生駒 忍

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配達員が感じた異変の情報提供と形骸化

きょう、佐賀新聞LiVEに、郵便局「目」も配ります 見守り活動、厳木地区社協と連携という記事が出ました。高岡市と富山新聞販売店との協定の記事で取りあげたものの、新聞販売店を郵便局に入れかえたようなお話で、10日に結んだ協定ということは、栃木県の児童家庭支援センターの設置検討の記事で取りあげたもののような、お盆休みのために書きためたもののように見えます。

具体的には、「郵便局の地域との接点を生かし、配達の際に感じた異変や気づきなどの情報を提供してもらうことで、問題を未然に防ぐことを狙う。」そうです。ここで気になったのは、異変と気づきとが並列の関係で書かれたことです。異変については、それ自体は相手側の事実としてあって、それを感じるという郵便配達員の主観的なできごとの情報提供ということになりますが、気づきはそれ自体が主観的なものですので、異変を感じるというのであれば自然ですが、気づきを感じるという表現では奇妙に思えます。それとも、異変が相手側のことであることと同様に、相手側の気づきを配達員が感じるという、「心の理論」的な活動なのでしょうか。

「厳木郵便局の砂田哲也局長は「地域の安心安全に貢献できることはうれしい。活動が形骸化しないよう改善しながら取り組んでいきたい」。」と言ったそうです。まずはかたちができたそばから、かたちだけが残る事態を考えはじめるのは、しっかりしていると見るべきでしょうか、それとも、どこか飛んだ人だと感じましたでしょうか。ふと、ニューヨークの女性の「強く美しく」生きる方法(エリカ著、大和書房)に、「ニューヨークの人たちは、バケーションが終わった瞬間に、次のバケーションのことを考え始めます。」とあるのを思い出しました。