生駒 忍

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認知症サポーターは資格ではないとされます

シリーズ第25弾です。

ワークブック217ページに、「認知症サポーターの資格要件は何か。」と問い、答えは「養成講座の修了」となる一問一答があります。これは、適切ではないように思います。

認知症サポーターの資格要件というからには、認知症サポーターは資格だということになりますが、そうでしょうか。認知症サポーターキャラバンのサイトを見まわしても、「「認知症サポーター養成講座」を受けた人が「認知症サポーター」です。」という、ボーリングによる知能の定義を思わせる定義はありますが、資格だという表現は、どこにもありません。資格ではないとも書かれていません。

ですが、資格ではないという明言は、あちこちでされています。日本農業新聞東北版の、認知症サポーターを養成 介護に生かしてと講座 JAきたかみという記事には、「資格ではないが」とはっきり書かれています。また、公的な報告書にも見つけることができます。「平成24年度 第1回八尾市地域包括支援センター運営協議会」について(報告)を見ると、「認知症サポーターは資格なのか、名前が公開されるのか、また、今後サポーターの活用方法を検討しているのか。」という問いへの回答で、「地域で見守りの目を増やす目的で行っており、資格ではない。」と明言されています。平成21年度第2回高槻市社会福祉審議会高齢者福祉専門分科会でも、「認知症サポーターというのは特に資格ではありません。」という回答があったことが記録されています。なお、これにつながった問いを見ると、「認知症の問題は非常の大きいと思うのですが、認知症サポーター100万人計画の中で、現在1,200人ですね、この方たちは具体的にはどういうものですが。資格をとったらそれはどういう役割をするのですか。」と書かれていますので、この文字どおりの発言だったのかは、やや疑問に思います。そして、資格であることをはっきり否定するこれらに対して、キャラバンが抗議や撤回・訂正要求を行ったとは、いまだに聞いたことがありません。