生駒 忍

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和歌山おもてなしタクシー大作戦の対象者

きょう、msn産経ニュースに、出発「おもてなしタクシー大作戦」 来月までに計14回 和歌山という記事が出ました。

「大作戦」の背景として、「今年は「紀伊山地の霊場と参詣道」世界遺産登録10周年、来年には高野山開創1200年や国体開催などが目白押しの“ゴールデンイヤー”。」とあります。統語的には、今年がそのゴールデンイヤーと読めますが、挙がったイベントを見る限り、県外の者の感覚としては、来年をゴールデンイヤーと考えたほうがよさそうに思えます。この2年間をひとくくりでゴールデンイヤーと呼びたいのかもしれませんが、スティーブン・キングのゴールデン・イヤーズではありませんが、それなら複数形にしたいところです。

「和歌山の魅力をアピールする「和歌山おもてなしタクシー大作戦」が本格的にスタートした。」とありますが、記事にある範囲では、和歌山かどうかに関係のない、単なる接客の講習のようです。14回の開催なので、そのうち新名所のアピールや方言の言いかえなどをあつかう回もあるのかもしれませんが、「今年3月までに計14回が予定され、県内の全タクシー運転手約1700人を対象に行われる。」とあり、今回の参加者は「約180人」ですので、14回を続けて受ける講座ではなさそうです。ですが、「県内の全タクシー運転手約1700人を対象」とあるからといって、全員に受講義務があるかどうかは、よく考えるとわかりません。市町村内在住者が対象だという一般向け講座はどこの自治体でもありますが、在住者全員に受講義務があるとは考えにくいでしょう。

サイゾーウーマンにきのう出た記事、マスコミ・業界関係者に聞いた、気を遣う「“勘違い”女性芸能人」によれば、フォニックスは滝川クリステルに「おもてなしは言わせません」と、強気な態度のようです。ですが、せっかくの流行語ですし、東京五輪に向けても、そしてその先もずっと、和歌山でもどこでも、意識されつづけてよいと思います。BLOGOSにきょう出た記事、現実を見ないで空想を語るのが勇気か?のコメント欄に、「「ご・ら・ん・し・ん TOKYO 2014」っていうブログ」をつくったお話がありましたが、位置がずれて「し」の1文字がかぶるだけなのに、滝川のもじりだとすぐわかるくらい、広まったことばです。また、タクシーに関しては特に、ごく一部だと思いたいですが、不愉快な思いをした体験を聞くことがありますので、おもてなしをぜひ意識してほしい業界です。マイナビウーマンにきょう出た記事、タクシーでのトラブル体験「運転手にナンパされた」「愚痴を20分間聞かされ続けた」にも、いろいろなエピソードがありました。1か月ほど前にイザ!に出た記事、すごむ、割り込む、客回さぬ 「営業妨害」認めたタクシー縄張り争いも、どちらが正しいかにかかわらず、利用者からみれば迷惑なもめごとです。ちなみに、それを書いた記者のうち片方は、きょう、逮捕されました。ですが、本紙神戸総局記者、傷害容疑で逮捕によれば、容疑を否認しているそうです。

女性専用露天風呂に女性専用時間がありますか

きょう、毎日新聞のウェブサイトに、混浴:“絶滅”危機 残せるか大自然の魔法という記事が出ました。北川温泉・黒根岩風呂での取材を中心として書かれたものです。

タイトルで、温泉そのものではなく、混浴を「大自然の魔法」としてとらえる視点が特徴的です。混浴は入り方ですから、自然の側ではなく、人間の側、文化に属する問題だと思うのが、ふつうだと思います。冒頭でも、「でも、そもそも日本人にとって混浴文化って何だろう。失ってはいけないものなのか。」と問題提起があります。これは、後のほうでわかります。だから混浴はやめられない(新潮社)などの著書がある山崎まゆみの声、「手付かずの自然の中にあることが多く、混浴ならではの大自然の感動が味わえる。」と、黒根岩風呂でむかえる日の出でのややトランスパーソナルな体験、「不思議なもので、雲の合間から真っ赤な日の出が見えた途端、夫婦連れを中心にした男女約10人が一気に打ち解けた気がした。大自然の魔法だろうか。」と対応します。

やはり、「ワニ」の問題は登場します。旅行作家の竹村節子が「見るでも見ないでもなく目の光を消し、後から入る人と上手な距離感を保ったものです。」とかつての文化を表現している、そういうマナーを守れない人が増えたのでしょうか。混浴が減れば減るほど、「わざわざ」混浴に来ておいて見るなと言うのはおかしい、いやなら来るな、となるのでしょうか。たしかに、別浴ならば異性にじろじろ見られません。そう言うと、msn産経ニュースにきのう出た記事、関西の奥座敷「女湯」30分間丸見え…30代・独身女性ら老舗旅館提訴 兵庫・武田尾温泉をもう忘れたのかと言われそうですが、あの事件では、誰かに見られる被害が生じて訴えたのではありません。なお、記事タイトルに「30代・独身女性」と入れたところには違和感もありますが、原告側弁護士が「独身女性が」とつけて被害の大きさを主張したことに合わせたのでしょう。きたない話題ですが、新装版 おしゃべり用心理ゲーム(パキラハウス著、阪急コミュニケーションズ)に、出すところか出たものかの2択で、性経験の有無がかなり的中する問いだとされるものがあったのを思い出しました。

