出題解説

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問27 セリエのストレス学説

1が正解です。ショック相と反ショック相とからなる警告反応期の後、抵抗期が続き、抗しきれなくなると疲憊期へ入ります。なお、最後の疲憊期は、exhaustion stageの訳ですが、「ひへいき」「ひろうき」などといった、勝手な読みを当てないようにしましょう。

2は3番目のみ、3は1番目のみ正しい位置で、4はすべて正しくない位置です。

問28 アレキシサイミア

1、アレキシサイミアは、Sifneos, P.E.が臨床経験から、心身症の患者に特徴的にみられる傾向として見いだしました。

2、a-lexi-thymiaと分割するとより語意がわかりやすくなるように、ギリシャ語からの造語です。想像性の貧困が特徴のひとつですが、これはイメージ能力における困難を意味します。自閉スペクトラムにおける、Wing, L.の「三つ組」の3番目は、想像力の障害とはいっても、想像力ということばの一般的なイメージとはかなり異なります。

3が正解です。統合失調症の陰性症状としてみられる感情鈍麻や、古典的なうつ病における気分反応性の欠如との区別に注意しましょう。なお、後者については、問51解説も参照してください。

4、感情の言語化や想像性に難があるため、精神分析などそれらが欠かせない技法が成立しにくくなります。

問29 心身症として現れる症状

初版では4も正解といえる出題ミスがありました。申し訳ありません。

心身症や自律神経失調症は、DSMには直接には置かれていないカテゴリですが、わが国では広く用いられている概念です。日本心身医学会による、「身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態」という定義が知られています。

1、外因性精神障害は、身体に原因があって精神に現れるものですが、心身症は逆で、精神から身体へ現れます。

2、古い用語では心因、日本心身医学会の定義にある心理社会的因子が対応する、ストレスとの関連の強さが特徴です。

3、正解です。なお、気管支ぜんそくは、修正感情体験の提唱者でもあるAlexander, F.の「7つの聖なる疾患」に含まれるように、成人の心身症としてもよくみられます。

4、一般に、うつ病のような古くから知られる精神疾患がもつ身体症状の範囲のみであれば、その疾患から分離して心身症としてとらえることはされません。

問30 副腎皮質ホルモンとストレス

分子構造では判断がつかなかった人も多いと思いますが、副腎皮質ホルモンの意味がわかれば解ける設問です。

1が正解です。いわゆるストレスホルモンとして、唾液からのストレス測定でもあつかわれます。

234は、副腎皮質から分泌されるはずはありませんので、いずれも副腎皮質ホルモンではありません。

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