きょう、NEWSポストセブンに、AV男優 息子の中学卒アルに「目指せAV男優」と書かれショックという記事が出ました。
読んだおぼえがあると思った方もいるでしょう。これは、きのう出た溜池ゴロー氏 息子に「18歳までAV観るな14歳まで調べるな」に引きつづいて、週刊ポスト 2月28日号(小学館)の特別読物「お父さんがAV男優でごめんな」から切りだしたものです。なお、この号は、Amazon.co.jpでの内容紹介が、どう見ても前号のものです。今号は、約2000人の「基地反対派の新市民」が市長選前に名護市に住民票を移していたなどの硬派の話題から、字がきたない若者を生みだした「個性」重視、佐村河内守を芸人にさせた場合のブラックな笑いの取り方まで、もりだくさんの内容です。「死ぬほどSEX」シリーズもあきずに続ける一方で、今号からの新シリーズには「体はもっても、カネがもたない」とあるのも、おもしろい取りあわせです。
今回のNEWSポストセブンの記事は、佐川銀次の職業と家族のお話です。性産業と親子関係に関係する話題といえば、親のお金の都合で娘がという、かつての慰安婦、今でも名前のない女たち 最終章(中村淳彦著、宝島社)に登場するパターンか、性の仕事を選んだ娘の親の思いに焦点をあてるかが大半です。なお、ブッチNEWSの記事、AV女優からカネをむしり取る悪徳プロダクションの手口の「熊井優」の事例のような、後者がらみで前者とは逆向きのパターンもあります。
一方で、親が性産業ではたらき、それを子どもに知らせるか、子どもがどう思うかという視点は、あまり多くありません。週刊文春 11月7日号(文藝春秋)で宮藤官九郎が提起した疑問の世界です。その中で興味深いものとして、風俗嬢たちのリアル(吉岡優一郞著、彩図社)の「桃子」の事例があります。かつて母親がはたらいていた京都・五条楽園で仕事につき、息子には自分の仕事を知らせてあるそうです。
今回の記事は、さらにひねりが入って、性産業ではたらく男性のほうを取りあげます。女性については、デフレ化するセックス(中村淳彦著、宝島社)による人あまりの指摘がありますが、一般的には男女どちらも必要なAVの世界でも、もともと男優の数は女優とはけた違いに少ないので、貴重な企画です。また、浅田真央が載ったこのタイミングの号で、亡くなった母親の、一部で悪く言われている過去を連想させるのは非常識なので、男性でよかったと思います。
「驚くことに、佐川さんは子どもたちだけでなく、奥さんにも「AV男優をしている」と明言していない。」、これにはおどろきました。佐川は、「もちろん、女房は僕の仕事を知ってはいるけど、家で話題にしません。」と言います。ばれているのに、そしてばれているとわかっているのに毎年サンタクロースを演じるような感覚で、アリバイ会社の従業員にでも化けているのでしょうか。以前に佐村河内守の記事で、佐村河内の妻に触れたことを思い出しました。