生駒 忍

記事一覧

「フジテレビだから見ない」人と女子中高生

きょう、日刊サイゾーに、北川景子ドラマ『探偵の探偵』1ケタ急落でフジ崖っぷち! 月9『恋仲』も絶望的か?「視聴者層が狭すぎて……」という記事が出ました。

「北川景子主演ドラマ『探偵の探偵』(フジテレビ系/木曜22時~)は、初回こそ平均視聴率11.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と2ケタを記録したものの、16日放送の第2話は7.5%まで急落。」したそうです。原作は、『探偵の探偵』書評の記事で取りあげたものですが、皆さんは、あの作品なのにきびしい結果だと見ますでしょうか、それとも、あの程度にしてはむしろ善戦だと見ますでしょうか。

「もはや『フジテレビだから見ない』と、頑なな視聴者が大勢いるとしか思えない惨状。」と、雑誌記者が斬っています。ですが、そこまで「頑なな視聴者」であれば、1話目も見ないでしょうから、視聴率が2話目で落ちることには影響しないように思います。

「これがコケでもしたら、今期のドラマは全滅です」とされた「王道ラブストーリーの『恋仲』は、放送前から「数字を取るのは難しいだろう」という声が相次いで」、苦しそうです。これ自体は原作ものではありませんが、「女子中高生を中心に『別冊マーガレット』(集英社)系少女漫画を原作とした恋愛映画の需要が高まって」、「その風潮をそのままテレビに持ち込んだ企画」という理解でよいと思います。そういう「視聴者の偏りが予想されるドラマ」なのにという疑問のようですが、「頑なな視聴者」がそう多いとは考えにくい層ですし、以前のテレビドラマの対象とは異なる層をねらうのは、興味深いやり方ではあります。「あまちゃん」の成功には、朝ドラを見てきた中核的な層ではないところの抱きこみのうまさがありましたし、日本のテレビドラマの転換点となった「男女7人夏物語」について、昭和40年男 2015年8月号(クレタパブリッシング)で沼田通嗣は、それまでのドラマとは異なるターゲットをしっかりねらったことを明かしています。