混浴か別浴かという以前に、今の若い人は、公衆浴場のマナーを学ぶ機会がない可能性も高いでしょう。マイホームにお風呂があるのが当然の時代なのです。けさの新潟日報にあった、小田郁子という人の回想に、H教授に「まえはおかくしあそばせ」と言われて、意味がわからなかった人のお話がありました。

さて、毎日の記事では、日本固有ではないことも、混浴に否定的な話題として取りあげました。日本以外にもあるので「固有」でないのは、そのとおりです。ですが、以前に福祉と人生の意味の記事で書いたお話とも関連しますが、日本にはあっても、一般的な「外国人」にはなじみがない文化です。また、「江戸後期になってから」のものを、日本の伝統ではないと斬りすててよいかは、むずかしいところです。時代祭、神前結婚式、肉じゃが、奥の深いテーマになります。

取材先の近年の動向として、「私が訪ねた黒根岩風呂でも、3年前に女性専用露天風呂を造った。」とあります。ですが、これについての観光協会のお話に、ややずれた印象を受けました。「女性だけでなく男性からも好評です。」、これはまだ理解できます。「目の光を消し」がうまくできないと思い、森田療法の出番になるような不安になる男性もいるでしょうし、先に入っただけで「ワニ」をうたがわれることもなくなります。ですが、「夜7〜9時は女性専用時間に設定しています。」、すると、女性専用風呂に女性専用時間があるのでしょうか。女性専用車と書いてあっても、時間帯によるような、そういう運用なのでしょうか。小国記者が「造った」と書いたことからは、別個の設備のはずです。時間枠なら「作った」と書くでしょう。

大洗町の観光が持ちなおしてきています

大洗町は、太平洋に面した小さな町で、昔からの漁業と、海をいかした観光産業がさかんなところです。町の公式サイトのトップページは、役場らしからぬデザインで、観光への注力ぶりがうかがえます。ですが、2年半前の大震災で、大きな被害を受けました。震度6弱と大津波、そして原子力事故の風評被害が続きます。そこの観光が、ようやく持ちなおしてきたようです。

大きいのはやはり、日本有数の巨大水族館、アクアワールド・大洗です。朝日新聞茨城版の記事、大洗水族館に千客万来 茨城観光の牽引役に期待によると、この夏は過去2番目の来館者数を記録したとのことです。意欲的な展示の数々に、テレビ番組の影響が加わりました。テレビ朝日系「若大将のゆうゆう散歩」内での紹介もありましたが、TBS系「半沢直樹」が、ここにも効いています。きのうのmsn産経ニュースの記事、ドラマ「半沢直樹」 浅野支店長驚愕のメール場面…アクアワールド茨城県大洗水族館にもなりました。映像作品への登場は、まるまる舞台になった大洗にも星はふるなり(福田雄一監督)もありましたが、広く受けいれられる作品ではありませんでしたし、不可思議物語(今関あきよし他監督)では一番最後のあれだけでほぼ無意味でしたが、大ヒットドラマの影響力は相当なのでしょう。

そして、これまで町が経験しなかった方向から、新規に観光資源を成立させたのが、ガールズ&パンツァーです。舞台とされる大洗町に、いわゆる聖地巡礼がやってくるようになったのです。以前の記事で、コンテンツツーリズムの学術団体について取りあげましたが、巡礼は観光形態のひとつとして、評価されるようになりました。大洗町での積極的な取りくみは、観光庁による第一回「今しかできない旅がある」若者旅行を応援する取組表彰の奨励賞にもつながりました。また、観光庁がTokyo Otaku Modeと協力して始めたサイトには、Seichi Junreiのコーナーが置かれ、もちろんガルパンも取りあげられています。これからは、はるか海外からも、まさに巡礼とよぶにふさわしい来訪が伸びそうです。きょうから、毎週日曜日の再放送が始まり、来年には映画公開も予定されていますので、特需はまだまだ続くでしょう。

さらに、終わらないゆるキャラブームに乗りたいのか、つい10日ほど前に、イメージキャラクターも定めました。茨城新聞が、シラスの塊「アライッペ」 大洗町ゆるキャラ決定と報じています。名前だけ聞くとアイヌ語風で、どこのキャラなのか誤解されたのではアピールのさまたげになりそうですが、北海道にフェリーでつながっていることを意識したのかもしれません。外見は、無数のシラスにハマグリの口で、どちらかというときもキャラという気もします。着ぐるみの雰囲気によっては、ふなのみくすのようにはりきると一部で受けそうですが、どうでしょうか。

コンテンツツーリズムの学術団体

ここ数年で、コンテンツツーリズムの知名度が高まりました。学術団体も、いくつかつくられています。

コンテンツツーリズム学会は、2年半ほど前に立ちあがりました。それとは別に、コンテンツツーリズム研究会というところも、前後して現れていたのですが、団体のウェブサイトが見あたらなくなりました。3年くらい前から、http://www.contents-tourism.com/ にあったと思うのですが、ドメインごと消えてしまいました。学会のほうの http://www.contentstourism.com/ とまぎらわしいですが、goo.co.jp事件のようになったのでしょうか。関西コンテンツツーリズム研究会というものもあるようですが、ここもウェブサイトは見あたりません。そして、名前にコンテンツツーリズムとついてはいませんが、ものがたり観光行動学会もあり、この秋には、「若者はナゼ旅をしなくなったのか」をテーマとする第3回大会を予定しています。ここは、西日本に重心があるようです。

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