生駒 忍

記事一覧

神奈川県立保健福祉大学が協定を結びます

きょう、神奈川県記者発表資料のサイトに、神奈川県立保健福祉大学と神奈川県立こども医療センターが連携協力に関する協定を締結します-3月27日、神奈川県立保健福祉大学にて、協定書調印式を実施-という記事が出ました。小児医療関連分野の人材交流などを強める協定のニュースです。

「本協定は、保健福祉大学は医療機関との協定として初めて、センターは大学との協定としては横浜市立大学、慶應義塾大学に続く協定の締結となります。」とあるのが、わかりにくく感じます。おそらく、この協定は神奈川県立保健福祉大学が医療機関と結ぶ初めての協定であり、一方で神奈川県立こども医療センターのほうは、すでに横浜市大、慶応大と協定を結んでいるので、同センターが大学と結ぶ3本目の協定になることを伝えたかったのだと思います。

半角カタカナで「ファクシミリ」とあります。私は古い人間なので、Googleの検索窓に「半角カナ vo」と入れるとサジェストされる、あの大御所が頭にうかんでしまいました。また、BBCにFaxという番組があったとはいっても、できる大人のモノの言い方大全 LEVEL2(話題の達人倶楽部編、青春出版社)によれば、「ファックス」は「コック」と同様に、タブー語に聞こえるといけないので避けたほうがよいそうで、ここでも略さずにファクシミリとしてあります。お役所の発表ですし、正式名称が似あいます。ですが、同じく神奈川県記者発表資料のサイトに1か月前に出た記事、地域貢献研究センター開設記念シンポジウムを開催しますは、同じく県立保健福祉大に関するものですが、そこには「ファックス」があります。

古河市の医療費助成の年齢延長の比較対象

きょう、YOMIURI ONLINEに、医療費助成、20歳まで拡大へ…茨城・古河という記事が出ました。古河市の条例改正のうごきを取りあげています。

気になったのは、「北海道の南富良野町は、学生、専門学校生に限り22歳まで助成しているが、隣接する栃木県野木町では18歳までが対象で、20歳までの引き上げは全国的に見ても異例だ。」という一文です。南富良野町を持ちだして、全国トップにはおよばないが異例ではあるといいたいのと、がんばっているとなりの自治体も超えることをいいたいのと、両方をとろうとしたために、比較の枠がゆれて読みにくく感じます。あるいは、その前にもう、茨城県内では助成範囲がどうなっているか、自治体数を数えて示していますので、そこから直接、じゅうぶん異例だという展開でもよかったのかもしれません。Xイベント 複雑性の罠が世界を崩壊させる(J. キャスティ著、朝日新聞出版)に、「どの程度異例なのかは文脈に左右される」とあるのを思い出しました。

この延長には、年に6000万円がかかる見こみだそうです。菅谷市長は、「古河市を生活の場に選んでもらうため」の差別化だといっていますが、これが実現したら、どのくらいの効果があがるでしょうか。先ほどのXイベントには、「異例さと影響はまったく別のこと」とありますが、今後を見まもってみたいと思います。

9番目の「マニュライフわくわくるーむ」

きょう、PR TIMESに、-第6期子どもの療養環境改善のための特別支援プロジェクト- 女子美術大学によるヒーリング・アートを導入した 『マニュライフわくわくるーむ』が都内に完成という記事が出ました。マニュライフ生命保険株式会社によるプレスリリースで、PR TIMESではマニュライフ生命 わくわくチャリティラン2013駅伝 & ハーフマラソンin 味スタ以来5か月ぶりとなります。

記事タイトルには、ヒーリング・アートを取りいれたことが前面に出されていて、重要なアピールポイントであるように思えますが、記事の本体部分の中にはこれの説明がありません。心身障害児総合医療療育センターの君塚葵センター長の発言に、「子どもたちも綺麗になったプレイルームを喜んでおり」とありますので、間接的な言及であればあります。なお、この発言者ですが、記事では「センター所長」とされていますが、センターのウェブサイトにあるセンター長挨拶のページでは、titleタグでも、タイトル画像のgreeting_title.gifでも「センター長」で、一方で最後には「心身障害児総合医療療育センタ-所長」とあって、以前に日本心理研修センター関連の記事でも触れた、ハイフンと長音記号との混同がみられます。みなさんがふだん使っている呼び方は、「センター長」でしょうか、それとも「センター所長」でしょうか。そういえば、福祉教科書 ケアマネジャー 出る! 出る! 一問一答(翔泳社)では、第3章の執筆者のうち、杉田勝は「社会福祉法人創明会 居宅介護支援センター船橋梨香園センター長」、渡辺哲也は「八千代市八千代台地域包括支援センター所長」と書かれていました。

この記事では、記事本体のあとに、写真とそのキャプションをはさんで、かかわったプロジェクトや組織の紹介が続きます。そのうち、社会福祉法人中央共同募金会を説明した部分は、社会福祉法人中央共同募金会定款第1章ではなく、赤い羽根共同募金のウェブサイトの、中央共同募金会についてというページを参考にして書かれたようです。1文目は、このページの「役割と目的」の1文目と一致し、2文目はこのページの2文目をスリム化したものと思われます。3文目は、「中央共同募金会の主な事業内容」の表から、「NHKとの共催により「NHK歳末たすけあい」を実施」と「ボランティア 活動の推進」とを組みあわせたものでしょうか。

先天性副腎過形成症が正しいです

けんこうリンクという情報誌があります。これは、茨城県総合検診協会が出しているもので、今年度から公益財団法人になったことを機に、情報誌も協会の愛称と同じ名前になりました。

その最新号である第4号の特集は、タンデムマス法による新生児マススクリーニングを取りあげています。先天性代謝異常の新しい検査法(タンデムマス法)についての通知から2年、タンデムマス法によるスクリーニングが、茨城県でも4月から全面導入されますので、これをわかりやすく紹介する記事になっています。

気になったところを2点、挙げておきます。ひとつは、4ページにある表で、その左下のほうに「先天性副腎過形成症糖質代謝異常」という病名らしいものがあります。あまりに長いので、文字を縦長にして収めています。しかし、そのような名前の病気は、聞いたことがありません。「先天性副腎過形成症」とだけ書くべきものの誤記と考えて、まちがいありません。なお、この病気は現行のマススクリーニングの対象ですが、タンデムマス法では検出できませんので、これまでのやり方を併用してあつかうことになります。

もうひとつは、読点がところどころ、コンマになっていることです。この号は、協会会長の新年挨拶と、「Y.Y」という署名のある編集後記をのぞけば、誰が書いているのかがわからず、この特集もそうなのですが、たて書きの文章で、しかもすべてではなく、少しだけコンマを交ぜる書き方は、めずらしいと思います。

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