生駒 忍

記事一覧

個人情報と300円とが必要な奈良県介護講座

きょう、けあNewsに、奈良県、介護講座「介護保険制度の仕組み」を開催という記事が出ました。

内容は結局、記事の最後にリンクのある、奈良県の発表からのリライトです。「奈良県健康福祉部長寿社会課が講師となって説明」とあるのも、発表からのそのままです。それでも、ややニュアンスを変えたところもあります。受講の申し込みについては、「その際は、住所、氏名、電話番号を必ず連絡することとしている。」とあり、個人情報が必須であることが強調された印象です。また、「なお、参加する人は、資料代として300円徴収されるという。」、ここだけ距離をおいた表現で、お金をとられるネガティブな感じが出ています。こうなると、無記名のリライト記事であっても、その人が書いたものとしての何かがあらわれますし、創作性のある自分の著作物だという感じ方も強まるでしょう。予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」(D. アリエリー著、早川書房)にも登場する、イケア効果を思い出しました。イケアのようなお店にある組み立て式の家具は、誰が組み立てても同じになりますし、そうでないと困るのですが、自分で組み立てると愛着が出て、ぐっと価値のあるものに思えてくるのです。

認知心理学と行動心理学とをすすめる講演

きょう、岩手日報WebNewsに、ゲーム開発の世界を解説 盛岡で平林さんら講演会という記事が出ました。「盛岡広域振興局(杉原永康局長)の人材育成講座「特濃!ゲーム開発塾」の特別講演会は30日、盛岡市盛岡駅西通2丁目の盛岡地域交流センターで開かれた。」と、1文目からこなれない日本語ですが、きのう開催された講演会を取りあげたものです。

講演者のひとり、平林久和・インターラクト社長は、「「考える時、認知心理学と行動心理学の二つの心理学(の知見)を前提に考えてみてほしい」と勧めた。」そうです。この「行動心理学」は、少し前にうその見ぬき方の記事で触れた「行動心理学」とは、また別のもののように思えるのですが、どうでしょうか。聴講された方がいましたら、教えてもらえるとありがたいです。

写真は、ふつうの講演の光景ではあるのですが、右上に写りこんだ人名がとても注意をひいてしまっています。主役がきちんと主役でいられるように、より正面よりから撮ったり、スライドを背景に演者の上半身が入るアップにしたりといった配慮がほしかったところです。単に、フレームを少し左へずらしただけでも、勝間はずしはできますが、すると左上の空白がさらに広がって、バランスをそこなうでしょう。駿河台大学心理学研究科のウェブサイトにきょう出た記事、学位記授与式を行いましたの2枚目のようなイメージです。

第3回「思春期・青年期の危機とその援助」

きょう、msn産経ニュースに、「不登校」テーマ、甲府で講演会という記事が出ました。週末に山梨英和大学で開催される講演会の案内です。

あの場所で、「思春期・青年期の危機とその援助」と題した講演会と聞いて、既視感をおぼえた方もいるでしょう。同じmsn産経ニュースでは、発達障害テーマに講演会 山梨として案内されたものと対応します。「思春期・青年期の危機とその援助」シリーズの、それぞれ2回目と3回目とになります。前回は山梨メンタルフレンド研究会単独での開催で、今回はほかも参加しての共催のようです。前回は一番安い、一般の7割引の参加費となる区分が「教育・医療・福祉・相談関係者」でしたが、今回は「教育や医療、福祉などの関係者」となり、これは広がったとみるべきでしょうか、それとも狭まったとみるべきでしょうか。

もちろん、最大の相違点は、講演会のテーマです。前回は「発達障害の理解と二次的問題への対応」で、今回は「不登校からの社会参加」です。これが逆でなくてよかったかもしれません。22日には、島田療育センター発達支援センター心理相談室第9回講演会もあり、そのテーマが「思春期を見すえた発達障害の子ども支援」なので、逆でしたら同じ日でかぶるところでした。開催時間はかぶらず、お昼休憩をはさんでつながりそうに見えますが、「当事者性を考える研究者の会」の記事に書いたような大幅なものも含めて、時間が延びることもあるだけでなく、もし早めに終わったとしても、移動時間を考えると実質的にバッティングします。

山梨はご存じのとおりの大雪で、きょうは大雪の影響による心理臨床センター閉室のお知らせを出したほどのところが会場ですが、案内のニュースをきょう出したのは、また降ることを見こしても、週末は何とかできると判断したためでしょう。無理のない開催となることを願いたいと思います。そういえば、PHPスペシャル 2014年2月号(PHP研究所)で佐藤江梨子は、できないことはできないと言うように求めていました。同じ2月号巻頭のインタビューで松たか子が、自分が何ができないかを知るのは楽しいと述べたこととの対応もまた、おもしろく感じました。

敦賀市立看護大学科目等履修生・聴講生募集

きょう、YOMIURI ONLINEに、科目等履修や聴講生 敦賀市立看護大募るという記事が出ました。敦賀市立看護専門学校から移行してまもなく開学となる、敦賀市立看護大学での募集を取りあげたものです。

