDonkeyの記事、Bi-Color Pugがあります。甲殻類でもときどき起こることで、中でもGeekologieに昨年出た記事、1-In-50-Million Bi-Colored Blue And Red Lobsterのインパクトは強烈です。ではヒトではどうかと思った方は、調べてみてください。なお、アンドロイドでしたら、まもなく完全版でよみがえる人造人間キカイダー(石ノ森章太郎作、復刊ドットコム)があります。

さて、ですので前に書いたとおり、これはむずかしい質問です。「児童心理に詳しい方」でも、くわしく答えるのは苦しいです。

くわしいといえば、きのうの記事で取りあげた図書館カレー投げいれ事件について、スポーツ報知のウェブサイトにきょう出た記事、返却BOXにカレー また受難、図書館は辛いよが、カレーをかけたので「からい」と「つらい」とをかけたタイトルなのも楽しいですが、よりくわしい情報を明らかにしました。昨年末にもあったので今回で5件目として、これまでの被害状況や、被害届提出の経緯など、日経やmsn産経の記事にはなかった情報が盛りこまれました。また、「カレーライスはコンビニエンスストアなどで販売されているプラスチック製の容器に入っており、ルーだけではなくライスも盛られていた。」との説明も、ずいぶんと具体的です。

ですが、スポーツ報知の記事には、きのう紹介した記事との不一致もあります。ひとつは、犯行時刻です。「2月28日午前10時30分ごろ、東京都荒川区の区立日暮里図書館で、出入り口に設置された貸出書籍の返却ボックスにカレーライスを投げ込み、書籍6を汚損させた疑い」「現場の警戒に当たっていた署員が28日朝、カレーライスを手に現れ、ボックスに投げ込んだ兼行容疑者を逮捕」、これはほかの報道での時刻よりも、半日以上早いものです。昼か夜か、まったく別ですので、少なくともどちらかは、うその報道のはずで、どこかで白黒をつけてほしいところです。

もうひとつは、容疑者の氏名表記に使った漢字で、スポーツ報知では「龍」ではなく、「竜」です。こちらは、見かけのかたちはまったく別でも、さほど重要なことではないと思う人も多いでしょう。ですが、エピソードでつかむ青年心理学(大野久編、ミネルヴァ書房)には「姓名はその人全体を表す」とありますし、名前はアイデンティティと深くかかわることがありますので、どちらかの字を氏名にふくむ人などで、どちらでも大差ないと雑にあつかわれるのは許せない、決着をつけたいと思う人もいるかもしれません。それでも、STAR TREK 宇宙大作戦 シーズン3の、顔のどちら側の半分が白で、どちら側が黒かで対立し、文字どおり最後まで争いつづける後味の悪いエピソード、「惑星セロンの対立」のようにはならないことを願いたいところです。

組織心理学者は給料をいくらもらえますか

きょう、OKWaveに、組織心理学という質問記事が立ちました。「組織心理学者の給料」に関して知りたいそうです。

心理学の授業をとる中でこれを調べる必要が生じたようなのですが、この時期ですので期末レポート課題だと思います。期末試験が不調だった場合の、救済用の追加課題かもしれません。いずれにしても、ずいぶんと奇抜な課題設定のように思います。心理学の担当教員が、心理学の学問内容ではなく心理学者がもらう給与を、しかも組織心理学の領域を指定して、調べてくるようにと指示するのは想像しにくいです。自分である程度テーマを選べる課題に対して、このニッチなところを書くことに決めたと考えるべきでしょうか。ふと、大学生の発達障害(佐々木正美・梅永雄二監修、講談社)に出てくる、場になじまず浮くテーマを選んでほかの学生と衝突する展開を思い出しました。