味覚嫌悪条件づけ研究の発端となった、Garcia, J.らによる論文を示しておきます。
Conditioned Aversion to Saccharin Resulting from Exposure to Gamma Radiation - Science
1、ガルシア効果という呼び方もされますが、Garcia, J.は、García Márquez, G.とは別人です。García Márquez, G.は、1982年にノーベル文学賞を得た、世界的な作家です。代表作の百年の孤独(新潮社)は、20世紀文学の最高傑作のひとつとされますし、そうされる作品の中でも、分量を考えなければ、失われた時を求めて(M. プルースト作、集英社)の次に読みやすい作品でしょう。重力の虹 上・下(T. ピンチョン作、新潮社)、ユリシーズ(J. ジョイス作、集英社)そしてフィネガンズ・ウェイク 1・2・3・4(J. ジョイス、河出書房新社)にくらべれば、明らかにハードルが低いと思います。
2、サッカリン溶液を用いた実験ではあるのですが、その新奇な味覚を条件刺激とする古典的条件づけとして解釈されました。
3が正解です。古典的条件づけの図式に乗せることができますが、間が数時間も空いてなお成立することは、Thorndike, E.L.以来の接近の法則の考え方とはなじみにくく、議論をよびました。しかも、直後の対提示にすると、この学習はむしろ成立しにくいようです。
4、最初の実験報告はSDラットで行われたものです。ヒトでは、同じように急性障害が出るほどガンマ線を当てる実験はできませんが、日常経験の質問紙調査や、抗がん剤の使用時などで、同様の現象が知られています。