生駒 忍

記事一覧

南武線のセルフ駅員と笑いをとるわら人形論法

きょう、Jタウンネットに、これが南武線の実態? 地元ユーザー投稿の「あるある」が強烈すぎる...という記事が出ました。

低劣詐P@押産自動車というアカウントによる、明日から通勤に南武線を使う新社会人の皆さんにワンポイントアドバイス。からの一連のツイートを取りあげたものです。こういうアドバイスは、ありがたいと思う人もいれば、いわゆるねたばれではありませんが、知らずにいて体験できたほうがエキサイティングなので、よけいなお世話だと思う人も、いるかもしれません。一方で、週刊新潮 4月14日号(新潮社)で成毛眞が論じたような、ネットで事前に知っておいてこそのたのしみ方を重視する視点もあるでしょう。

南武線乗客の、ユニークなところが羅列されます。アンサイクロペディアで南武線を見ると、「利用者は主にブルーカラー。また、セルフ駅員も多く見られる。」とありますが、せりふでひと目でわかるセルフ駅員は、ツイートの中にはうかがえませんでした。番外編に登場する「何処からお湯を調達したのか駅のホームでカップ麺ズルズル」は、駅員に準ずる何かかもしれません。ふと、祖国よわたしを疑うな 政治犯から大学教授となった「兵隊太郎」の戦後(曹石堂著、日本経済評論社)に、獄中でお湯をくんでこられるのは一部の人の特権だったとあるのを思い出しました。

「もちろん反論もあった。「最近の高架化すすんで便利になったよ!」というご意見だ。」とあります。ですが、技術的な面からの便利さが主題になっていたわけではありませんので、擁護ではあっても、反論とは言いにくいと思います。むしろ、思いっきりのわら人形論法で笑いをとるものですが、今回の南武線の話題ではおそらく最大の注目を集めたツイート、南武線ってこんな感じだよと言われたんだけどのほうが、方向性はきちんと反論のほうに向いています。

巨大地下ネットワーク仮説と泥ママ急増の知見

きょう、TOCANAに、古代の高速道路か!? 1万2000年前のトルコ~スコットランドを結ぶ巨大地下トンネルの謎という記事が出ました。

「考古学界を揺るがしかねない本が2009年に出版」とあり、この本の、「トルコから地中海をぬけ、スコットランド北部にかけて数千というトンネルの遺跡が見つかっており、なんと博士によると巨大地下トンネル群は元々ヨーロッパ各地の主要都市を網の目のように結んでいたという」という主張に関する記事になっています。ですが、その2009年から、考古学界がそれほどゆるがされたとは聞かないように思います。さらりと登場しますが、とても壮大なお話で、Amazon.co.jpでとても評価の高いピアノの森 26(一色まこと作、講談社)の、231ページのような感じ方をした人もいるかもしれませんが、アメリカ人ではなく、ドイツ人の主張です。

「およそ1万2000年前にヨーロッパ全土をまたぐネットワークがすでに存在していたというのである。」とします。こんなお話自体が猫またぎだといえばそれまでかもしれませんが、タイトルではあえて「地下トンネル」と表現したトンネルに、「またぐ」というとらえ方をしたのは気になります。上側でつながるイメージのことばのはずですが、ひっくり返して見ることで新たな気づきをうながす、「逆さ地図」で読み解く世界情勢の本質(松本利秋著、SBクリエイティブ)のようなアイデアなのでしょうか。

「当時スコットランドからトルコまでトンネル網が伸びていたのではないかと考える専門家も」とあります。誰でしょうか。皆さんの身のまわりで、誰かがこのようなことを言いだしたら、けさの日本経済新聞朝刊のNIKKEIプラス1の、「タブーに気づいたら」にあるようなすみやかな対応をしますでしょうか。その人に、これから用心することにしますでしょうか。

用心で思い出したのが、mamatennaにきょう出た記事、ママ友トラブル!泥ママが急増です。「「ママ友みんなを疑え」とは言いませんが、多少、用心するに越したことはないかもしれません。」とあります。なお、タイトルにある「急増」を示す知見は、本文中には見あたりませんので、ご用心ください。

