生駒 忍

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公募シンポジウムの通し番号入り企画タイトル

日本心理学会77回大会は、開催まで1か月を切ったところで、ひととおりのプログラムが公開されるはこびとなりました。以前に、日心77回大会1号通信等が届きましたという記事で、当初発表よりも遅れて届いた1号通信のことを取りあげましたが、なんとか準備が進んでいることがわかって、安心しています。

今回は、変更点のとても多い大会となっていますが、中でも大きな改革は、毎年百数十件を受けいれていたワークショップを全廃して、公募シンポジウムと入れかえたことでしょう。その応募は、きびしく絞られるといううわさも立っていましたが、結果的には、79件が採択となったようです。昨年の76回大会のワークショップが137件、その前の75回は131件を認めていましたので、かなりの減少なのですが、私にはなぜか、半減どころではなくなるイメージがあったので、ほっとしつつがっかりするような、変な感じです。まだある 今でも遊べる“懐かしの昭和”カタログ 遊園地編(初見健一著、大空出版)でとしまえんの「裏の顔」と呼ばれているアトラクションの、どこでいきなりおどかされるのだろうという怖さだけが高まって終わるつくりに、少し似ているかもしれません。

その公募シンポジウムのプログラムをながめて、企画タイトルの雰囲気が変わったことに気づいた方も多いでしょう。シリーズの通し番号表記をふくむものが、激減したのです。前回のワークショップでは、137件中の45件が、シリーズ番号をつけていました。20や30もありましたし、はじめからシリーズ化を前提として、1とつけているものも11件ありました。では、今回はというと、わずか4件です。通し番号の順に挙げていくと、「エビデンスに基づく実践に役立つプログラム評価の視点(2): 介入プロセスの可視化から効果評価に向けて」(企画代表者・司会者: 安田節之)、「青年期の恋愛関係における否定的な関わり ―青年心理学の新展開(2)―」(企画代表者・司会者: 高坂康雅)、「ふと浮かぶ記憶へのアプローチ3: ふと浮かぶ記憶をいかにして測定するか」(企画代表者・司会者: 森田泰介)、「日本における数理心理学の展開XXI」(企画代表者: 吉野諒三、司会者: なし)です。激減の理由は、おそらく想像がつくかと思いますが、ゼロになってはいないのがまた、興味深いところです。ほかに、番号ではなく開催年の付記にかえたものと、前回とまったく同一の企画タイトルをあてたものとが、1件ずつあります。なお、前回に30回をむかえたあのシリーズは、見あたりませんでした。以前に書いた、一橋大の不採択ではないですが、低評価で不採択となったのでしょうか、それとも、不名誉をおそれて、不戦敗を選んだのでしょうか。あれほど長く続いてきたのに、私のまわりは一度も見に行ったことのない方ばかりなのですが、ご存じの方がいましたら、教えていただきたいと思います。