生駒 忍

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グルメ本にお金を出す心理と「愚民化装置」

きょう、Jタウンネットに、ネット時代になぜ「地方グルメ本」が売れる?という記事が出ました。

「出版不況といわれる中、好調な売れ行きをみせるのは、ランチやカフェなど、様々なテーマやジャンル別に地元の飲食店を紹介する地方版のグルメガイド本です。」とあります。テレビをつまならくする若手の記事で取りあげたように、民放テレビにもグルメ企画だのみが目だつようになりました。オールドメディアは、食で食べているのです。

このネット時代に、「有料で紙媒体のグルメガイドに関心を寄せる読者の心理を、編集スタッフは」「誰があげたのかわからなかったりだとか、どれを選んだらいいのか分からなかったりするなかで、一冊に編集することによって、読者が必要な情報がまとまっていることが一つのメリットなんじゃないかなって思います」と見ているそうです。自分でさがして、自分で判断すればよいものでも、その手間も減らして、オールドメディアの信用にたよりたい人には、ネットよりも楽でよいのでしょう。わかりやすい娯楽に、与えられるままにつかる、まるでゲッベルスに骨抜きにされたドイツ国民のようです。週刊アスキー 7月29日号(KADOKAWA)で、4スクリーン時代の「愚民化装置」の最強がテレビだとされたことにも近いでしょう。NEWSポストセブンにきょう出た記事、各局で超常現象特番が花盛り オカルトが再ブームの理由とはでの、「ただし、視聴者はいつでもYouTubeを見ることができるはず。敢えてテレビで見ることもない気がするが…。」という疑問への答えも、探さなくてよく、楽であることでした。

さて、ランチパスポートについて、「掲載によって、以前より売り上げがアップしたという例も多いそうです。」とあります。「多い」とあるので、載っても増えない例もあるのでしょう。大きく割りびいたメニューでお客が増えても、利益になるかどうかはわかりませんが、「売り上げがアップ」するのは、地域であれだけの数が出まわるのですから、当然のはずです。いつもきちんとお客が入っていたお店が、限られたランチの時間帯を、客単価の安い、もちろん利益にならないパスポート持ちに埋められてしまい、ひどい目にあっているのかもしれません。ガジェット通信に2年前に出た記事、クーポン共同購入サイトにてトラブル “キッチンとらじろう”がクーポン客に対してありえない接客を思い出しました。