生駒 忍

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ぶりっ子をきらう心理と「あまちゃん」完全版

きょう、Yahoo!知恵袋に、ぶりっ子を嫌う心理って何ですか?という質問記事が立ちました。以前に、SNSへの不適切投稿をする人の心理と心理学という記事で書いた、心理学がなじみにくい「~する(人の)心理」のパターンですが、いくつか回答がついています。

通常、「ぶりっ子」は女性に対して使う表現ですが、ではその逆、男性版はあるでしょうか。古い概念では「軟派」、新しいものでは「チャラ男」が近いかもしれませんが、ほかの同性からの、嫌悪感を通りこして敵視にいたるほどの感じが、「ぶりっ子」ほどにはなさそうで、男女の非対称がうかがえます。ですが、女性でひとくくりにするのは乱暴で、その中でもさまざまな感じ方があります。きょうの週刊新社会のコラムで、男性のほうを向いていると判断したそれなりの歳の女性をこきおろしている辛淑玉も、昨年12月24日付の日刊スポーツで「「ぶりっ子好き」を公言するのも珍しい。」と書かれた大野いともと、いろいろです。

だいたい想像がつくかもしれませんが、発言小町を見てみましょう。昼田とハッコウ(山崎ナオコーラ作、講談社)に登場する「発言タウン」のモデルだと考えられる投稿サイトです。すると、少し前に盛りあがった、結局美人でぶりっこがいいの!?悔しい!!!など、想像どおりという感じです。Biz+サンデーのブログの、飯田香織による【女偏、男偏】という記事を読んだことがあっても、「嫉妬」がどちらも女へんなのはという、耳にたこのお話が頭にうかんでしまい、小町でよく見る表現を無理に使うなら、もやもやしてしまいますとでも言うところでしょうか。

「ぶりっ子」は、テレビでも使われますし、むしろ1980年代前半に、テレビが広めたことばといえるでしょう。NHKで放送された「あまちゃん」にも、その時代への言及の中で登場しました。ところが、あまちゃん 完全版 DVD-BOX1では、そこがカットされたというのです。アサヒ芸能 10月17日号(徳間書店)によると、ぶりっ子と松田聖子とが結びつく表現に、聖子サイドからけちがついた影響のようです。ほんとうのことなのに今さら、と思う方も多いでしょう。著名人とはいっても、Q&A 思春期のアスペルガーのための恋愛ガイド(G. ウーレンカム著、福村出版)でいう「言わない方がいいこと」のようなとらえ方をするべきところなのでしょうか。