知的障害に対しては、行政用語としては「精神薄弱」が用いられてきましたが、差別的なひびきや、誤解をさけるため、今日では使われません。また、DSM-5では、知的能力障害という和訳が当てられました。医学関係では精神遅滞と呼ぶものとほぼ同義ですが、心理学や教育、福祉関係では、この呼び方は好まれません。
1が正解です。身体障害者福祉法4条、精神保健福祉法5条のような定義は、知的障害者福祉法にはありません。前身となった精神薄弱者福祉法のころから、ずっとそうです。この点と、知的障害者を対象とした手帳制度が法律上の根拠をもたない自治事務である点とが、居住地によって手帳やそれに基づく優遇の可否が異なる不公平の背景にもなっています。
2、男性のほうがやや多いことが知られています。ちなみに、知的障害と重なりやすいてんかんや自閉スペクトラム症も、明らかに男性に多くみられます。
3、知的障害には、認知症のような、十分に獲得された知的能力の欠失は含めません。
4、これは学習障害、ないしはDSM-5でいう限局性学習症にあたります。知能指数で正常範囲であることを前提としますので、知的障害とは相互排反的な関係性をもちます。