生駒 忍

記事一覧

裸画像の自画撮りで性犯罪者になった女性

きょう、msn産経ニュースに、愛好者同士で自分の娘の裸画像交換も…摘発過去最悪、増加する児童ポルノという記事が出ました。児童ポルノ事件の、想像しがたい現実をあつかった記事です。

「近年、増加傾向にある児童ポルノ事件の形態としては、言葉巧みに誘導されて被害児童が自らの裸を撮影し、メールなどで送信してしまう「自画撮り」がある。」とあります。「自画撮り」が、性犯罪の一種を指す用語になってしまったのも気になりますが、自分から撮影したことが「自画撮りによる被害」にひっくり返ることも、ふしぎに思われるかもしれません。ですが、無理やりではなく、自分で撮ったもので自分が被害者になる例が、後をたちません。ウートピに先月出てずっとアクセスを集めつづける記事、ネットに公開された美少女達の”性器” 消えることのない「セルフィー」の悪夢とは?には、アメリカでの事例として、13歳の時に「胸と性器の写真を4chanに公開されて」、男性の反応がひろがったために「ロリはすっかり怯え、今では自衛のためにたくさんの銃を持った両親と共に家に引きこもって過ごしています。」とあります。わが国でも、以前に裸画像のうわさの記事であつかったLINE上での事件はうわさあつかいですが、昨年の自称立命館大生によるストーカー事件被害者の画像公開は、記憶に新しいでしょう。また、親は知らない ネットの闇に吸い込まれる子どもたち(読売新聞社会部著、中央公論新社)には、「裸をさらした少女たちの後悔と恐怖」という節があり、自画撮りをした中学生ががわいせつ物陳列で、高校生が児童買春禁止法違反で書類送検された例が紹介されます。前者の母親は、「最初は信じられなくて、誰かに無理やり撮影されたものだと思った」とあります。被害者が性犯罪者になる「被害」まで起こるのです。

「児童ポルノ事件の大きな特徴として、画像を撮影したりネット上などで流通させたりしている加害者側はほとんどが金もうけを目的としていないことが挙げられる。」とあります。先ほどの親は知らない ネットの闇に吸い込まれる子どもたちの事例のうち、高校生はお金目あてでしたが、中学生のほうは注目がほしかったようで、一円も手にしなかったようです。そして、記事には「中には、「幼い自分の娘の裸の画像を交換している悪質なケースもある。全く理解できない」と、一般的な感覚を超越したケースも多いという。」とあります。これも、親は知らない ネットの闇に吸い込まれる子どもたちにもある話題で、第5章「欲望の対象にされる子どもたち」に、その「一般的な感覚を超越したケース」がならびます。

こうなってくると、早急な対策が求められるところですが、記事では「国際的な圧力で国内でも法規制」「「表現の自由」か、違法な「児童ポルノ」か」と表現するように、自発的にすなおにはいかないところが、とてもやっかいです。このあたりの議論も、先ほどの親は知らない ネットの闇に吸い込まれる子どもたちにもあります。