生駒 忍

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アルコールの話題へのクレームと脳梁の性差

きょう、トピックニュースに、「あさイチ」のどぶろく特集に視聴者から苦言「アルコールの話題は反対」という記事が出ました。

「番組の終盤、視聴者からのFAXを紹介するコーナーで「朝からアルコール?」と題した、苦言を呈する内容のFAXが」紹介されたことを取りあげます。またクレームかと思った人も多いと思いますが、またと思われるのは、いつもこうして番組自体でクレームを明かすからで、こういう正直さ、謙虚さがこの番組の売りのようにもなっています。ですので、番組がつぶれることはなく、むしろ裏番組がつぶれてしまいました。ふと、報知高校野球 2015年1月号(報知新聞社)で岡田龍生が、「クセはあってもいいですが、謙虚さもないと大成しないでしょう。」と言ったのを思い出しました。

今回のクレームは、「自身の周りには「ママ友、パートの同僚…キッチンドランカーがたくさんいます」とのことで、「専業主婦ほどアルコール中毒になりやすいとか」「1日がんばろうという人を誘うようで反対です」」というものでした。テレビで見て、飲みたくなる人が出るのは当然ですが、その場ですぐ飲むのはがまんすることも当然です。丹波地区の飲酒容認文化の記事で触れたように、わが国は酒類の広告にも寛容ですが、NHKですし、重いアルコール依存の人が見せられたら、特に刺激的なものでもあるでしょう。そんな人が視聴者にどれくらいいるのか、いわゆる「繊細チンピラ」や「マイノリティ憑依」の身勝手を相手にしていたらきりがないという考え方もあると思いますが、まわりに「キッチンドランカーがたくさん」見られる人は、危険に感じて、意見したくなるのもわかります。そういえば、買いたがる脳(D. ルイス著、日本実業出版社)は、「1日4時間以上テレビを観ている人は、テレビを観る時間が大幅に少ない人との意見差が大きい。」として、多い人は「犯罪や暴力行為、アルコールやドラッグ中毒、売春が蔓延していると信じ、」「社会は危険で悪意にあふれ、身勝手な世界だと考えがち」だと指摘しました。

「有働由美子アナウンサーは「飲みたくなっちゃうのかもしれません」「それはぜひ、自分でコントロールしていただきたいと思います」と冷静な切り替えしをすると、玉袋も「そういうこと!」と、有働に同意する声があげていた。」と締めます。正面から突きはなした正論でもありますが、誰もがそうできるのなら誰も問題にしないのにと考えると、ずらしてかわしたようにも思います。表現があちこちずれているのも、気になります。

ずれで思い出したのが、ローリエにきょう出た記事、女は二次元、男は三次元で判断している!? 男女の”カワイイ”が異なるワケです。「女性の「カワイイ」と思う子と、男性の「カワイイ」と思う子は違うみたい」という定番の話題を、「決定的なズレを生む理由はやはり男女の脳の違いというのが原因だったようです。」と論じます。そして、脳梁に着目します。「そこが男性は細いために、右脳でとらえたものと左脳でとらえたものの連携がスムーズではありません。」「女性はこの脳梁が太いために、右脳と左脳の連携がスムーズ。」、おなじみのポップ脳科学ですが、ここから「男は3次元、女は2次元で認識する」ことがみちびかれて、次元が高くてついていけません。なお、脳梁の大きさの性差は、脳全体の大きさに性差がありますので、その中での相対的な大きさでみるか、脳梁だけを取りだして絶対的な大きさでみるかという問題もありますし、差があると結論できるかどうかに議論はありますが、大きな差がないことは明らかです。