生駒 忍

記事一覧

おにぎらずの味つけとサンドイッチとの比較

きょう、マイナビニュースに、海鮮丼を話題の「おにぎらず」にしてみたよ!という記事が出ました。

「昨年から大ブレークしている「お握らず」。」と書き出されます。ここだけなのですが、漢字にされると、感じが変わります。「クッキングパパ」30年の記事で触れたように、ブレイクしたことはそのとおりです。

つくり方は、おにぎらずをつくった経験があれば、かんたんだと思いますが、最後に「好みでわさび醤油をつけていただく。」とあることに、気をつけてください。「写真1。」より前にある写真の奥にあるのが、「わさび醤油」ではないものに見えるのも気になりますが、「好み」しだいとはいっても、この味つけで、何もつけずに食べるのは、いまの日本人の味覚にはなじみにくいように思います。ですので、おにぎりではなくおにぎらずという発想で、お弁当として持たせると、困るかもしれません。らくらくねんきん暮らし vol.4(学研マーケティング)で、「おにぎらずで手間いらず」と題して紹介された中で、「頭を悩ます、一日じゅう家にいる夫の日々の昼ごはん。」として位置づけられたような食べ方で考えましょう。

「にぎりすしや巻きずしは握り方が素人には難しいですが、握らないおにぎらずはふわっとした仕上がりにしやすく、簡単においしくつくることができます。」とあります。比較対象が、おにぎりではないところが、ユニークだと思います。では、みんなのお弁当日記(翔泳社)での、海野夏維という人による「タモさん流しょうが焼きのおにぎらず弁当」の紹介で、「カット時の難易度が下がるっぽ。」というところが、サンドイッチとの比較であることとでは、どちらがよりユニークかと問われると、比べにくいかもしれません。

合成着色料の発がん性評価と高速製氷機II

きょう、It Mamaに、賢いママは選ばない「実は子どもに危険」なアイス・ゼリー・カキ氷とはという記事が出ました。「子どもをもつママとして知っておきたい合成着色料の人体への影響と家庭でできる手作り“ひんやり”スイーツついて」としますが、影響のお話はおかしなものですし、「“ひんやり”スイーツ」といってもかき氷のみです。

「日本人が1年間で摂取する食品添加物の量は、平均4キロとも言われていますが、できれば子どもには、自然のものを与えたいですよね。」とあります。人工か、自然、天然かを問わず、添加物をさけたい、減らしたいという考えは、とてもよく見かけるものですし、「買ってはいけない」は嘘である(日垣隆著、文藝春秋)の終章に紹介される、人工着色料は「体にはいいわけはない」と断言し、当面の排撃対象にした花森安治のような思想もありますが、自然の添加物を与えていきたいという積極的な立場だと見ると、めずらしいと思います。

「着色料を含む食品添加物、農薬、排気ガスといった1つ1つの化学物質の研究」という表現があります。特徴的な語法の「化学物質」ですし、化学物質はなぜ嫌われるのか(佐藤健太郎著、技術評論社)が問題視する「化学物質アレルギー」とも、強く関連しそうな印象を受けます。

「外国では禁止されている合成着色料」として、3種が示されます。ですが、ひと目見てわかる人もいると思いますが、各国の規制状況はちぐはぐで、誤っています。発がん性の断定は、もしかすると世界の集合知を超える知見や自信を持っているのではとも思いますが、少なくとも国際がん研究機関による発がん性評価は、IARC Monographs on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humansにあるように、3種ともグループ3です。ちなみに、アロエ抽出物、ココナッツオイルから作られるヤシ油脂肪酸DEA、そしてコーヒーといったものは、健康そうなところから来ていて、グループ2Bです。もちろん、IARCはこの着色料3種を、グループ4にはしていないので、発がん性がないとはいえないと言いたい人もいるかもしれませんが、ではグループ4にはどうすれば入れるのか、現在何が入っているのか、調べてみてください。

