生駒 忍

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「人生一度きり」の裏と自分から動けない人

きょう、Menjoy!に、地雷ぼーん!付き合ったら苦労しまくり「浪費家男性の口癖」3つという記事が出ました。「ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子さんに、浪費家男性の口癖を聞いて」、「相手の深層心理を探ってみる」ことをすすめるものです。

まず、「人生一度きり」です。「なんだか、すごくポジティブシンキングでいつでも全力で生きているというイメージのあるこの言葉ですが、実は“今がよければすべてよし”という考えの裏返しかもしれないですね。」、同感です。少なくとも、来世を信じ、来世のために努力する信仰とは無縁の人でしょう。ポジティブシンキングが実はポジティブではない現実には、ピグマリオン効果とポジティブシンキングの記事でも触れましたし、最近ではたとえば、小二教育技術 2014年11月号(小学館)で田中ウルヴェ京が、「ポジティブになっても結果は出ない」と指摘しています。

次は、「これは俺にとって大切だから譲れない」です。「趣味やギャンブルにお金をかけ、たしなめても言い訳をして流す癖がある場合も」、これは手ごわいパターンです。通勤電車での恋の記事で取りあげたような、強力な学習が成立してしまっているなら、説得はとてもむずかしいです。また、「俺にとって大切だから」は、主観の世界に持ちこんで客観的な指摘を無効化してしまいますし、ベビーカーの外部不経済問題の記事で触れた「必要」「必需品」に近いあつかいにくさを生みます。

そして、「誰かが助けてくれるでしょ」です。これも、みごとなポジティブシンキングです。「日ごろから特に何も考えずに、なんとかなるだろうと思っている人は、本当にピンチになったときに、自分から動けない人なのかも」、その可能性は高いでしょう。だれかがどうにか症候群 現代人を理解する新しい視点(頼藤和寛著、日本評論社)が、その蔓延と対処を論じていたのを思い出しました。