こういった募集を、一般向けに広く知らせてもらえるのは、ありがたいことです。記事には「募集要項は市役所市民ホール(1階)か、大学設置準備課(4階)で配布している。」とある募集要項は、先々週にはPDF版でウェブ公開されましたが、関心を持ちそうな方を新たに掘りおこす効果としては、新聞社からの情報発信の影響力は、かなり大きいと思います。ですが、この記事にはいくつか、気になる点があります。

まず、「出願や申し込みの受付期間は24~28日(当日の消印有効)。」とあるところです。受付期間がかなり短いことも要注意ですし、この記事が出た時点ではまだ受けつけていないので、そそっかしい方は、すぐに送ったはずが不受理にされてしまうかもしれません。なお、「出願」は面接や入学検定料が必要な科目等履修生の、「申し込み」は不要な聴講生の手続きを指します。また、「当日の消印有効」とあるのは、実際の募集要項では、より一般的な表記である「当日消印有効」と書かれたところですが、大学関係の募集では、検索するとすぐわかるように、「の」が入ることも意外とあります。私は入れないほうが好みに合うので、たとえばきのうの記事で取りあげたビジネス・キャリア検定試験標準テキスト 労務管理3級(中央職業能力開発協会編、社会保険研究所)の239ページに、「の」の不足があるのでそこにゆずってほしいくらいですが、わざわざ無関係のところからでなくても、同じテキストの229ページの図表6-3-12にある「放送番組等におけるの大道具、小道具」からのほうが簡単そうです。なお、その図表ももう古くなり、旧「政令26業務」から、旧16号の分割と「水道施設等の設備運転等関係」の追加とがありましたので、気をつけてください。

科目等履修生について、「入学料(3万3200円、敦賀市民は半額)」とありますが、半額適用のルールは、ややややこしいです。「平成25年4月1日以前から引き続き敦賀市内に住所を有する方」と、「平成25年4月1日以前から引き続き敦賀市内に配偶者又は1親等の親族が住所を有する方」とが対象です。一方、聴講生の聴講料は、「敦賀市内に住所を有する方」かどうかで線が引かれるようです。

幅広くいろいろな科目が選べるようになっていて、記事には、「募集する講義は、前期(4月1日~9月30日)が科学論や生物学、臨床心理学など、後期(10月1日~来年3月31日)が社会学や経済学、環境学など。」と例示があります。この各3科目の選択基準は、単純に募集要項でそれぞれ上から3件ずつなのかとも思いましたが、少し手が入っています。前期は、もし上からならば科学論、生物学の次は教育学になるはずですがとばされて、4番目の臨床心理学が続きました。後期も、社会学、経済学の次は、募集要項ですと日本国憲法、比較文化論ときて、それから環境学なのです。3番目をとばしたのは、市民が現行憲法を知る機会を妨害し知らせない目的だと解釈する人は、どこかにいたりしますでしょうか。そういえば、異色対談の愛国者の憂鬱(坂本龍一・鈴木邦男著、金曜日)には、「新右翼」の鈴木邦男は中学生のころ、日本に憲法があることを知らなかったとあります。また、新 読めばわかる「憲法改正」(梶山茂著、文芸社)の冒頭には、「いまの「日本国憲法」の改正に反対する日本人は、この憲法のことをよく知らないか、誤解しているか、あるいは何か、別の目的をもっている人です。」とあります。

常磐大学のSFA公開講演会・公開研修会

きょう、常磐大学・常磐短期大学のウェブサイトに、心理臨床センター主催 公開講演会・公開研修会の開催についてという記事が出ました。3月2日に開催される2本のイベントの案内です。

公開講演会、公開研修会の順で書かれていますが、実際の開催順序は逆であることに、気をつけてください。一般向けで、広くいろいろな人へのアピールになるほうを、先に持ってきたかったのでしょう。ですが、何の説明もなく「解決志向ブリーフセラピー」と言われても、一般の人は困惑するかもしれません。研修会の内容説明には、「問題や病理ではなく、リソースや強みを重視し、協働して「解決」(より良い状態や望んでいる未来)を作っていく画期的なモデル」と書いてありますので、これがどのくらいわかりやすいかはわかりませんが、イベントの記載順序を入れかえなければ、こちらを先に読める可能性が高かったはずです。きれいにひっくり返すのは、なかなかむずかしいのです。roomieにきょう出た記事、すべてが「反転」するショートムービーを思い出しました。

講演会のほうの演題のところには、「自分で考えられる子どもに育てる「子どもを伸ばす5つのルール」(ベン・ファーマン)から、実践的な方法をわかりやすくご紹介します。」とあります。ですが、そういう本からの紹介のように思わせておいて、その名前の書籍はたぶん、実在しないはずです。子どもを伸ばす5つの法則(小山英樹著、PHPエディターズグループ)や、「しあわせ脳」に育てよう! 子どもを伸ばす4つのルール(黒川伊保子著、講談社)でしたらありますが、SFAをベースにした育児本とは考えにくいです。おそらく、フィンランド式 叱らない子育て 自分で考える子どもになる5つのルール(B. ファーマン著、ダイヤモンド社)を指したかったのだと思います。