後半はかき氷の話題となり、「ぜひ家庭で体に優しいかき氷を」と呼びかけて3種の提案があります。「アイディア1」は、「製氷器(100円均一で購入可)にジュースを注ぎ、凍らせてかき氷にしてみましょう。」とします。製氷機が108円で、と誤解しないでください。製氷皿のことです。手ごろで人気のある高速製氷機II(ベルソス)でも、2けた上です。

「アイディア2」は、「牛乳100mlに、きび砂糖もしくは甜菜糖大さじ3を入れて、半量くらいになるまで煮詰めたら、冷蔵庫で冷やして出来上がり!」というもので、凍らせないかき氷とはおどろくべきアイデアだと思った人もいるかもしれませんが、こちらはシロップのみの提案として読んでください。また、「いくつかの化学物質を同時に体内に取り込んだ場合の“相互作用”」を心配する人が、ふつうの砂糖ではなく「きび砂糖もしくは甜菜糖」、さまざまな化学物質が混ざったものを指定するのは、ふしぎに思えます。

深夜のチョコレートとごはんで太らない理由

きょう、マイナビウーマンに、わかっちゃいるけどやめられない! 深夜に食べると「罪悪感を感じる食べ物」4つという記事が出ました。

筆頭は、「はじめは「ちょっとだけ食べよう」と思っていたのに、1回食べはじめると止まらなくなってしまうチョコレート。」です。かぎかっこの中は、私なら、「ちょこっとだけ」「これくらいなら」「レートを考えて」などと書きたくなって、甘い考えを止められたか自信がありません。また、「止まらなくなってしまう」ものは、はじめから避けるのが確実です。ふと、甘いお菓子は食べません(田中兆子作、新潮社)を思い出しました。もちろん、あの主人公たちはだれも、甘いものを食べない、少なくとも食べるシーンがないのですが、この調査の対象、「22歳~34歳の働く女性」とは世代がはなれますし、アルコール依存がひとりいました。

「翌朝、鏡を見るのと体重計に乗るのが怖い!」、「止まらなくなってしまう」とはいっても、体重がうごくほどの目方を食べるのでしょうか。摂食障害の定義の記事で取りあげた過食症のレベルでなければ、そこまで心配しなくてもと思います。月刊TVnavi 首都圏版 2014年1月号(日本工業新聞社)で中村静香は、体型維持は足し算引き算だとしましたし、「いつものパン」があなたを殺す(D. パールマター・K. ロバーグ著、三笠書房)でいう「九〇/一〇のルール」の感覚で、長期的にバランスがとれればよいでしょう。

「炭水化物は、体を動かすために必要なエネルギー源ですが、夜遅い時間帯に食べると、エネルギーとしえ消費されずそのまま体に吸収されてしまい、脂肪となってしまいます。」、すべてがそうなるわけではありませんが、その傾向は高まります。夜中にチョコレートを食べる女性たち(幕内秀夫著、講談社)は、「ご飯を食べても太らない」としながらも、そう思われにくいのは「夕飯の時間が遅くなっているから」だと説明します。

「アイス。お酒のあとや夜食のあとに食べてしまう」、悪にさらに悪を重ねる愚です。こちらも、一日の締めくくりではなく、早い時間に回せるとましでしょう。つめたくてあまいお菓子(黒川愉子著、文化出版局)に、「いつでも「あのアイスクリームが私の帰りを待っている」、それだけで、ちょっと楽しい気分で一日が過ごせるのでは?」とあるのを思い出しました。教育関係者のようですが、わかっていても、早くは帰れないのでしょうか。

それで思い出したのが、同じくマイナビウーマンにきょう出た記事、子どもの作り方は教えないって意味ない! 学生時代、性教育を受けた人はどのくらい?です。「Q.学生時代、学校で性教育を受けましたか?」に対して、「「いいえ」……17.6%」とはずいぶんと高く、そのタイミングは欠席か早退で帰ったのか、教育を受けても早くに忘れたのか、そういったこともあるのでしょう。こちらも「22歳~34歳の働く女性」ですので、性教育元年より先に義務教育を終えていたはずはないのです。また、性教育があっても、「肝心の知りたいこと(どうやって子供を作るか)」「行為」「仕方」を教われなかったことを、よく思っていないようです。そういえば、夜中にチョコレートを食べる女性たちでは、筆者は「小中学校の授業で性教育はなかったはずだ。」とし、あの歳ですのでそれはそうかもしれませんが、「考えてみればたいていの大人は、だれもきちんとセックスを学習していないのである。」として、性教育のうすさを批判しました。

