生駒 忍

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遺伝子から相性を知る方法とミニマリスト内乱

きょう、Forbes JAPANに、遺伝子でカップルの相性が分かるサービス 149ドルで始動という記事が出ました。「トロントに本社を置くスタートアップ企業「インスタント・ケミストリー(Instant Chemistry)」がつくった」サービスを取りあげたものです。

「カップルとしての相性は73.5%という喜ばしい結果」、相性が率で示されるのはユニークです。5年生存率のような読み方をすればよいのでしょうか。

「人は免疫系が異なる相手により惹かれること、また、人はこの違いを無意識に体臭から判別すること」を活用していて、「パートナーと自分の免疫系が違えば違うほど、お互いがより魅力的に映る」と考えるようです。「離婚ほぼ確定カップル」の記事で取りあげた、「相補性の原理」と対応します。

ですが、創業者のゴンザレスは、「最適な違いというのがあります。この最適な違いの範囲を出てしまうと、相性の良い相手とは言えません」とも言います。ふと、色の心理学(佐々木仁美監修、枻出版社)の「色と恋愛」というコラムで、DNAではぴったり一致しないのがうまく合うようになっているメカニズムの説明があったのを思い出しました。

「別の例としては、ドーパミンD4受容体が挙げられる。」とします。これとパーソナリティや人生選択とのからみについては、D4受容体と「脅威の小宇宙・人体Ⅲ」の記事でも取りあげました。

「ゴンザレスは最終的にはインスタント・ケミストリーを恋人紹介のサービスに進化させてようと計画している。」そうです。SINGLDOUTと「方向性の違いからパートナーシップを解消するに至った」後に、「ゴンザレスは事業の方向性を転換。」したのですが、あきらめきれなかったのか、似た方向にまた近づきたいようです。つい、「聞き分けのないゴンザレス」を思い出してしまいました。

「ミスマッチな相手との無駄な時間を省き、お互いを早く見つける手助けをするツールとしても」とも提案します。とても効率的、合理的だといえます。ですが、こういうことに効率第一なんてと、感情的な反発もあるでしょう。お年寄りが言いそうなだけでなく、若くして人生における後悔の価値を説く、6月23日付読売新聞朝刊の岩尾百花という人のような考え方もあります。あるいは、直感を裏切る数学 「思い込み」にだまされない数学的思考法(神永正博著、講談社)にある、四色定理の証明に「「コンピュータを使った」という点が数学者の嫌悪感を増幅させたのだと思います。」という感覚も近いでしょうか。

それで思い出したのが、はてな匿名ダイアリーにきょう出た記事、ミニマリスト内乱、勃発です。むだのない、クールですっきりした生き方を説いていた世界が、すっきりしないどろどろに熱くなっていることを整理しました。固有名詞がいちいち呼びかえてあって、少々読みにくいですが、どうしてもわからない人には、そもそも読む意味のない話題ですので、問題ありません。東スポWebにきょう出た記事、田中みな実 フジ「ニュースな晩餐会」打ち切り!低視聴率とBPO問題が致命傷に2回登場する「芸能界の実力者」のように、誰もがわかっていて、出すわけにはいかないと誰もがわかっている、まるで神聖四文字のような名前とは異なり、はるかにせまい世界のことにすぎません。