日本一とされた紀州鉄道と「撮り鉄」の優越感

きょう、朝日新聞デジタルに、日本一短い私鉄、揺れも「味」 紙切符、ファンにも人気という記事が出ました。

「JR御坊駅(和歌山県御坊市湯川町)の0番ホームから西御坊駅(同市薗)までの全長2・7キロを結ぶ、日本一短い私鉄「紀州鉄道」。」と書き出されますが、これでよいのでしょうか。御坊駅は、管理はJR西日本ですが、共同使用駅ですので、私鉄の起点として書くときに「JR御坊駅」なのは奇妙です。起点はホームで終点は駅というのも、アンバランスです。また、「日本一短い私鉄」も、定義によります。鉄道事業法施行規則4条1号の範囲に限ったとしても、芝山鉄道のほうが、さらに2割近く短いです。業界団体である日本民営鉄道協会に加入していないと、あるいは出資者に自治体も含まれるなら「私鉄」と呼んではいけないという条件をつけないと、勝てません。それとも、古い資料にあたってしまったのでしょうか。鉄道なんでも日本一(櫻田純著、PHP研究所)には、「一方、日本一営業距離が短い私鉄は、長らく紀州鉄道の二・七キロでした。」「ところが、芝山鉄道が東成田~芝山千代田間の二・二キロという超ミニ路線を開業したことから、紀州鉄道は二位に転落しました。」とあります。2002年のことでした。

「73年に名称変更したが、地元の人は今も「りんこう」と呼ぶのだそう。」、地方らしい時間の流れに感心するところでしょうか。40年前に出た昔の名前で出ています(小林旭)よりも昔の名前のままなのです。ふと、イニシエーション・ラブ(乾くるみ作、文藝春秋)で石丸美弥子が、国電からJRになって数か月でもうなじんでいた展開を思い出しました。

昔ながらの硬券に、「何ともレトロだ。鉄道ファンに人気があり、九州からも訪れる人がいるという。」とします。タイトルには「ファンにも」とありましたが、本文からは、ファン以外からの人気は読みとれません。それでも、しっかりとファンがいるのは、ありがたいことです。

それで思い出したのが、J-CASTにきのう出た記事、列車の警笛装置のカバーを接着剤で塞ぐ トンデモ「撮り鉄」にJR東日本「刑事告訴も検討」です。鉄道ファンでも、こちらはいわゆる「撮り鉄」で、仲間にはありがたがられることをしたようですが、一般的な感覚では、あってはいけないことでしょう。安全運行のための装置を封じ、しかもよりによって、自分は外にいて乗ることのない車両でという発想は、理解しがたいです。「カバーが空いている状態はダサい」という美意識がそこまで強力なのでしたら、公共の場所、他人のものではなく、自分たちでのびのび楽しめる場所をつくって、好きなかたちの車両を走らせて、好きなだけ撮ったらよいのにと思います。お金がとてもかかるので絶対いやだと言われそうですが、極論を言うと、産経ニュースにきょう出た記事、殺人容疑で19歳名大生逮捕「殺してみたかった」 おので77歳女性殴り首絞めの、「子どものころから人を殺してみたかった」女子学生にくらべれば、法をおかさずに、一般の人に迷惑をかけずに、お金でやりたいことが実現可能なのです。それとも、自分たちのものを撮ったのではつまらなくて、みんなのものを自分のもののようにする支配感、優越感がほしいのでしょうか。アートだ、グラフィティだと主張して、他人の家やお店、公共施設などを汚損して、消すとその上をまた汚しにいくほどの人が、自分で買った家で、好きなだけデコレーションをしては消してをくり返しはしないことに、やや似ているかもしれません。

満員電車内での音楽聴取と『電車でコラ』

きょう、マイナビウーマンに、朝のストレスから開放~! 満員電車で快適に過ごす裏ワザ・4選という記事が出ました。「「満員電車」で、少しでも快適に過ごせる裏ワザ」についての調査結果ですが、量的な集計はなく、4カテゴリにわけて例を示した、質的なものです。

まずは、「空想や瞑想(めいそう)で自分だけの世界に」です。内容によっては、充実したひとときになりそうです。もちろん、「コツをつかまないとそのまま寝てしまいそう」、ここは要注意です。女子の居眠りエピソードの記事で取りあげたような、恥ずかしいできごとにもつながります。

