生駒 忍

記事一覧

子ども対象の無料電話相談の「交流会」

きょう、佐賀新聞のウェブサイトに、心の声受け止めて チャイルドライン交流会という記事が出ました。午後の鳥栖市会場ではなく、午前の佐賀市会場のほうのみの報告です。

交流会と名前がついていますが、内容は講演会のように見えます。講話だけだったのでしょうか。きょう、北陸心理学会のウェブサイトに、認知の生涯発達研究会(2014年1月会)のご案内が出たところですが、そのような2部構成だったのでしょうか。

講話では、「最近の子どもの傾向として、「自分の気持ちを表す語彙(ごい)を持っていない」」ことが話題にされたそうです。おととい書いたSST講話の記事で指摘したような、ことばで表現できない子どもの存在が、電話相談だけに、相当引っかかっているのでしょう。

「2012年度、佐賀県からは2114件の電話があった。」とあります。全国や九州の平均と並べたり、何年か前とくらべたりしてもらえると、これが多いのか少ないのかを感じやすく、より読みやすくなったかもしれません。なお、この件数ですが、佐賀県内から発信された数ではありません。チャイルドライン 2012年度実施報告を見ると、佐賀県の発信数は9433件です。おそらく、着信数でしょう。そして、そのかなりの割合を、無言電話が占めているはずです。

写真の人物は、キャプションに「高木代表」とありますが、本文では先に、「さがチャイルドラインを運営する「こどもエンパワメントさが」(馬場佐希子代表)が主催。」とあるので、代表が途中で代わったのかと思いそうになりました。急な交代はどこでもあることですが、本田圭佑もびっくりするようなトップ交代劇ではなかったようで、安心しました。そういえば、指揮者の佐渡裕は、トイレで電話に出たら、「相手は、ドイツ語で「アバドの代わりで定期演奏会を振ってほしい」って。」と、ベルリンフィルを振る話が降ってきた体験を、僕が大人になったら(佐渡裕著、PHP研究所)に書いています。きょう、そのアバドの訃報が入りました。ご冥福をいのります。

緑区プレママ・プレパパ講座の受講者募集

きょう、タウンニュース緑区版という折込情報紙に、プレママ・パパ集まれ 区が講座という記事が出ました。来月19日に開催される「プレママ・プレパパ講座」の受講者を募集しています。

「時間は午前10時から0時半まで。」ということですが、この時間の書き方は、あまりよくないように思います。開始時刻には午前とつけておいて、終了時刻のほうには何もつけていませんが、「午後0時半」か「12時半」と書くほうが読みやすいように思います。

「対象は妊娠24週から35週の人とお父さんになる人。」とあって、男性側のほうが条件がゆるく、広く感じられます。そういえば、女性自身 1月14日号(光文社)によれば、安藤美姫が生んだ子は南里康晴の子ではないのに、生物学的な父からの「援助」と引きかえに、南里が「お父さんになる」ようです。ここのところ、赤ちゃんとり違え裁判、性同一性障害の戸籍上の「父」の裁判、そして週刊女性 1月14日号(主婦と生活社)が報じた喜多嶋舞・大沢樹生の実子騒動と、血がつながらない親子関係をめぐる話題が目だつ中、南里の取り引きは美談になるでしょうか。

回想法を結果ではなく手続きで説明しています

きょう、タウンニュース藤沢版という折込情報紙に、ロールプレイや実践活動 心理療法「回想法」の講座という記事が出ました。全5回の講座の紹介です。

以前に、地域回想法に関する記事を書きましたが、日本が高齢化社会でなくなってそろそろ20年、こういう取りくみはまだまだ増えていくものと思います。ですが、この記事で注意をひいたのは、「同じ話を繰り返し、昔のことを今の出来事のように話す高齢者に対し、共感をもって受け入れる態度で傾聴する心理療法」という表現で、回想法を説明しているところです。回想によってあれこれのよい効果をもたらすという、相手側の結果ではなく、こちら側の手続きなのです。それも、マイナビニュースの「そんな昔のこと覚えてるの?」の本音は?【女性の恋愛心理】ではありませんが、年寄りの昔語りはめんどうなものだというニュアンスが感じられます。同じ内容のくり返しで、まるでダメダメな人生を変えたいM君と生活保護(池上正樹著、ポプラ社)に出てくる、段ボール箱を右から左へ動かし、終わったら左から右へ動かし、また右から左へというだけのアルバイトのような、非生産的な感じにも近いでしょうか。これで幸せにさせるのだと、恩着せがましくせずに、手続きをそのまま述べるのは、謙虚でよいとも思えます。それとも、単に自分の立場からそのまま書いただけなのでしょうか。問い合わせ先に「先生」をつけるのは、あまりない書き方です。中華風の敬称でもないはずです。

同じくきょうの記事に、ポリオ撲滅を訴え 市内8ロータリークラブというものもありました。国際ロータリーの、End Polio Nowの一環でしょう。そこに、「代表の阿部剣朗さんは「みんなで協力してポリオを撲滅させましょう」と呼びかけた。」とあります。撲滅しましょう、ではなく、させましょうと言うのです。直接に活動するのは、このメンバーでも、寄付した人でもないという意味では、集めたお金で国際機関にポリオを撲滅させますというのは、立場を正しくわきまえているともいえます。ですが、まるで機関が撲滅をしぶっていて、市民が尻をたたかなければいけないかのようにも読めます。それとも、撲滅は「絶滅」とのとり違えなのでしょうか。nid vol.27(エフジー武蔵)で、「近年さまざまな健康食情報が錯乱しているという現実」とあるのを見て、おそらく「錯綜」や「氾らん」と混乱したのだと判断したことを思い出しました。

