生駒 忍

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松本人志の自虐と「論文盗作」騒動のその後

きょう、トピックニュースに、「ガキ使」のフリートークについて、松本人志が自虐的なコメント「今やったとしても、前ほど面白ないよ」という記事が出ました。

吉本の松本と東野とのやり取りは、北岡錯視のアルバム採用の記事でも取りあげたことがありますが、今回は適切な内容でしょうか。「ガキの使い」の名物コーナーであったフリートークについて、「今やったとしても、前ほど面白ないよ」「衰えてるもん」と言ったそうです。筆者は、「自虐的にコメント」というあつかいにしましたが、自虐や謙遜なのか、まわりからは口がさけても言えない真実なのかは、実際に復活させてみないとわからないところではあります。ガジェット通信にきょう出た記事、数年前に朝日新聞が「新入社員に贈る驚くべき出世心得10ヵ条」で自虐してた?の指摘のように、一般にはわかりやすい皮肉だと思われていたものが、実は自虐だったとみるとわかりやすいというわかりにくい皮肉もあります。

ダウンタウンはもうあきた、あきられたという論評は、あきるほど見てきました。実話時代 2013年11月号(メディアボーイ)には、メディアの構造に問題があってあきられたという、大がかりな解釈がありました。一方で、松本について、アーティスト症候群(大野左紀子著、河出書房新社)の「自分流症候群」を思わせる監督業がうかがわせるように、取りまきや取りいりに囲まれ、外の声が聞こえなくなったという見方もあります。そういえば、13歳の男の子に、親が教えるキーワード(松永暢史著、日東書院本社)には、「勉強ができない子どもに多い外出時のヘッドフォン」の話題がありました。

それでも、大物になったお笑いは、お払い箱にはなかなかならないのは、ビッグ3がなお健在であることからもわかります。ビートたけしの仕事を選ばない仕事ぶりは、売れないままの弟子をかかえたままだからだともいわれますが、どうでしょうか。週刊ポスト 9月19・26日号(小学館)でたけしが、「お笑いなんて教えるもんじゃねェし」と言ったのは、皮肉でしょうか。また、タモリは、「いいとも」終了でセミリタイアしたように見られがちですが、フジは来月から、深夜番組「ヨルタモリ」でタモリを呼びもどし、改編の目玉にするようです。「いいとも」で育てた関根勤の映画には、「芸能ニュース」ラウンジにきのう出た記事、関根勤、初の映画監督!さんま&タモリら豪華出演に「ふたりが共演するのは『大霊界2』以来(笑)」のタイトルのとおりの、豪華共演をしました。そのさんまは、「からくりTV」の終了が話題になりました。それでも、需要がある限り、これからも電波に乗りつづけることでしょう。

さんまの需要で思い出したのが、北日本漁業経済学会の「論文盗作」騒動です。学会ウェブサイトでは、あの号の目次は見られないままですが、その後どのようになったのでしょうか。すっかり忘れていたので、少し検索してみたところ、ミルクカフェには、重要:本掲示板に関する謝罪広告(裁判上の和解に基づく)というものものしいスレッドが立っていました。また、ブログ記事もそれなりにあったはずなのですが、主要なものは削除されてしまっています。それでも、ある女子大教授のつぶやきなどは無事です。

鈴木杏のインタビューと火気厳禁ステッカー

きょう、チケットぴあのウェブサイトに、ナイロン初出演で鈴木杏が見せる新たな顔とは!?という記事が出ました。

ぴあでチケット販売中の舞台に関連しての、鈴木杏へのインタビューが中心です。ですが、舞台の内容については、ほとんど語られません。あの作者なので心配はしていませんが、秘密主義で期待をあおっておいて、ふたを開けたらあの評判で、だから秘密主義にこだわったのかと、別の理由で納得された大日本人(松本人志監督)を思い出してしまいました。

「勉強し過ぎだからと、蜷川(幸雄)さんから観劇禁止令も出たくらい(笑)。」だそうです。失敗した人ほど上手になれる料理の本(小林まさみ著、文化出版局)は、「調味料のそろえすぎは失敗のもと」としますが、すればするほどよいはずの勉強の、行きすぎを止められるとは、相当な勉強家です。ですが、禁じられるとかえってということもあるでしょう。心理学の用語のように思われていて、教科書にはまず出てこない「カリギュラ効果」になるでしょうか。音楽を愛でるサル なぜヒトだけが愉しめるのか(正高信男著、中央公論新社)の、反応制限説を思わせる「ポケモン実験」の結果もそういうものでしたし、Coma, Period. Episode 2も、そこでシンプルに笑いをとります。

そういえば、きょうの毎日新聞朝刊のアサッテ君の1こま目は、「火気厳禁」でした。あれを表示するステッカーの起源は、ご存じでしょうか。大化社のウェブサイトには、「ガソリンスタンドには必ず貼ってある「火気厳禁」など4種の法定看板ステッカーは小社が開発しました.」とあります。おととい、その大化社のウェブサイトが、ひさしぶりに更新されました。火気厳禁のステッカーの紹介には、「50年の信用と実績:」と、「塗装職人さんたちの声に耳を傾け,貼りやすい現在の形になりました.」とが追記されました。

ですが、大化社という社名は、私のまわりの、ステッカーにもスーパーブラストシステムにも興味がない人にも、意外になじみがあるはずです。日本認知科学会の活動に、ここの所属の方が、かなり力を発揮しているためです。教育機関とも学術研究機関とも思えない所属自体は、そうめずらしいものではありませんが、学会の重要な位置にというのはあまりなく、目だちやすいのです。ほかに、私が入っている学会で思いつくところとしては、日本子ども学会の木下編集事務所などもあります。