くるみの健康効能と「水着にまつわる失敗談」

きょう、Woman Insightに、【今日のインサイト】7月22日はナッツの日。王様はこれ!という記事が出ました。

すっかり夏らしくなった中、「今日7月22日はナッツの日です!」「ナッツといえば、連想するのはお酒。」と書き出されますが、この方向にはすすみません。夏子の酒(尾瀬あきら作、講談社)の連想へもつなげません。

「一言でナッツと言っても、その種類はさまざま。」「そのなかでも特に栄養バランスがよいとされているもの」として、くるみが取りあげられます。ですが、「くるみの健康効能に関する研究成果」が強調される一方で、バランスがどのようにととのっているのかは、ほとんど話題にされず、バランスが悪い印象です。

「スペインの脂質クリニック所長のエミリオ・ロス博士」とあるのは、Emilio Rosのことです。ですので、所属先は、Hospital Clinic Barselonaで書くほうがよさそうです。スペインなのでdeを入れるはずだと思った人は、地名を見てください。

「情報提供:カルフォルニア くるみ協会 日本代表事務所」とあります。原語では弱化母音のところで、カタカナ化に筆者なりのこだわりを出したかったのかもしれませんが、公式の表記にあわせたほうがよいと思います。出所はきちんと書くべきでしょう。

それで思い出したのが、同じくWoman Insightにきょう出た記事、わ、アソコが…!水着のあるある「赤面失敗談」ぶっちゃけ告白です。「それも数年経てばいい思い出!? というわけで、ちょっぴり笑える失敗談を集めてみました!!」とありますが、筆者であるいしかわちえという人が集めてきたものではないように、私には見えます。ValuePress!の記事、夏休み直前!水着に関する緊急アンケート実施水着になる際気になるのは、「太もも」が1位 3人に1人は胸にパット!“水着にまつわる失敗談”も発表からひろって、「三角ビキニが左右の脇に」「ボコボコの胸」「すごい寸胴体型に」「保健室のベットの上」といった、特徴のある表現をそのまま生かしつつ、リライトしたように思えるのですが、いかがでしょうか。

武士がきゅうりを食べなかった理由と恒例の顔

きょう、ガジェット通信に、「食べにくい」 顔に見えるきゅうりの断面の画像がTwitterで話題にという記事が出ました。おおたけえみこという人のツイートを紹介するものです。

鋭利な刃物で切られたというのに、「マンドラゴラを引っこ抜いたときのよう」にはならず、ほのぼのとさせられる表情で、そのためこの時点で、「「食べにくい」というのも納得」です。一方で、きゅうりの断面は、江戸時代には葵のご紋に似ているとして、武士にさけられたというお話が有名です。ですが、徳川家の家紋はなぜ三つ葉葵なのか 家康のあっぱれな植物知識(稲垣栄洋著、東洋経済新報社)は、「ただし、江戸時代以前から、武士はキュウリを食べなかったとする説もある。」として、異説も説明しています。

海の日を前に、きょうは近畿地方などの梅雨明けが発表され、ことしも夏本番となってきましたが、夏は野菜もよくそだち、出まわりやすくなりますので、断面が顔になるものも、数としては増えるのかもしれません。ガジェット通信の記事、野々村竜太郎兵庫県議とパプリカがそっくりだと話題に おなじみラテアートにも登場、gori.meの記事、ゴーヤを切ったら幸せそうな顔がこんにちは!ゴーヤを切ったら可愛かったと話題に!など、毎年恒例のようにもなりつつあります。