「心理学から探る人間の心のルーツ」全3回

来月9日から、宇品カレッジⅠ期「心理学から探る人間の心のルーツ」がはじまります。県立広島大学と宇品公民館とが連携して開催します。先月、ちょうどこの担当講師の方とお話ししたときにも出た話題でしたが、県立広島大学だと伝えても広島大学だと思われがちで、再度強調するのだそうで、こちらは会場から連想するとわかりやすいように、県立のほうです。

全3回の講座で、タイトルからみると、進化心理学のお話のように見えますが、それは最終回、3回目に取りあげる予定になっています。2回目が個体発生、3回目が系統発生で、1回目はというと、心理学の発生、心理学史や心理学論になるようです。心理学の「主要な3つの立場の考え」、何と何と何なのか、わかりますでしょうか。また、ちらしのつかみの文章に、心について、「私たち人間を助けてくれると同時に苦しめることもあります。」とあって、人間と心とを別ものと位置づける立場がうかがえて、特徴的であるように思います。臨床心理学 13巻4号(金剛出版)の臨床ゼミのコーナーで、「私」と「脳」とを別ものとしてとらえることの是非が論じられていたのを思い出します。

筑波大学が公表した「駅前キャンパス」

先週のことですが、筑波大学のウェブサイトに、「駅前キャンパス」という企画の情報が出ました。TGN主催:「駅前キャンパス」の実施についてという文書をお読みください。たしかに「チャレンジングなもの」で、ユニークな企画ですが、いろいろと気になるところもあります。

大学が告知してはいますが、文書のタイトルに「TGN主催」と明示されているように、大学によるイベントではないようです。ですが、文書ファイルの3ページ目が、このイベントのポスターの、おそらく裏面だと思いますが、そこには「第一回 筑波大学 駅前キャンパス」とあります。一方で、2ページ目が、こちらはポスターの表面だと思いますが、その下部には、「主催:つくば院生ネットワーク(TGN)」「協力:筑波大学,つくば市」とありますので、筑波大学は主催ではありません。ところが、1ページ目に「協力機関」として示されているのは、「つくば市国際戦略総合特区推進部 科学技術振興課」と「首都圏新都市鉄道株式会社(つくばエクスプレス)」です。つくば市本体が協力しているのか、それともその中の一つの課だけなのかも不明ですが、筑波大学と首都圏新都市鉄道とはまったく無関係ですので、この両者が入れかわりになっているのは、とても奇妙です。そして、ポスター裏面には、「協力: 筑波大学、つくば市、つくばエクスプレス」とあります。

どうしても引っかかる方は、問いあわせてみるのが早いかもしれません。ですが、どこへというところで、また混乱があります。文書の1ページ目では、そのページでは協力機関になっていない筑波大学の、学生部に属する個人名が、「問合せ先」として電話番号つきで示されています。一方で、ポスターの表面では、「問い合わせ先」はGmailで取得したメールアドレスがあるのみです。裏面には、「連絡先」として、同じGmailのアドレスがあって、後ろのかっこの中に「代表 角田 雄哉」と入っています。なお、1ページ目の個人名は、2文字の漢字の間を空けてあるので、中華風の氏名のようにも見えますが、これはただの名字のはずです。土子昇専門員のことだと思いますが、合っていますでしょうか。

どこで開催されるのかにも、書き方にぶれがあります。1ページ目では、「つくばエクスプレス線つくば駅改札口前」です。「線」がついているのを見て、日本語版ウィキペディアで記事名が激しく争われた苦いできごとを思い出してしまいました。ポスター表面では、「TXつくば駅改札口正面(スターバックスコーヒー隣)」です。裏面では、「TXつくば駅改札前」です。「改札」よりも「改札口」のほうが、1回だけとみるか、倍もとみるかはともかくとしても、多く使われていますが、協力している可能性が高いTXの公式サイトで、つくば駅構内図を確認すると、「改札」という表記になっています。

そういう場所ですが、イベント名は「改札(前)キャンパス」ではなく、「駅前キャンパス」です。いろいろな大学が、こういうイベント名ではなく持続的な施設としての「駅前キャンパス」を持っていますが、私が思いつく限りでは、駅そのものの中に置いたところはありません。高専でもそうですし、下北沢大学駅前キャンパスもそうです。ときめいとは駅ビルの中という印象がありますが、「駅前キャンパス」ではなく「駅南キャンパス」です。このTGNの駅前キャンパスは、そういう意味では特殊ですが、改札までが駅であるという立場をとっているのでしょう。「駅ナカ」の定義のお話もありますし、むずかしい話題です。

ポスター表面では、一番情報量がない「近日公開予定」が、ずいぶんと目だっています。ここは、1ページ目の「テーマ(仮)」のほうから推測すると、「都市と交通の話」が入るはずと考えられますが、どうなのでしょうか。

以上のように、いろいろと気になるところがありますので、協力している可能性が高い筑波大学ではなく、主催のほうで発信している情報でも確認してみようと思いました。主催者のつくば院生ネットワークは、大学院生が網羅的に組織されたものではなく、「意識高い系」という病 ソーシャル時代にはびこるバカヤロー(常見陽平著、ベストセラーズ)を思わせるところもあるイベント団体ですが、学術活動を手弁当で応援してくれる点では、とてもありがたい存在と思います。気づきにくいのですが、サイトの左上から「駅前キャンパス」のページへ入ることができます。YouTube動画を除けば、先の文書とだいたい重なる内容が出ています。会場は、「TXつくば駅改札口を出た正面(スターバックス隣)」と書かれていて、ここも「口」がつけられています。一方で、Twitter公式アカウントには、もう今週の開催なのに、駅前キャンパスの情報は、まだ出されていないようです。ブログにも何も出ていませんが、こちらは昨年秋にぴたりと止まったままです。