出題解説

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問87 感覚障害を意識したバリアフリー

1、これは色覚特性によっては、とても見わけにくくなるおそれがあります。色相を固定して、彩度は高めで、明度を変えて使いわけるほうが見やすくなります。色なしでも理解可能な冗長性を持たせると、なおよいでしょう。国立遺伝学研究所のウェブサイトに置かれた、色盲の人にもわかるバリアフリープレゼンテーション法を示しておきます。図10~12だけでも見てください。

2、景観の価値を否定するわけではありませんが、点字ブロックは全盲のためだけのものではないので、視力に困難がある人にも見えやすくするのが、バリアフリー重視の方向性です。

3が正解です。聴覚障害があると、ベルの音を発する一般的なタイプの火災報知器では、気づかれないおそれがありますので、ほかのモダリティで届けるものが開発されています。

4、押しまちがいやいたずらがめいわくなのも事実ですが、子どもが使いにくいようにした時点で、バリアフリーとは言いにくい方向性ですし、そういう配置は、車いすに乗っての操作を困難にします。

問88 こころのバリアフリー宣言

こころのバリアフリー宣言は、一般的な知名度はいまいちかもしれませんが、第15回精神保健福祉士国家試験や、第101回看護師国家試験一般・状況設定問題などで出題されています。全8か条からなり、それぞれ別々の啓発ポスターがつくられていますので、示しておきます。

 こころのバリアフリー宣言 啓発ポスターダウンロード - 精神保健医療福祉の改革研究ページ

1、バリアフリー新法は、建物を対象としたハートビル法と、旅客施設を対象とした交通バリアフリー法とを統合してつくられました。物理的な移動を円滑にするためのものですので、この宣言とはねらいが異なります。

2、近年では地方消滅(増田寛也編、中央公論新社)が話題を集めるなど、高齢化と過疎化とのさらなる進行への関心や不安は高まっていますが、この宣言のねらいではありません。

3、Jung, C.G.は、人類すべてが共有する無意識として、集合的無意識の概念を提唱しましたが、この宣言には何の関係もありません。

4が正解です。副題を「精神疾患を正しく理解し、新しい一歩を踏み出すための指針」とし、疾患の理解と障害者への理解との、4条ずつからなります。

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