生駒 忍

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高校生の寄り道と遠回りした人生からの成長

きょう、Yahoo!知恵袋に、高校生は帰りに寄り道して何をしとるんですか?という質問記事が出ました。方言のせいではないと思いますが、まだ誰も回答をつけていません。

子どもの放課後のすごし方については、たとえばベネッセ教育総合研究所による、放課後の生活時間調査をはじめとして、いろいろな研究があり、ちょうど私もかかわっていたりもします。ですが、帰宅後をはずして、特に寄り道に限定したものは、なかなかありません。子どもの道くさ(水月昭道著、東信堂)はありますが、高校生よりもずっと低い年代の話題です。同じくYahoo!知恵袋できょう解決した質問、私はこの春から高校へ進学します。を見ると、こんなに早々に質問するほど、寄り道に関心の高い高校生がいることがわかりますが、外からは関心が持たれにくいようです。

先ほど挙げた本について、水月-寄り道という組みあわせは、あの著者の経歴を考えると、興味深く思えます。よく、心理学者が研究テーマに選ぶのは自分自身のことだと言われるのを思い出します。今では学校法人筑紫女学園評議員につき、ご実家つながりという意味では帰宅ともいえそうですが、それまでの長い間の「道草」から、安泰の根がそだったのかもしれません。立命館がらみでは、少し前に書いた『ビリギャル』と西條剛央の記事で紹介した例もありますし、遠回りの道が王道へつながる人生もあるのだと考えたいところです。hontoできょう販売開始となった、家が、居場所が、なくなる時 さまよう子どもたちが辿り着いた先の最後の章は、「遠回りしたから、強くなれた」でした。