生駒 忍

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テンニースにはウムラウトがつきます

シリーズ第23弾です。

ワークブック106ページに、「テンニース(Tonnies, F.)によれば、ゲマインシャフトとは、本質意志に基づき、感情的な融合を特徴とする共同体的な社会のこと」とあります。ゲマインシャフトの定義は、これでかまわないと思いますし、「テンニエス」「トェンニース」「テーニス」といった、昔のカタカナ表記でないのも、これでよいでしょう。ですが、テンニースのつづりから、ウムラウトが落ちています。"Tönnies, F."と書くのが適切です。

それとも、このワークブックは、ウムラウトを使わない方針なのでしょうか。そんなことはありません。62ページには、「ケーラー(Köhler, W.)が強調した洞察学習」とあります。

ちなみに、ゲマインシャフトを特徴づけるWesenwilleは、このワークブックでは「本質意志」と訳されていますが、「本質意思」と訳したものも見かけます。福祉領域では東京帝国大学セツルメントで知られる末弘嚴太郎は、どちらも使っているようです。社会福祉士合格ワークブック2013 共通科目編(ミネルヴァ書房)には、「本質意志」と「本質的な意思」との両方があります。Kürwilleのほうも、「選択意志」と「選択的な意思」との両方があります。