生駒 忍

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女性の意識を変える方法と無差別平等の権利

きょう、恋愛jpに、モテるのにナゼ? なかなか彼氏ができない女性の意識の変え方3つという記事が出ました。

「第一印象で男性として見られない人に会う意味なんて」という相談者に、「少しでも可能性を感じる相手ならお付き合いしてみては」と提案します。コピペでの就職活動の記事で取りあげたもののような物量作戦を、熱意がないのに行うと考えてしまうと、苦しそうです。「しかし、たまに現れるんです。」が信じられれば、追求心が出てくるかもしれません。そういえば、TOWER RECORDS ONLINEにきょう出た記事、宮本笑里、朴葵姫も参加!話題の「爽健美茶」の音楽を完全収録~image beautiful days emotional & relaxingには、「音楽心理学の権威である金沢工業大学・山田真司教授監修の下、楽曲の選定からアレンジ、音色の開発にいたるまで、科学的な健康美価値を追及した、究極のリラクシング・ミュージックです。」とあって、あの監修者から追及を受けるようすを想像してしまいました。

「自分の見る目に頼り過ぎず、たまにはその目を疑ってみると新しい発見があります。」「視野を広げて、交際相手候補の分母を増やしましょう。」、無難ですがよいアドバイスだと思います。ふと、みんなの山田うどん(北尾トロ・えのきどいちろう著、河出書房新社)に、「見上げてごらん夜の星を。そこに見えている星だけがすべての星ではないのだよ。」とあるのを思い出しました。

「『ザイアンス効果(単純接触効果)』というもの」が登場します。お笑いの単純接触効果の記事も書きましたし、ポップ心理学でもよく知られた効果のひとつです。「単純に会う回数が増えると人は相手に好意を抱くという」と、対人心理学の文脈での解釈で書かれているのも、ポップ心理学的です。ですが、「参考文献」が、単純接触効果研究の最前線(宮本聡介・太田信夫編、北大路書房)です。そういう本ではないのですが、役だててもらえたのでしたら、とてもありがたいことです。何だか、世界がせまく感じられます。

世界で思い出したのが、ウートピにきのう出た記事、貧困を押し付けられる子どもたち 「自己責任論」で見放された、困窮家庭の実態です。このまんが家の問題意識であれば、民法877条の解体を主張したくなりそうなのに、主題にしない理由も知りたいところですが、最後に「人は無差別平等に、健康で文化的な生活を送る権利を持っているのですから。」と締めたのも気になります。明らかに、生活保護法2条や3条など、国内法の表現を意識してありますが、その2条も、日本国憲法25条も、「すべて国民は」と書き出していて、「人は」ではありません。世界人権宣言25条や27条が、すでに国際慣習法となったとみなしてのことなら、それにそった表現にするはずです。アゴラに4か月前に出た記事、憲法改正デマ(4)「天賦人権説」という言葉の誤用が招いた批判でいう「「神の下の平等」という観念を下敷きにした人権論」でしたら、神が日本の国内法のことばに合わせるのかは、何ともわかりません。それでも、ふと不安になるのは、平時忠ではありませんが、日本人以外は人と考えないという、若年ホリエモン支持者批判の記事では「国家」主義、「民族」主義と表現したような感覚が、自然に出たようにも感じられるためです。「人は」と考えたら、日本の相対的貧困などとは比べものにならない、はるかに悲惨な絶対的貧困が世界中にあるわけで、「貧困を知る大人が減っていくこと」を問題視するこの人が知らないとも、知らんふりをしているとも思いたくないところです。それとも、みんながまずしい絶対的貧困なら、ALWAYS 三丁目の夕日(山崎貴監督)のようにこころはゆたかで、「貧困のなかで精神的に追い詰められた状態」になる相対的貧困のほうが大問題だと考えているのでしょうか。あるいは、近くを優先するのが人間の性で、足もとのゲットーのフードスタンプ生活ではなく、遠いアフリカの支援に回るアメリカのセレブは異常だというような考えなのでしょうか。それとも、きびしい絶対的貧困では死亡率も高いので、先進国の相対的貧困の支援のほうがむだを出さないという、トリアージ的な発想なのでしょうか。