少し前に、精神保健福祉士受験暗記ブック2013について取りあげました。その中で、この本はくせが強いと書きました。ですが、少なくとも、私が持っている2013年版と2010年版とを比べると、改善されたところがいろいろあることがわかります。
表紙のデザインが変わったのは、この本にかぎったことではなく、中央法規出版の福祉士受験関連本に共通することですが、前の株式会社ジオによるものよりも、今のタクトデザインによるもののほうが、しろうとらしさのないデザインになっていて、ずっとよいと思います。暗記ブックのページ数は、3年の間に約25%も増えていて、将来が心配なほどのハイペースですが、それでもくせの強かった内容は削られています。2010年版にあった「精神科ソーシャルワーカーの教育課程の形成」という節は、ロンドン大学の関連コースを開設年順に並べたり、ヤンセンによるリッチモンドフェローシップの創設を取りあげたりする、なかなかほかが手を出さないところを攻める内容だったのですが、まるごと消えました。国立高度医療専門センターの一覧なども、なくなりました。
細かいところでも、いろいろと改善がされています。その中から抜粋して、2013年版の掲載ページ順に挙げてみましょう。
・脳血栓と脳塞栓とを比較する表で、脳血栓の進行は「徐々に」であるのに対して、脳塞栓は「超急激」とありましたが、2013年版では1文字はずして、「急激」となりました。
・マズローの欲求階層説の上から2番目が、「自尊と尊敬」から「承認」に改められました。
・フロイトの発達理論における男根期の時期のめやすが、6歳までだったのが5歳までになりました。
・年金制度の改正の動向をまとめた表で、「賃金スライド→物価スライド」をまるごと赤い太字にしてあったものを、間の矢印はふつうの黒字にして、二つが別々の用語であることがわかりやすくされました。
・個別援助アプローチのモデルを並べた表で、一人だけ名字のみではなかった「ヴィヴィアン・バー」が、単に「バー」になりました。
・精神保健福祉援助技術に関するカタカナ語を五十音順に列記したコーナーで、2010年版には漢字2文字であらわした「使われる場面」がそえられていましたが、すべてなくなりました。
・就労継続支援のA型とB型とを比較する表で、労働法規の遵守はA型で「○」、B型は「△」とだけあったのですが、2013年版ではそれぞれ「適用」と「-」となり、B型のほうには表の下の注で説明が加わりました。
・障害者の職業リハビリテーションにかかわる各種センターの設置数が、いつの時点でのものなのかがわかるようになりました。