新・安倍なつみの歌唱法と元暴走族メンバー

きょう、マイナビニュースに、これが新・安倍なつみ! クラシカルな歌唱法を取得し「全身全霊で臨む」という記事が出ました。

タイトルでもそうですし、本文にも「ミュージカルの経験を重ねるにつれて、安倍は次第にクラシカルな発声の歌唱法を取得し、それまでのポップス的な歌い方とか異なる世界を描くようになったという。」とあり、「取得」です。「次第に」とありますし、ここは習得や修得と書くところでしょう。

「故・本田美奈子のメモリアルコンサート」とありますが、モーニング娘。は正しく書かれているのですし、こちらもドットをつけて正しく書くべきだったと思います。そういえば、同じくマイナビニュースにきょう出た記事、ビジネスで信頼を失ってしまうたった3つのポイントは、Inc.を「Inc」と書いていました。

「でもこのチャンスを無駄にはせず、今の私だからこそできる表現を追求しながら、全身全霊で臨ませていただきます!」とのこと、がんばりを期待します。以前には、あれもこれもと「私だからこそできる表現」のように見せかけた盗作騒動を起こしました。そのときにターゲットにされたとされた一人、相田みつをの作品から、ひとりしずか(三和技研)の27日のことばをかみしめてください。

それにしても気になるのが、写真のかたむきぐあいです。アップのほうは、マイクや指揮者との構図も、ふしぎな注意をひきます。縁起よく、右肩上がりに見せたのでしょうか。いじめ、盗作、人身事故といろいろあって、そのたびに立ちなおってきました。知名度を上げてあげたようなものである元暴走族メンバーは、サンデー毎日 7月13日号(毎日新聞社)によれば刑務所でも相変わらずのようですが、安倍には「このチャンス」からまた「再チャレンジ」で、名を上げてもらいたいと思います。

氷川きよしの書類送検と杉浦太陽の起訴猶予

きょう、リアルライブに、暴行を否定するしかなかった氷川きよしという記事が出ました。

「18日に一部メデイアが」とあるのは、FNNの氷川 きよしさん、元マネジャー殴るなどした疑いで書類送検へのことでしょう。発端となったスクープは、週刊文春WEBにきょう出た記事、氷川きよし書類送検へ! マネジャー告発記事、緊急再録で、また広く読まれるようになりました。「氷川が元マネージャーに暴行する“証拠”の音声」も、もちろん公開中です。

「報道された時期があまりにも悪すぎた」と考えたのは、武道館でも地方公演でも、チケットが売れなくなってきたところだったためのようです。一方で、日刊ゲンダイのウェブサイトにきょう出た記事、マネジャー暴行騒動の氷川きよし 紅白連続出場は大ピンチは、紅白歌合戦の選考への影響の指摘を紹介して、「NHK紅白15年連続出場は危うい状況」とします。演歌歌手は特に、紅白に翌年の営業が左右されますので、落ちればさらに売り上げが落ちることでしょう。

今回といろいろと対照的なものとして、杉浦太陽の恐喝騒動を思い出しました。氷川は、事務所に暴行を否定させて、自身は触れずにいくつもりだと思いますが、杉浦は記者会見を開き、傷害といってもひっぱたいた程度だと主張しました。一方で、週刊文春 8月14・21日号(文藝春秋)によれば氷川は、示談を成立させ、書類送検となりますが、杉浦は示談を拒否しました。杉浦は、既遂の恐喝は起訴猶予のあつかいでしたが、氷川は逆で、恐喝未遂にあったとうったえていたのでした。

上松美香の妊娠発表と朝日の思考停止ワード

きょう、朝日新聞デジタルに、人気アルパ奏者・上松美香が妊娠6ヶ月という記事が出ました。

BLOGOSにきょう出た記事、朝日新聞の得意な思考停止ワードがアクセスを集めているようですが、ことばづかいに定評のある朝日にしては、この記事は、やや不満を感じさせるところがあります。誰が書いたのかは、書かれていません。そういえば、BLOGOSにきょう出た記事、朝日新聞捏造報道に沈黙するTV局のチキンぶりはどうだ〜日本のマスメディアは醜い「打落水狗」のルサンチマンは、こちらは朝日に限ったことではありませんが、記者の匿名性の問題にも言及しています。

一方で、上松は著名人です。記事の最後に「人気・実力ともに日本を代表するアルパ奏者として活躍している。」とありますが、日本でアルパ奏者といったら、ほかに右に出るどころか、ほかの奏者の名前は出てこないという人も多そうです。ルシア塩満、聞いたことはありませんでしょうか。

さて、妊娠6か月ということでしたら、お金や常識のない方ではないですので、発表はきょうでも、きのうきょうに妊娠がわかったのではなく、いろいろな事情で公表がずれ込んだのだと思います。王子ホールの公演のあつかいが確定して、公表できるようになったのでしょうか。王子ホールのウェブサイトで、2014年11月 公演カレンダーを確認すると、22日は「公演予定」の表示になっています。振りかえ先は来年7月と、1年近くも先になり、さらに待つことに抵抗のある人もいるかもしれませんが、「無事に元気な赤ちゃんを産んで来年必ず戻って来たいと思っております」とのことですし、先ほどのBLOGOSの記事にある「朝日新聞のよく使う聖なるアイコン」ではありませんが、ゆるせないと口に出す人は、まずいないでしょう。そういえば、きょうの北國新聞夕刊の記事、「ホームレスが救った命」には、「赤ちゃんに一切の抵抗は許されない。」とありました。