出題解説

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問94 「こころの耳」事業

1、いのちの電話は、自殺防止を目的とした電話相談です。ほぼ各都道府県に対応するかたちで、社会福祉法人またはNPO法人があって、全国をカバーしています。

2が正解です。働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」として、ネット上からこころの健康に関する啓発を行っています。

3、なかまの会は、近畿地方で活動する自助グループです。パニック症を中心に、近年は社交不安症も対象に取りいれています。

4、「たましいのいえ」でしたら、第2世代つまりで、カントー地方に登場しました。

問95 精神障害者の雇用支援

1が正解です。精神障害者は、雇用率の算定対象になってはいますが、身体障害や知的障害とは異なり、雇用義務化はまだです。法改正はされましたが未施行で、2018(平成30)年に実現する予定です。

2平成25年度障害者雇用実態調査の結果を見ると、身体障害者では43万人を超えましたが、精神障害者では4万人台で、けた違いです。

3、なくても一定の条件の下で、受けることができます。高齢・障害・求職者雇用支援機構のサイトから、精神障害者総合雇用支援雇用支援施策の適用範囲のご案内を参照してください。

4、ジョブコーチには3種類があり、配置型ジョブコーチは地域障害者職業センターに配置されることから、この名があります。社会福祉法人等で就労支援にたずさわるのが第1号ジョブコーチ、障害者が雇用される企業の雇用を受けるのが第2号ジョブコーチです。

問96 産業カウンセリングとEAP

1が正解です。「職業指導の祖」と呼ばれるParsons, F.の職業相談活動は、特に産業カウンセリングの源流であると考えられています。

2、従業員支援プログラム(EAP)では、カウンセリング、ないしはカウンセリング的な支援は広く行われています。外部資源によるEAPには、多重関係をさけられる利点があります。

3、一般には同性のほうがよいでしょう。なお、現実として、カウンセラーには女性が多く、性的嫌がらせの被害をうったえるのも女性が多いという対応はあります。

4、障害者職業カウンセラーは、障害者職業センターに配置され、障害者の就業支援や雇用する側への助言などを行います。ピアである必要はありません。

問97 マクレガーのX理論とNEET

1、バーンアウトは、職務への献身的な努力を続けてきた人が、あるところで燃えつきたかのように無気力や虚無感におそわれる現象です。終わりが見えてくると課題への意欲が高まることは、終末努力と呼ばれます。

2、Super, D.E.の5段階の最後は、職業的活動からは距離をとり、余生へと適応していく、下降段階です。

3が正解です。McGregor, D.の著書、企業の人間的側面(産能大学出版部)は、「権限行使による命令統制のX理論」として、強いられないとはたらかないという人間観と、自己実現を目ざしてすすんではたらくととらえるY理論とを論じました。自己実現については、問65解説も参照してください。

4、失業者の定義とは異なり、就労意欲の有無は直接には問われません。また、若年層で大きな割合を占める学生は、意欲の有無に関係なく、NEETに含めません。ちなみに、わが国の統計でNEETとされる場合の、35歳未満という上限は、この概念の起源であるイギリスなど、海外の感覚から見るとかなり高いようです。

問98 企業内産業保健スタッフ

「労働者の心の健康の保持増進のための指針」は、2006(平成18)年に策定されました。労働者のメンタルヘルスの向上のための「4つのケア」の推進を求め、具体的方法や配慮などについて述べています。これを一般向けのリーフレットに反映させたものを示しておきます。

 職場におけるこころの健康づくり ~労働者の心の健康の保持増進のための指針~ - 厚生労働省

1、セルフケアは、本人自らが気づき、対処するものです。

2、ラインによるケアは、管理監督者が部下の状況を把握して行うものです。

3が正解です。衛生管理者は、常時50人以上を使用する事業場には、業種にかかわらず選任が必要です。

4、産業医もメンタルヘルスケアに重要ですが、嘱託であっても企業内産業保健スタッフに入ります。常時50人以上を使用する事業場に1名、3000人を超える場合は2名以上が必要です。なお、厚労省の第1回 事業場における産業保健活動の拡充に関する検討会の資料3-1には、3000人以上で2名以上になると書かれましたが、労働安全衛生規則13条3号とは一致せず、誤りです。

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