「大好きな音楽で不快感をシャットアウト」、技術的な容易さでは、これが一番でしょう。The Oxford Handbook of Music Psychology(S. Hallam, I. Cross, & M. Thaut編、Oxford University Press)は、40章で、公共交通機関での移動中に音楽を聴くことの、退屈や、他者との距離が近いことによる不安感をごまかす効果について紹介しています。一方で、松本人志の自虐コメントの記事で触れた、勉強ができない子どもに多いというお話とも関連しそうです。

「満員電車でダイエット」、この考え方は合理的でしょうか。それとも、合理化でしょうか。

「熟練のワザ」は、「もはや芸の域」という評価に、私も同感です。ですが、鼻歌作戦は、まわりを不快にさせますので、すすめられません。

ほかにも、さまざまなくふうがあるでしょう。たとえば、電車でコラ(辛酸なめ子著、ブックマン)もおもしろいのですが、満員の車内で使っている人はいますでしょうか。

イケメンの前での恥ずかしさと寝言への介入

きょう、マイナビウーマンに、赤っ恥! 公共交通機関で居眠りして恥ずかしい思いをしたエピソード4選という記事が出ました。

「公共交通機関で居眠りする人も多いかと思いますが、そこでやらかしちゃった恥ずかしい居眠りエピソードについて、女子のみなさんに聞いてみました!」というものです。日本人の睡眠時間は短く、その中でも女性のほうが、男性より短いため、日本の女性は世界一とも言われ、こういう居眠りは必然かもしれません。ですが、その性差は、主に中高年でみられるものです。今回の調査の対象になった「女子のみなさん」の年齢範囲では、ほぼ同じです。平成23年社会生活基本調査 生活時間に関する結果 要約を見ると、「女子のみなさん」のまん中にあたる25歳から29歳では、むしろ男性のほうが短いのです。

「公共交通機関で居眠りをして恥ずかしい思いをしたこと」、2択で「ある」が40.1%、これは高いでしょうか。ちなみに、マイナビウーマンに半月前に出た記事、その寝顔、大丈夫? 公共交通機関で眠ることができる女子は58.2%!によれば、「公共交通機関で寝ること」の2択で、「できる」が58.2%でした。「寝る」と、タイトルにある「眠る」とでは語感が異なりますが、どちらも同じ数字です。

「女子として恥ずかしい“よだれ”の失敗がある人も。目の前にイケメンがいたときには、もう逃げ出すしかありません!」、目前の人物の価値が、恥ずかしさを左右するようです。アーロン収容所(会田雄次著、中央公論新社)にある、捕虜の日本人が室内のそうじをさせられている前で、イギリス人女性が全裸ですごしているお話を思い出しました。日本人はノックなしで出入りするようにと指示されていて、人間ではなく、犬猫と同じ地位だったのでした。

「社内の独特の揺れで無意識に体が動いてしまい、乗客や物に体をぶつけてしまう人も。」、走る乗りものではなく、社内に動揺や激震が走ることも、ときどきあります。そういえば、東京スポーツが、「TBSに激震! 今年4月に同局に入社した新入社員の男性Aさん(23)が、夏に局内で亡くなっていたことが7日、本紙の取材で明らかになった。」と報じた「怪死」事件は、関係者が「局内トイレで死んでいるのを発見されたと聞いています。当然、状況的に自殺が疑われましたが、詳しいことはわかりません」としていましたが、ゆれはおさまったのでしょうか。

さて、「隣に若い女の子二人組が座って、寝ぼけて二人の会話に相槌をしてしまった」、場面を想像すると、となりもゆるく対応してくれそうにも、すぐ気味悪がって固まってしまいそうにも思いましたが、どうなったのでしょうか。寝言に対して会話をされると死ぬという都市伝説を連想しました。きょうの空模様(堀ちえみ著、産経新聞出版)には、「智栄美、おれの寝言に返事せんといてな。」と求められていたことから、「そっちへ行ったらあかん! 他の星がぶつかってくる。」というただならぬ寝言に、ベルやスプレーで介入したお話があります。

ページ移動